【チャート紹介】6maxプリフロップチャート
はじめに
この記事は6maxCashgameにおけるプリフロップチャートの紹介記事です。
サンプルは記事下にあります。(全てのポジションのオープンレンジと一部の状況のレンジを載せています。)
具体的な計算前提は以下の通りです。(計算精度に関しては後述)
今の時代、プリフロップに関してはあなたが相当上手いプレイヤーでない限りは機械が計算する均衡解に頼ったほうが良い成績が出せます。
しかも理論の理解が多少追い付いていなくても、プリフロップに関してはポストフロップほど複雑な場面はないため、多少センスがなかったとしても努力で戦略を身に付けることができます。
そのため、計算されたプリフロップレンジをコピーするのは非常に効率のいい勉強法です。
ここで6maxでは有料の計算結果を買わなくても、snowieのpreflop advisorレンジ(無料)をコピーするという選択肢があります。私も初心者の方にはとりあえずこのレンジを使うことを勧めていました。しかしこのレンジにはいくつかの問題点があります。
本記事ではこの問題点と本チャートの特徴について述べたあと、以下の流れで本チャートの説明(とDLリンク)について述べます。
サンプルで全てのポジションのオープンレンジと一部の状況のレンジを公開しているので、興味がある方は是非これをみて購入を検討していただけたらと思います。
Snowieレンジの問題点と本チャートの特徴
Snowieレンジの問題点は主に以下の3つです。それぞれに関して説明します。
①:ソルバーによる計算結果では、IPからはopenに対して3倍弱程度の3betが、OOPからはopenに対して4~5倍程度の3betが推奨されますが、Snowieの3betは全てPot raiseであり適切なサイズではありません。(IPでは大きすぎ、OOPでは小さすぎる)
②:例えばUTGがopenしMPがcallした場合のCOの戦略やBBの戦略についてはPreflop Advisorではわかりません。
均衡解上はMP,CO,BU,SBはあまりopenに対してcoldcallしませんが(しても間違いという訳ではない)、実践ではcoldcallしてくるプレイヤーも多いため、この場合の戦略についてある程度抑えておくことは重要です。
③:Snowieにおける、UTGでopenしBBから3betされた場合の戦略を下記に示します。ここでAKやKKを全てcallするのはPioSolverの計算結果とかなり食い違います。
(PioSolverは均衡からの距離が保証されているため、Snowieが間違えていると考えられます。また、この戦略では一般的に考えても明らかに4betブラフが多すぎます。)
加えて3betに対してcall or foldするレンジが無いのもおかしいです。計算方式によって計算結果に多少の誤差が生じるとはいえ、これほどずれていてはこのレンジを使った場合に期待値の損失が起きることは確実です。
以上の理由により、本気で勝ちを目指すならばSnowieレンジよりも精度の良いプリフロップソリューションを使ったほうがいいです。
(もちろんSnowieレンジで十分な方も多いとは思いますが。)
また、市販されているプリフロップソリューションについても以下のような問題点があります。(Monkerguy、FullDeckSolutions、RangeConverter等)
④:私が知る限りでは、ツールを起動しクリックして戦略を見るものが主であり、その大半がスターズと同時起動不可のツールであるため、戦略を実践で再現できるようになるためには戦略を暗記するか、自分で戦略を(画像形式等で)まとめ直す必要があります。
⑤:②で述べたものと同じ話です。相手のcoldcallは最適戦略から少しずれていることが多いので、厳密にはソリューションから学ぶのは確実ではありませんが、それでも発生頻度が高いためこの状況の戦略をソリューションから学ぶ価値は高いです。
これらの問題点について解決するために、今回は私はopenに対するcoldcallを入れて均衡解を計算し、その結果をxlsxファイルでポップアップ表示させる形式でまとめました。
加えて見やすいように簡易版のチャートも作成、添付したので、本チャートは初心者の方でも使える、非常に実用的なものになっていると思います。
(より詳しい内容についてはサンプルをご覧ください。)
※値段については2020年3月14日現在、上記3つのどこで買うよりも安いです。自分でこのソリューションを計算する場合、サーバーを借りる必要があるので少なくとも$400(+MonkerSolver€500)はかかると思います。
計算精度について
チャートを使う上では特に理解する必要はないですが、どのくらいの精度で計算したのか気になる方も多いと思うので、計算精度について述べます。
抽象化等の説明に関してはMonkerSolverの説明ページをご覧ください。
※一般に販売されているほとんどのチャートではopenに対するcoldcallは無いです(均衡上はあまりcoldcallしなくても問題にならないので)。ただ、その場合相手がcoldcallした時の戦略について知ることが出来ないため、私はcoldcallを入力して計算しています。
その分、見た目の計算精度は他に売られているソリューションと比べて少し落ちていますが、PioSolverの計算結果と比較して実用上問題ない範囲に収まっているとは思います。(精度を落としているUTGopenまわりが少しずれる傾向はありますが。詳しくは以下の比較画像を参照してください。)
・UTG2.5bbopen vs BB時の戦略比較(赤or紫が3bet、緑がcall、青がfold)
・SB3bbopen vs BB時の戦略比較(赤or紫が3bet、緑がcall、青がfold)
→どちらの状況でも2つの戦略に大きな差はないため、今回の計算結果が大きく均衡から外れていることは無いと考えられます。
有料版の内容と注意点、コメント
有料記事には以下の内容が含まれています。
(より詳しい内容が知りたい方はサンプルのxlsxファイルについてもご確認ください。)
以下、注意点やコメントです。
(チャートの見方についてはファイルに書いています。)
・各状況の戦略について、画像を連結させてまとめると非常に見づらいので、今回はポップアップさせて見る方式をとっています。あらかじめサンプルでファイルを問題なく回覧可能であることを確認してください。
・①~④のレンジに関しては見やすいように1枚の画像にまとめたものも載せています。(全ての状況で一々確認するのは面倒だと思うので、見やすいように整理したものです。ある程度分かりやすさを重視するためにブラフ等を取り除いたりしているので、実際の戦略と比較しながら使ってください。)
・レンジでopenとfoldの混合戦略になっている場合等ではどちらのアクションを選んでも殆ど期待値は変わらないので、均衡上はどちらのアクションをとっても良いです。
(参考:どちらのアクションでも良い場合に考えること)
・ポップアップ形式のチャートはStarsの規約に引っかかるかもしれないので、起動中の使用は自己責任でお願いします。(ただのエクセルファイルなので普通は大丈夫だとは思いますが。)
・Openに対してcoldcallが入っている状況で3betされた場合の戦略については、チャートにするときりがないので省略しています。
・相手がLimp、3bbオープンしてきた場合や、均衡から外れた3bet,4betサイズを使ってきた場合、そしてスタックが100bbでない場合では、このチャートでは正確な戦略はわかりませんが、そうでない場合はこのチャートでほぼ全ての状況の戦略がわかるはずです。(上記の場合でもある程度頭の中で補正すれば対応できる状況は多いです。)
・入力ベットサイズ等によっても計算結果には違いが出るので、このチャートが確実な均衡解だとは言えませんが、明らかに均衡からずれている箇所があればご指摘下さい。調査いたします。
サンプル版DLリンク
・サンプル版xlsxファイルのDLはこちら
・上記サンプルファイルの画像集のDLはこちら
・上記サンプルにおけるPioSolver用PreflopChartのDLはこちら
(DLファイルを解凍してPioSolverインストールフォルダ内のPreflopChartsフォルダに入れた後、PioSolverを起動し、Tools->Open Preflop Charts Editorから読み込んで下さい。)
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以下の有料部分には完全版チャートのxlsxファイルおよび画像集のDLリンク、PioSolver用PreflopChartのDLリンク、MonkerSolverの計算結果のDLリンク(mkrファイル)が載っています。
チャートの見かたで不明な点があれば、glassのtwitterかposbk3@gmail.com まで連絡頂ければ対応致します。
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