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高校数学10分プログラミング(数学Ⅰ編 1.2次関数)13日目「2次関数のグラフと2次方程式の実数解の関係」解説

マガジンリスト > 数学Ⅰ編 1.2次関数 > 13日目 解説

本日の課題、おつかれさまでした。

2次関数のグラフの$${x}$$軸との共有点と2次方程式の実数解との関係を確かめることができたでしょうか。

解答例

2次関数$${y=ax^2+bx+c}$$のグラフを描き、一方で2次方程式$${ax^2+bx+c=0}$$の実数解を求めて$${x}$$軸上にプロットするプログラムは以下のソースコード3のようになります。なお、ソースコード3は、2次方程式(1)$${x^2-2x=0}$$を例に作成しています。

// 2次関数y=ax^2+bx+cのグラフのx軸との共有点と
// 2次方程式ax^2+bx+c=0の実数解との関係
void setup(){
  size(500,500);
  noLoop();
  float x_range = 10.0; // x軸の表示範囲 -x_rangeからx_rangeまで
  float y_range = 10.0; // y軸の表示範囲 -y_rangeからy_rangeまで 
  setAxes(x_range, y_range); // 座標軸の準備
  
  noFill();
  stroke(0,0,0);
  
  // グラフの定義域
  float x_l = -x_range; // 定義域の左端
  float x_r = x_range; // 定義域の右端
  int plot_num = 200; // グラフを描くための頂点の個数  
  
  // 2次関数の係数
  float a = 1.0;
  float b = -2.0;
  float c = 0.0;
  
  // グラフを描画
  float x, y; // 関数の座標
  float X, Y; // キャンバス上の座標
  beginShape();
  for(int i=0; i<=plot_num; i++){
    x = x_l + (x_r - x_l) / plot_num * i; // 関数のx座標
    y = quadraticfunction(a, b, c, x); // 関数の値
    // キャンバス上の座標位置に換算
    X = width / 2.0 / x_range * x;
    Y = height / 2.0 / y_range * y;
    vertex(X, Y);
  }
  endShape();
  
  // 判別式
  float D = b*b-4.0*a*c;
  
  stroke(255,0,0);
  strokeWeight(5);
  
  // 2次方程式の解の個数に応じて、その実数解をx軸上にプロットする
  if( D > 0 ){
    float x1, x2;
    float X1, X2;
    x1 = (-b + sqrt(D))/2.0/a;
    x2 = (-b - sqrt(D))/2.0/a;
    // キャンバス上の座標位置に換算
    X1 = width / 2.0 / x_range * x1;
    X2 = width / 2.0 / x_range * x2;
    point(X1, 0.0);
    point(X2, 0.0);
  } else if( D == 0 ){
    float x1;
    float X1;
    x1 = -b/2.0/a;
    // キャンバス上の座標位置に換算
    X1 = width / 2.0 / x_range * x1;
    point(X1, 0.0);    
  } else {
    println("実数解を持たない");
  }   
  
  
}

// 2次関数の一般形
float quadraticfunction(
  float a, // 2次の係数
  float b, // 1次の係数
  float c, // 定数項
  float x
){
  return a*x*x + b*x + c;
}

ソースコード3 2次関数のグラフと2次方程式の実数解をプロットするプログラム

このソースコード3を、スケッチ「drawQuadraticFunctionwithCommonPoint」のテキストエディタ部分に書いて実行すると、図1のように、コンソールに課題(1)の結果として2次関数のグラフと$${x}$$軸との2つの交点に2次方程式の2つの実数解がプロットされていることがわかります。

図1 2次関数がx軸と2点で交わる場合


また、ソースコード3の2次方程式の係数の部分を課題(2)に合わせて、$${a=1, b=-2, c=1}$$として実行すると、図2のように、2次関数のグラフと$${x}$$軸との1つの交点に2次方程式の1つの実数解(重解)がプロットされ、課題(3)に合わせて、$${a=1, b=-2, c=2}$$として実行すると、図3のように、2次関数のグラフと$${x}$$軸との交点はないので2次方程式も解を持たずプロットされないことがわかります。

図2 2次関数がx軸と1点で交わる場合
図3 2次関数がx軸と交わらない場合


2次関数のグラフの$${x}$$軸との共有点と2次方程式の実数解との関係については、記事『高校数学をプログラミングで解く(数学I編)「1-6 グラフと2次方程式」』で扱っていますので、そちらも一度読んでおいてください。


本日は以上です。
明日は、2次不等式について考えていきたいと思います。

明日もよろしくお願いします。

※今回の課題とその解答例について質問や疑問がある方は、本記事の下部にあるコメント欄からお願いします。

MK’s papa

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