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「東京物語」(小津安二郎生誕100年記念ニューデジタルリマスター盤)

小津安二郎の代表作で世界映画ベストテンでは必ず上位に来る「東京物語」の、小津安二郎生誕110年を記念して松竹から出されたニューデジタルマスターによるBlu-rayBOXです。ディスクの他、「東京物語」のシナリオが図版豊富な小冊子として同梱されています。再生は一回のみの美品です。映像特典に予告篇の他、笠智衆・斎藤武市(助監督)・川又昂(撮影助手)・白井佳夫(映画評論家)によるオーディオコメンタリー(1984年録音)が付いています。

「東京物語」なのに広島県の尾道から始まって尾道で終わる映画です。東京で暮らす息子夫婦を訪ねて尾道から上京した老夫婦(笠智衆・東山千榮子)でしたが、息子夫婦は生活に忙しくて両親を構ってあげず邪険に扱います。まるで追い出すかのように両親を熱海の温泉に行かせますが、旅行客が夜中まで飲んで騒いで休まりません。ガックリする笠智衆でしたが、戦死した次男の嫁(原節子)だけは両親と暖かく接するのでした。

戦後の混乱期を経て「家族の絆」の脆さと尊さを暖かく描いた感動作です。ローアングルのカメラによって撮影される家族の肖像には人類の普遍的な価値が捉えられており、その完成し円熟した小津スタイルは、世界中の映画人からリスペクトされ続けています。

最初は夫婦で上京する笠智衆と東山千榮子ですが、最後の尾道の家の畳には笠智衆だけがポツリと座ります。人生の無常が感じられます。尾道パートに出てくる香川京子が若くて美しいです。

松竹が老舗の意地をかけて製作したニューデジタルリマスターBlu-rayディスクです。映画ファンを名乗るなら必携の盤です。「小津安二郎生誕110年・ニューデジタルリマスター 東京物語('53松竹)」笠智衆 / 東山千栄子 / 小津安二郎

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↑アマゾンプライムビデオ「東京物語ニューデジタル・リマスター」


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