6maxプリフロップ分析①-参加レンジ編
はじめに
突然ですが、あなたは相手プレイヤーがどういうリークを持っていて、どう対処することで利益を得られるか明確に答えられますか?
ここ1年ほど新規のコーチングは停止していたのですが、親しい友人等にはコーチングは行っていました。そして、コーチングの際に上記の質問に対して明確に答えられる人の少なさに驚きました。
私は、少なくともspinのプリフロップに関しては、Reg,Rec共にどういったリークがあり、どうプレイするのが利益的かを回答することが出来ます。勝ち組の友人らも同様です。
個人的な意見も入りますが、ポーカーというゲームは突き詰めると"GTOをどれだけ再現できるようになるか"と、"相手のリークについての情報をどれだけ知っているか"というゲームです。
最近はGTOを勉強される方が増え、個人的に嬉しい反面、逆に後者のリークについての勉強をしていないプレイヤーが多すぎるとも思っています。
相手がルース過ぎるのか、もしくはタイトすぎるのか、それすらも分からずにプレイして、利益が生まれるわけがありません。
ありがたいことに今年に6maxのコーチングをさせていただく機会が何度かあり、その際に相手のリーク(頻度情報)について調べた情報が溜まりました。最近時間が出来たこともあり、この情報を腐らせるのも勿体ないと思うのでnoteで公開していきたいと思います。
力尽きるまで(なるべく)毎週更新したいと思っていますので、是非noteでのスキ・オススメや、TwitterでのRT等をお願いいたします。モチベーションにつながります!
若干前置きが長くなりましたが、今回の記事は、頻度調査第一弾ということで、6maxCashgameにおいて相手のオープン(リンプ)頻度はReg/Rec別・レート別にどういった傾向があり、GTOの頻度と比べてどうなの?といったことについて調べた記事になります。
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データを見る前の補足
この記事を読む前に、ハンド数によるプレイヤー分類と戦略の使い分けという記事を読んでいただくことをおすすめします。
こちらの記事で、レギュラーとレクリエーショナルプレイヤーではプレイ傾向が大きく違うということを書いており、それを受けて今回もReg,Rec別の分析(+レート毎の分析)をしています。
※Reg=ハンド数が多いプレイヤー、Rec=ハンド数が少ないプレイヤー
また、分析したハンドは友人らに頂いたもので、2020~2021年のPokerStarsのRingGameのものです(大体各レート100万ハンド程度)。
分析にはPokerTrackerを使っています。(Statisticsを自分で作成→集計しています。)
なお、ハンドの共有はPokerStarsでは一応BAN対象です。私は既にBANされているのでほぼ関係ありませんが、こういった友人とのハンドを合算して分析する記事を書く際には一応注意してください。問題が起こっても、責任は取れませんので…
レート毎のオープン頻度(Reg,Rec別)
もったいぶっても意味がないと思うので、早速頻度を調べた画像を以下に載せます。MonkerSolverで調べたGTO上の頻度も載せています。
(ALL=Reg+Recを意味しています。実際のRecの頻度は、ALLの頻度からRegの頻度を逆に補正した値になります)
※主観ですがGTOから大きくずれていそうな個所を赤背景、少しずれていそうな個所をオレンジ背景、ずれているかも?といった箇所をピンク背景にしています。
※GTOの頻度は、レーキ5%の2bbcap、2.5bbオープン(SBは3bbオープン)を前提とした頻度なので、オープンサイズが大きかったり、レーキが高ければオープン頻度はこれよりも低い値が適正となることに注意してください。
どうでしょう?感覚と一致していたでしょうか?ざっくり読み取れることをまとめると以下になります。
・低レートの方がタイト
・RegよりRecの方がタイト
・2NL(10NL)のCO,BTN,SBについては、均衡よりもタイトな傾向が見える
・25NL以上の場合や、UTG,MPのオープンに関しては、あまり異常な値は見られない
よく弱いプレイヤーはルース過ぎる、と言われているのですが、実はアンノウンのオープン頻度は、レギュラーよりタイトです。また、レート毎にも差が出ており、25NL以上だと頻度によるリークはほぼ見つかりません。
※正確に頻度を調査するためにはレーキやオープンサイズ等についても細かく述べる必要があるのですが、今回はそこまで考えるとややこしくなる上に調査時間もかかるので、省略しています。(相手の頻度とGTOの頻度を厳密に比較することはかなり難しいです…)
なお平均オープンサイズについては、データがあるので貼っておきます。若干2.5bbよりは大きいサイズが好まれているようです。なので、GTOよりオープン頻度が少ない→即搾取可能、というわけではないことにご注意ください。
次に、リンプ頻度と、オープン+リンプの頻度を見ていきます。
レート毎のリンプ頻度(Reg,Rec別)
読み取れることは以下です。
・基本的にRecはリンプし、Regはリンプしない
・低レートの方がリンプが多い
・10NL以上で、リンプしているRegはほぼ0
Recはリンプすることが多いという、一般的な情報がデータとして読み取れます。また、10NL以上であれば、Regはほぼリンプしないようです。
私はハンド数でRegとRecを分割することを推奨していますが、このデータを見るとハンドが溜まらない様な状況(=そのレートを打ち始めて間もない時期や、プレイヤープールが広すぎてハンドが溜まらないような場合)では、リンプの有無でプレイヤーを分類するのも有力そうです。リンプするかしないかだけならば、数十hand程度で分かることも多いので。
レート毎のオープン+リンプ頻度(Reg,Rec別)
オープン頻度とリンプ頻度を足したものを、GTO上のオープン頻度と比較してみます。読み取れることは以下です。
・基本的にRegは適正、Recはルース
・Recは特にUTGとMPでルースになっている
GTOの頻度はリンプをせず全てオープンする前提の頻度であるため、単純に(オープン+リンプ)の頻度と比較するのは適切ではないのですが、それでもUTGやMPの異常値が目立ちます。
個人的にはこのデータから、Recには20%程度参加したいハンドがあり(おそらくスーテッド系?)、それらのハンドを持った際はあまりポジションに関係なく参加しているんだろうな、という印象を持っています。
結論
【オープン】
・低レートの方がタイト
・RegよりRecの方がタイト
・2NL(10NL)のCO,BTN,SBについては、均衡よりもタイトな傾向が見える
・25NL以上の場合や、UTG,MPのオープンに関しては、あまり異常な値は見られない
【リンプ】
・基本的にRecはリンプし、Regはリンプしない
・低レートの方がリンプが多い
・10NL以上で、リンプしているRegはほぼ0
【オープン+リンプ】
・基本的にRegは適正、Recはルース
・Recは特にUTGとMPでルースになっている
大雑把にまとめると、Recのオープンはタイトだが、リンプも考慮するとVPIP的にはルースであり、その傾向は低いレート程顕著である、という結論になります。
今までRecに対して、何となくの雰囲気でタイトとかルースとか見積もっていた方は、是非上記のデータを基に正しい認識を持っていただければと思います。そして、特に低レートのBTNオープンなど、相手がタイトと分かっている状況では、追加の情報がない限り均衡よりもタイトにコール/3betすることをオススメします。
逆に25NL以上ではRecでもオープン頻度自体にはそこまで隙が無い、という場合が多いので、相手を搾取しようと無理にレンジを歪めることは避けた方が良い、ということも言えます。(3betに対するfold率が高い等、別の情報がある場合は別ですが。)
おわりに
オープン(リンプ)頻度という、基本中の基本のスタッツを少し調べるだけでも、いくつかのリークやレート毎の傾向を見つけることが出来ました。
大まかな傾向については知っていても、RecとRegで、あるいはレート毎に、ここまで頻度が違うことを知らなかった方も多いのではないでしょうか。
次回以降の記事では、前にOpen者がいる場合の3bet/Call頻度や、3betに対する抵抗頻度、適切な5betAI/5betCallレンジ等についても考察していこうとおもっています。
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【その他】
コーチング再開しました。
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