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パスカルの三角形からフラクタル図形を作る

大学で数学を学んでいるきみちゃんです!
今回はパスカルの三角形からフラクタル図形を作ります。

「パスカルの三角形」や「フラクタル図形」という言葉を聞いたことがありますか?

大学で数学や物理学などを学ばないと「フラクタル」という言葉を聞いたことも見たこともないと思います。

この記事で作り方をマスターしましょう!

また、こちらの動画では実際にパスカルの三角形からフラクタル図形を作っています。(pdfは記事の最後からダウンロードできます。)

パスカルの三角形とは

パスカルの三角形というのは簡単に作ることができます。その方法はこちらです。

画像10

右端と左端には1を書き、その他のところには右上左上の数字を足した数字を書いていきます。そうすると簡単にパスカルの三角形を作ることができます。
ですが上から10段目の数字の並びを知りたいとなると書いて調べるのは大変ですよね。実は他にもパスカルの三角形を作る方法があります。

それが「二項定理における係数を三角形状に並べていく」という方法です。

2つの文字の和のべき乗を展開するための公式のようなものが二項定理です。(べき乗についてはこのあと補足します)

パスカルの三角形とフラクタル図形-1

画像1行目の2乗の場合、展開した右辺の係数を取り出して順に並べてみると「1 2 1」となります。

3乗の場合は「1 3 3 1」ですね。

0乗と1乗も計算すると「1」と「1 1」となります。

0乗から3乗までの係数を三角形状に並べてみてください。
同じ数字になりますね。
こうしてパスカルの三角形を作ることができます。

※べき乗(累乗)とは
その数字を何回かけるかを表したものです。

大きい数字の肩に乗っている小さい数字が大きい数字を何回かける計算なのかを教えてくれます。

パスカルの三角形のコピー

上の画像の3つ目の式、左辺のべき乗の読み方は「2の4乗(にのよんじょう)」です。

フラクタル図形とは

続いて、フラクタル図形について説明していきます。

図形の一部分と図形全体が相似となっている図形のことです。

下の図形、たとえば9分割してみた右上に注目したとき、元の全体の模様に似ているのがわかるでしょうか。

シェルピンスキーのカーペット

「シェルピンスキーのカーペット」

仏教の曼荼羅(まんだら)と呼ばれる絵にもフラクタル図形が隠れています。

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「曼荼羅風壁紙(まんだらふうかべがみ)」

実は、自然界にもフラクタル図形が隠れています。
カリフラワーの一種であるロマネスコにもフラクタル図形を見つけることが出来ます。

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「ロマネスコ」

さて、ここまででパスカルの三角形とフラクタル図形の説明をしましたが、ここからは、この2つの関係性を見ていきましょう。

パスカルの三角形からフラクタル図形をどのようにして作るのか、順を追って説明していきます。

パスカルの三角形を作る

まずは、パスカルの三角形を15段目まで作ります。足し算で作っても良いですし、(x+y)の15乗までの係数を求めて作ってみても大丈夫です。どちらかお好きな方法で作ってみましょう。
もし(x+y)の15乗までの係数で作る方は0乗や1乗も忘れずに、後半は特に計算ミスに気をつけてくださいね。

そうしてできたパスカルの三角形がこちら。

パスカルの三角形

さて、ここであるルールでパスカルの三角形をぬりわけしていきます。

そのルールとは、こちら。
「奇数のマスに色を塗り、偶数のマスは白いままにする」

書いている様子の動画がこちらになります。

そして、完成したフラクタル図形がこちらです!

パスカルの三角形(奇数)


正確に色を塗ることができましたか?

お疲れさまでした。
完成させた自分を褒めましょう。頑張りましたね。

今回作ったフラクタル図形は「シェルピンスキーのギャスケット」という名前がついている、フラクタルの中でも特に有名な図形の1つです。

さて、完成したフラクタル図形を眺めてみましょう。

全体で三角形と見ることが出来たり、三角形の中心辺りに全体よりも小さい三角形を見ることが出来たり、三角形の頂点の辺りに小さい三角形を見ることが出来たりと色々な三角形を見つけることが出来ます。

今回は15乗でしたが乗数を増やしてパスカルの三角形を作り、奇数のところに色を塗ると「シェルピンスキーのギャスケット」の近似的な図形を作ることが出来ます。

シェルピンスキーのギャスケットとは

全体の図形と部分の図形が相似な無数の三角形からなる図形のことです。

シェルピンスキーのギャスケット

シェルピンスキーのギャスケットをパスカルの三角形以外で近似する方法がこちらです。

①正三角形を用意する。
②各辺の中点を互いに結んで出来た中央の正三角形を切り取る。
③残った正三角形に対して②の操作を無限に繰り返す。

動画でも実践してみました(長い動画なのでざっと流してください。笑)


もちろん今回パスカルの三角形からフラクタル図形を作る手順もシェルピンスキーのギャスケットを近似する方法の1つです。

実は皆さんの手元にあるのはシェルピンスキーのギャスケットの近似的な図形だったのです。

最後に

パスカルの三角形からフラクタル図形を作ることができましたね!

実際にプレゼンテーションソフトで円を三角形状に並べ、計算して円の中に数字を入れ、奇数に色を付けました。想像より大変でした。

自分で作ることで初めて気付くこともあると思うので是非自分で作ってみてくださいね。

パスカルの三角形を作る時に使った空白のピラミッドを載せておくので活用してください、印刷して数字を書いて色を塗るのがオススメです。

複雑なフラクタル図形を見るとどこに注目しても同じ図形なので混乱することが出来ます。
良かったら調べてみてくださいね!

PDF「パスカルの三角形からフラクタル図形を作る」

※ 後半の計算にミスがあったので修正しました。

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