見出し画像

「イヴの総て('50米)」Blu-ray

1950年のアカデミー賞6部門を受賞した「イヴの総て」であります。監督は「フィラデルフィア物語」(製作)や「クレオパトラ」のジョセフ・L・マンキーウィッツ。

ブロードウェイのトップ女優マーゴ・チャニングを大女優ベティ・デイビスが演じ、明日のスターを夢見てマーゴの付き人になるイヴ・ハリントンをアン・バクスターが演じます。

マーゴはイヴの悲しい過去を知って同情し、彼女を付き人にします。始めは謙虚で初々しい新人女優だったイヴでしたが、次第に本性を現し、マーゴの周辺の演劇界の大物や批評家に取り入って行きます。イヴの、マーゴに見せる姿はすべて演技で、そもそもイヴという名前すら偽名なのです。

そして演劇関係者に根回しをし、マーゴが主演する予定だった舞台をマーゴから奪い、自分が舞台に上がって成功を掴もうとします。

時代が時代だけにその描写はありませんが、イヴは間違いなく「枕営業」もしていたと思われます。ブロードウェイを舞台に、手段を選ばず他人を蹴落としてでもスターの座を得ようとするドロドロした「女の業」を描いた生々しい映画です。

この映画が公開された1950年は、やはりハリウッドの忘れ去られた大スターが、落ちぶれた自分の姿をどうしても認められられずに発狂する名作「サンセット大通り」の公開年ですが、映画界と演劇界の内幕を描いたこのような映画の当たり年でした。

なお、この映画はチョイ役でマリリン・モンローが初めてスクリーンに登場した作品として有名です。マリリンの役柄は明日のスターを夢見る女優の卵でした。この映画がきっかけでマリリン・モンローには出演オファーが舞い込むようになり、本当に「明日のスター」になれたのでした。

「イヴの総て('50米)」
ベティ・デイヴィス / アン・バクスター / ジョセフ・L.マンキーウィッツ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?