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【米国盤Blu-ray・美品】ゴッドフリー・レジオ「カッツィ3部作」

映像作家ゴッドフリー・レジオ(レッジョ)と音楽家フリップ・グラスによる映像音楽詩「カッツィ3部作」です。高級ソフト製作で知られる米国クライテリオン社の3枚組Blu-rayで、レジオ監督自身が制作を監修した決定版となっています。

第1作「コヤニスカッツィ」は、ネイティヴ・アメリカンの予言の言葉コヤニスカッツィ(平衡を失った世界)からタイトルが付けられています。

セリフも物語も一切無く、監督レジオとカメラマンのロン・フリッケが7年かけて撮影した映像をもとに、地の底から響くような「コヤニスカッツィ」という低音の男性ボーカルと共に、アメリカの大自然を破壊して都市が築かれ、やがて人類が「平衡を失った世界」へと堕ちていく様を、高速度撮影(スローモーション)や微速度撮影で時間をコントロールした超絶技巧の映像で最後まで続きます。

最初と最後にNASAのアポロロケットの打ち上げ場面が超アップ・超スローモーションで映されますが、エンディングであっと驚く映像が使われています。

ストーリーを語るのではなく、あるテーマに沿って編集された美しい映像と音楽が、最後に痛烈なメッセージを持って観客に叩きつける傑作です。撮影途中でフランシス・コッポラが興味を示し、完成した映画に対してコッポラの提供で世界で公開することを提案しました。結果として「コヤニスカッツィ」は芸術映画にも関わらず、世界的な注目を集めました。

続く「ポワカッツィ」はブラジルやアフリカの民とその生活、鉱山で労働する姿から始まり、第三世界を西洋文明が侵食する様子をセリフの無い映像詩として語り、3作目の「ナコイカッツィ」ではコンピューターテクノロジーの進歩と「戦争」をテーマにした黙示録的な映像世界で完結します。

ゴッドフリー・レジオは企画段階から世界的なミニマル音楽家、フィリップ・グラスの音楽を熱望しましたが、最初、グラスは「映画音楽はやらない」と拒絶しました。諦められないレジオは、自分が撮影した映像にグラスの音楽を当てはめたものをグラスに見せたところ、グラスは映像のクオリティに感激し、レジオに全面協力することに。

「コヤニスカッツィ」「ポワカッツィ」「ナコイカッツィ」共に映像作家と音楽家の完全なコラボレーション作品として、現在高い評価を得ています。

10年ほど前に「カッツィ3部作」をグラスの生演奏付きで上映する特別上映会が開催され、日本でもやりました。行けなかったことを今でも悔やんでます。

本Blu-rayは米国盤ですが日本でも問題なく視聴できます。クオリティの高いソフトなので、可能な限り良い視聴環境で観ることをお勧めします。
この3枚組は現在Amazonで9140円で販売されてますが、円安の影響なのか、米国からの輸入中古価格が1万円を超える逆転現象が起きています。日本のAmazonに在庫があるうちはこの値段で買えますが、そのうち値上がりは必至かと思います。

私は各1回のみの視聴で、美品の状態で8600円で出します。原則、値下げはせず、売れなかったらヤフオクに出すことにします。

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