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解約理由1位が「サービスを使って恋人ができた」。婚活マッチングサービスを1年間自分でやってみて、これからやりたいこと

オンラインお見合いサービス「ヒトオシ」を開始して、1年と1ヶ月が経ちました。

最初はマッチングプランナー2名と私1名で回していたサービスが、1年経って、開発チームやマーケチーム、オペレーションチームなどができ、総勢50名の組織になりました。

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※写真はマッチングプランナーのみなさんと。

1年間で、100組以上のカップルが生まれました。プロポーズ報告や、入籍のお知らせも届き、毎日本当に幸せです。

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※カップル退会のご報告一部

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※これを書いている今日も、さっき届きました。嬉しい。

そんなヒトオシですが、最初は本当に運営するのにいっぱいいっぱいで、始める前では想像つかなかった出来事がたくさん起こり、そのたびにサービスを改善してきました。

1年間やってきたことの振り返りと、ユーザーの面談・お見合いの様子や行動の数値からわかったリアルな婚活男女の悩みの実態、今後こんなことをやりたい、という話と最後にお知らせを書きます。

そもそもなんでヒトオシをはじめたのか

私は2017年にマッチングアプリメディア「マッチアップ」を立ち上げました。まだ、マッチングアプリは「出会い系」というイメージを持たれていました。当時はまだ全然実名顔出しで「アプリやってます」という人もアプリの比較メディアも皆無。自分でも利用経験があり、とても良いものだと思っていたので、出会い系イメージを払拭するため、「それなら私が顔出し実名でPRしていこう」と顔出しでおすすめアプリや使い方のコツをしました。

そんな中で、マッチングアプリは「1人で進める」ため、「身長170cm以上」など不要なフィルターをかけて機会損失をしていたり、ヤリモク男子など本来の目的(結婚したい、恋人が欲しい)とはマッチしない相手ばかりと会ってしまう女子や、そもそもやり方がわからず出会うことすらできない男子の嘆きをたくさん聞きました。

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使いこなして結婚してハッピーになる男女がいる一方で、1年以上やって結果がでない男女もたくさんいる。違いは、目的を設定し、そのために適切なアクションをするための「客観的視点の有無」であることに気づき、どうしたら客観的視点を持って婚活できるようになるかを考え始めるようになりました。

2018年にはIBJ連盟に入り、結婚相談所も立ち上げました。

私は当時、結婚相談所といえば、「『あなたたち、いいと思うからとにかく会いなさい!』と半ば無理やりお見合いを設定するような、昭和のお節介おばちゃんが勘と経験でなんとかしてあげる」サービスだと思っていたのですが、実際始めてみてわかったのは、良くも悪くもマッチングアプリ化していることでした。

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結婚相談所は連盟が存在していて、不動産情報サービスと同じように、個人のおばちゃんがやっている相談所も大手の相談所も、どの相談所にいっても同じ会員を検索しいてお見合いを申し込みすることが可能です。これはインターネットの力で、相談所が連盟のデータベースを共有することができるようになったからです。※ちなみに連盟に加盟して相談所開業するには、現在個人で150万円必要です。

だからこそ、相談所の仲人は自分の相談所の会員のことは知っていても、同じ連盟の他の相談所の会員のことは会ったことがないし、データベース上でしか知りません。先述した「この二人はピッタリ!」と確信をもってくっつけることは難しいのです。

また、相談所の入会には通常10~20万円程度かかりますが、お見合い保証がついている相談所はほとんどなく、自分でデータベース上で相手を探し、自分でお見合いを申し込む必要があり、さらに相手が承諾してくれなけければ高いお金を払ってもお見合いすらできないこともあります。※もちろん、相談所の仲人が相手の仲人にプッシュしてくれるところもあるが、あくまでも相手のOKが必要。

そして、相談所では泊まりがけの旅行=性交渉あり=「成婚」と見做され、成婚料20万円程度を支払う必要があります。もちろん、入籍までリスクを最低限にした結果でかなり合理的ではあります。でも「真剣に入籍したい」けど「同棲したい」「付き合って少し様子見をしたい」という男女のニーズは、マッチングアプリでも、結婚相談所でも拾いづらいなと思っていました。

他にも、LINEのお悩み相談チャットサービスやマンツーマンの恋愛コンサル、デートコースメディアなどさまざまな恋愛事業をやりながら、自分にしかできないことを模索していました。

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2020年、コロナが流行し、オンラインのビデオ通話が当たり前になったときに、全てが重なってヒトオシのアイディアに至りました。

相手のことをよく知る人が「あなたたち合うと思うから会いなさい!」とお見合いさせるためには、ビデオ通話であれば録画もできて、人となりがわかった上でマッチングができるし、オンラインなら相談所よりも安価に人が寄り添うサービスができるのでは?と思ったのです。

実際にテストで自分1人で100人限定Twitterで応募したところ300名以上の応募。

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そして無料で100人の面談とお見合いをした結果、3ヶ月で16人が実際にお付き合いされカップルになり、「このサービスならニーズもあるし、カップルを作れる」と確信しました。

ヒトオシは、専属マッチングプランナーが、オンラインで1時間程度の面談をもとに、結婚観や価値観、人となりを見ながらうまくいきそうな相手を1人づつ手動で選び、お見合いを組みます。

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面談の様子は全て録画しているので、自分の担当会員以外でも、録画動画を見れば、担当したプランナーと同じ量の情報を元に相手を選ぶことができます。
また、マッチングアプリも結婚相談所も、初めてのデートの様子は2人にしかわかりませんが、初回のお見合いはオンラインで録画をするため、出会った後の情報も取得して、その情報を元に次のお相手を探すことができます。

いわば昭和のお節介おばちゃんを、オンライン仕様にして令和版にアップデートした「オンライン仲人サービス」です。

スプレッドシート・zoom・notionを駆使したミニマムスタート

初期のサービスは、マッチングプランナーは元相談所仲人などのベテラン女性2名と私のみ。簡易な公式サイトを作り、顧客管理はスプレッドシート、紹介プロフィールはnotion、面談やお見合いはzoomと、とにかく既存のテクノロジーに乗っかってスタートしました。

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※notionを使った紹介プロフィール(例)

初期は無料キャンペーン付きで告知。すると3日で200人を超える応募。

マッチングプランナー2名が面談しながら、裏では私1人で面談の日程調整から紹介文を作成し、お見合いの進捗管理をする。のは無理でした笑

当時、無料とはいえ紹介が遅れてしまったり、会員様には本当に申し訳ないことをしました。

すぐにマッチングプランナーを追加採用し、顧客管理データベースを検討し、Saleceforceを導入。事務局スタッフも、大学時代の友人や元インターンに声をかけてお手伝いしてもらいながら、昔の職場の先輩にも声をかけて業務改善とコンサルと教育をお願いし、弊社の初の内定者インターンがめちゃめちゃ急成長してSaleceforceの構築からオペレーション設計までできるようになりました。

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※上記は実際の会員さんではないデモ画面です

Saleceforceでお見合いや交際管理をしているの、多分世界で唯一うちだけなんじゃないでしょうか。笑

導入後、2ヶ月目で私が裏方に入らなくても、現場の人たちが残業しなくてもしっかり回る状態になりました。この2ヶ月は本当に凄まじくてあまり記憶に残っていません。笑

マッチングプランナーの強化

ヒトオシのマッチングプランナーは9割が副業です。リクルートや外資のマーケティング企業などハイキャリアの女性で婚活経験者、元仲人やお見合いパーティー企画など婚活事業経験者の女子たちがコロナの影響で空いた時間を自分たちの恋愛経験や婚活事業の経験を元に全力投球してくれるから、良質なサービスが提供できていると思います。

ヒトオシを始める前は、「恋愛経験や婚活事業経験が豊富なおねえさんの勘と経験と、ヒトオシで貯めたデータを使えばカップルになるだろう」と思っていましたが、プランナーが10人を超えたあたりで会員に接するスタンスにバラつきがみられました。

でも、細かい接し方について極力個別指導はしたくありませんでした。私自身が「恋愛を仕事にしたい」と思ってマッチアップを始め、とにかく自由で楽しくて、恋バナをして人に喜んでもらえてお金をもらえるって最高で、それを同世代の彼女たちにも感じてほしくて、プロセス管理をゴリゴリにするのは違うなと思っていました。

そこで、クレドを設定し、クレドに基づいて会員に接してもらうことで、プランナーの会員への接し方のブレをなくすことにしました。

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まず客観視点。これは会員に対してだけではなく、プランナー自身に対しても客観視するように伝えています。ヒトオシでは、会員から理想の高すぎる相手を希望されたとしても、それを全て叶えることはできません。なぜならお相手の希望も同時に叶える必要があるからです。でも、そうはいっても納得してもらうことは難しいです。「あなたのせいで出会いがない」と言われることもあります。でも、そんな会員に対して同じように頑なになってはいけなくて、どうして伝わらないのか、自分の伝え方がよくなかったのではないか、感情的になっていないかを客観視した上で、会員が欲してる答えと、カップル退会に必要な答え両方満たした回答を返す必要があります。

そしてお節介。これはなんでもやってあげる世話焼きお節介ではなく、「言いづらいことも言う」と定義しています。社会人になって歳をとると、プライベートで「もっと痩せたほうがいい」とか「それは理想と高すぎるから努力が必要」とかを言ってくれる人はどんどんいなくなります。でも、婚活をするとなると、ありのままだけではうまくいかない。耳が痛いことでも、本人のために絶対になることをしっかり伝える役目をヒトオシのマッチングプランナーには担ってもらっています。

最後に、諦めない。これは「できない理由を考えるのではなくどうやったらできるか考える」ということ。会員はみんな結婚したくてヒトオシにきているから、会員よりもマッチングプランナーが先に諦めてはいけない。少し難しい条件の会員でも、どうやったらマッチングさせることができるかを最後まで考え抜くスタンスです。

スキルアップのために、マッチングプランナーは担当を持つ前に1ヶ月間の研修を受けてもらいます。そこでは例えばロープレを通した面談の研修があります。

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面談はコーチングの手法を元にしたベストシナリオ台本も用意してあり、一緒に婚活のゴールを設定ができるようなノウハウになっています。

こうした研修を通して実際にマッチングプランナーとして独り立ちできるのは10%。その後年収が200万円UPするプランナーもいて、大活躍をしています。

元々本業もしっかり仕事をしている女性ばかりなので、彼女たちにとっても仕事と家庭以外のコミュニティができて「ヒトオシは第3の場所」として機能しています。slackの会員に関する悩み相談チャンネルは、本業があるだろう平日昼間でも、一回投稿すると続々と返信され、秒で160件もたまるスレッドもあります笑「生きがいだからなんとかヒトオシを潰さずに伸ばしてくれ」と懇願されます。がんばります。

お見合いレポート開始

ヒトオシのクレドの1つが「客観的視点」であると書きました。オンラインでお見合いした相手からどう思われているのか、希望者には数値にしてお伝えすると、マッチングプランナーの言葉に説得力が増します。

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会員に数値で自分を客観視できるように、お見合いで相手からもらったフィードバックを数値化し、レポートを作成して無料で渡しています。

笑ってるつもりなのに「笑顔が少ない」と言われていたり、気を使って話しているつもりが「話しすぎて聞いてくれない」と言われていたり。自分では気づけないことってたくさんあるんですね。

このレポート、実は今は事務局がお顔合わせの動画を見ながら注意すべき項目をチェックして、ほぼ手動で作っています。開発を進めて自動で出せるようにしていく予定です。

このレポートをきっかけにお見合いの振る舞いを改善し、カップル退会になった人もいました。

連絡先交換率60%、退会理由の1位は「ヒトオシで恋人ができた」

ヒトオシは、お見合い後、お互い連絡先交換を希望する確率が60%です。結婚相談所ではこの確率が2−30%、マッチングアプリも30%程度です(マッチアップ調べ)。

さらに、ヒトオシを1年間やってきて、退会者の退会理由の1位は「カップル退会」となりました。これは本当に嬉しいことです。今後はさらにカップル退会する割合を増やしていきます。

よく、「カップル退会すると会員が減るから、なんとか継続させようとしてるのでは?」と言われますが、違います。

カップル退会した会員は、友達に紹介してくれて、結果として会員が増えています。

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※紹介者の入会割合推移

ヒトオシを始めて半年を過ぎた頃から、カップルになって退会し、その後友人に薦めてくれる会員さんが増え始めました。今では入会者の2割以上が紹介からの入会です。

また、C向けサービスの重要指標であるNPSは、2021年8月と2022年1月で20%以上UPしています。これはマッチングプランナーの強化施策、会員数増加によるお相手満足度、カップル退会増加と紐づいています。

メディア露出とインフルエンサーとのコラボ

ヒトオシはサービス開始半年でananに取り上げてもらうことができました。

また、ホリエモンチャンネルにも出演させていただいたときは、堀江さんは結婚に興味なさそうでしたが笑、チャンネルをみたものすごくたくさんの男性が入会してくださいました。

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ヒトオシを始めるときに、マッチングプランナーとしてロールモデルだな、と思っていた横澤夏子さんとも対談記事を出させていただき、お会いできたときは本当に嬉しかったです。

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元々サロン会員だった田端大学の法人会員になり、田端さんにもガッツリと相談に乗っていただき、田端さん監修のもと、調査リリースを作成したり、田端大学の会員さんにマーケティング施策を考えてもらったりしました。

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今は法人プランはないようですが、田端さんは本当に丁寧に親身になってご相談に乗ってくださり、おそらくお値段以上の稼働をしてくださりとてもお値打ちなプランだと思いました。ありがとうございます。

また、ヒトオシは婚活サービスなので、入籍後も幸せになってもらいたい!という思いから、入籍して幸せそうなインフルエンサーの方への取材もさせていただきました。

マンションブロガーのらえもんさんから、タワマン夫婦生活の円満の秘訣をお聞きしたり、

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すぎぽさんからは東カレデートの攻略方法や非モテのモテ戦略をガッツリお伺いしましたw

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ヒトオシを通じて、今までTwitter越しやテレビ越しに見ていた方にお会いして一緒にお仕事ができるのは、とても光栄で、最高に楽しかったです。

他にも、九州大助教の佐藤剛史先生にお越しいただき、婚活セミナーを開催したり、既婚者の方のアンケートを元に作った幸せ結婚力診断も開発しました。

ヒトオシはこれからこんなサービスにしたい!

スプレッドシートやzoomなど、既存サービスに乗っかってミニマムスタートしたヒトオシですが、より良い婚活体験をしていただくために、webアプリを開発しています。

ヒトオシを利用している婚活男女1000人以上を観察して、男女別に複数のペルソナに分け、登録からカップル退会してもらうまでのカスタマージャーニーを作りました。

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会員さんの悩みから考え抜いた結果、恋人を見つけて退会してくれる人を増やすために、ヒトオシをこんなプロダクトにしていきたいと思っています。

1つは、「恋愛の仕方がわからない」人に向けて、適切なタイミングで適切なアドバイスをするサービスにしたいです。男性に多いのですが、人当たりが良くて性格も素敵な男性でも、恋愛経験が少なく、LINEのタイミングやデートでの振る舞いがわからず、意図せず女性に誤解されてしまう人が多いです。

例えば、ヒトオシでカップル退会をする男性にインタビュー調査を行ったところ、カップル退会する男性は、必ず連絡先交換後1週間以内にデートに誘い、2週間以内にデートにいっていることがわかりました。

一方で、ヒトオシを使っても恋人ができない男性はメッセージをだらだら続けて途中で途切れてしまったり、会うまでに1ヶ月時間が空いてお相手の熱が冷めてしまったりします。

連絡先交換後、すぐに次のアクションに移せるようにアラートをしたり、カップル退会までのロードマップをしっかり見せてあげるように設計していきたいと思います。

2つ目。婚活疲れをなくして、ワクワクする婚活体験を強化していきます。男女ともにやはり「自然な出会い」を求めているので、先輩や友達からの紹介から始まる、自然な恋愛結婚を演出できるような仕掛けをいれていきたいです。例えば、ヒトオシではバレンタインに、男性から女性へ任意でバレンタインメッセージを送るイベントを行いました。

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結果として、多くの男性にご参加いただき、これをきっかけに恋人同士になった方もいます。

婚活って、人と人との関係性で人生最大のパートナーを見つける旅なのに、無機質すぎるところがあるなと思うのです。こういったちょっとした仕掛けをたくさん作って、楽しく婚活できるサービスにしていきたいと思います。

直近では、お見合い前に確認できる相手のプロフィールのアイコンが、ランダムに誕生月にちなんだイラストが現れるように作っています。お顔合わせの会話ネタや、会うまでのワクワク感が少しでも出たらいいなと思います。

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他にも、「LINEを1通送る」「相手のことを褒めてみる」「美容院に行く」など、婚活成功のための小さなアクションを行うとスタンプが押されて、ちょっとでも自己肯定感があがるような仕組みを作っていきたいです。

ぜひ、これを機に入会の申し込みをしてみてください。マッチングプランナー・スタッフ一同お待ちしています!

ヒトオシの公式サイトはこちらから

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