ドローはベットすべきなのか

ドローはベットすべきなのか

はじめに

 ホールデムにおいて、良くドローハンドはベットしたほうがいいと言われています。今まで私が見てきた記事や動画でも、多くの方がこれは~というドローもしくはバックドアドローがあるからベットした方が良いというような話をされていました。

 確かに相手にベットされた場面でレイズを返す場合、中途半端な強さを持つハンドよりも、現時点で弱いが強いハンドに進展する可能性があるドローハンドを使ってブラフレイズするというのは有効な考え方です。
 しかし、これはバランシングのためにブラフを入れる必要があり、そのブラフハンドとしてドローハンドを使うというだけの話で、全てのドローは必ずベットもしくはレイズしたほうが期待値が高くなるという話にはつながりません。

 実際GTO上では、フロップCbetに対して、ドローはレイズしてもコールしてもどちらでも期待値が変わらないことがほとんどです。
 また、フロップCbetを打つ際にもドローはベットしてもチェックしてもどちらでも良いことがほとんどです。
 (この理由の一つとして、例えばフロップでドローを必ずCbetしている場合、チェック後にフラッシュを完成させるカードが落ちるとレンジが大幅にキャップされ、損してしまうということが挙げられます。このような状況ではドローを必ずベットするプレイヤーを簡単に搾取することが出来ます。)


 このように、「ドローは必ずベットしたほうが良い」という訳ではなく、多くの場合はチェックしてもいいです。むしろ、チェックしないとカウンターされる危険が上がります。

 しかし、GTO上、一部の状況ではほとんどのドローをベットする場面が存在します。
 また、GTOとは直接関係はありませんが、実践的に搾取やプレイのしやすさを考えてドローをベットしたほうが良い場面もあります。
 この記事ではこれらについて述べたいと思います。

 
 今まで盲目的に、とりあえずドローはベットするものだと考えていた方には是非知っていただきたい内容になっています。
 なお、この記事ではPioSolverの解析結果の画像を使って説明していますが、特にGTOやソルバーに詳しくなくても理解していただけるような内容にしたつもりですので、初心者の方にも読んでいただければ幸いです。



 この記事では以下の内容について書いています。

・GTO上、ベットしたほうが良いドローハンドとドローをベットすべき場面
・搾取やプレイのしやすさを考えてドローをベットすべき場面



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