コント・黒執事

◯お金持ちの屋敷
お嬢様がふかふかのソファに座っている。そこへ執事がやって来る。

執事「お嬢様、サンドウィッチをお持ちしました」
お嬢様「頂くわ。早く口に運んでちょうだい」
執事「はっ。(お嬢様の口にサンドウィッチを持っていく)」
お嬢様「(サンドウィッチを叩き落として)ちょっと何してるのよ。あんたの汚い手で触ったら食べられなくなるじゃない」
執事「…失礼致しました。すぐに新しいのをお持ちします」

執事、一度部屋から出て新しいサンドウィッチを持ってくる。

執事「お待たせいたしました」
お嬢様「早く食べさせて。お腹が空いたわ」
執事「今度は手袋も用意してきましたので、少々お待ちを」

執事、そう言ってゴム手袋をはめる。そして、サンドウィッチを掴んでお嬢様の口元に運ぶ。
お嬢様、再びサンドウィッチを叩き落とす。

執事「お嬢様!」
お嬢様「おだまり!このサンドウィッチのパン、耳が付いたままじゃないのよ」
執事「しかし、パンの耳をコーンスープに浸して食べるのはあれほど好きではありませんか」
お嬢様「コーンスープの時はね!サンドウィッチの時は別なのよ、この味音痴」
執事「…失礼致しました」

執事、再び耳の付いてないサンドウィッチを持ってくる。
そして、ゴム手袋をはめた手でお嬢様の口にサンドウィッチを運ぶ。
今度はしっかりと咀嚼するお嬢様。

執事「……お味はいかがでしょうか」

すると、お嬢様が突然、執事の顔にサンドウィッチを吐き出す。

お嬢様「まっず。人間が食べる物じゃないわねコレ。あなたの味覚どうなってるの?」

執事、わなわなと震えだす。

お嬢様「何よ。怒ってんの?」
執事「…いえ」
お嬢様「じゃああなた、私の靴を舐めなさい」
執事「そんなことできません」
お嬢様「この私に逆らうの?お父様に言いつけてクビにするわよ」
執事「くっ…」
お嬢様「知ってるのよ。あなた、友達に騙されて借金取りに追われてるんでしょ?今仕事を失っても大丈夫なのかしら?」
執事「…かしこまりました」

執事、靴を舐める。お嬢様、その執事の顔を蹴り飛ばす。

お嬢様「下手くそ!うちのチワワだってもう少し上手に舐めれるわ!」
執事「申し訳ございません」

お嬢様、執事の頭を踏みつける。

お嬢様「言いなさい。私は畜生以下のゴミ屑野郎だって言いなさい」
執事「……私は畜生以下のゴミ屑野郎だ」

執事、床に突っ伏して泣き出す。

お嬢様「ふっ、情けない。乗馬をしてくるわ。戻ってくるまでに、ここ全部片付けときなさい」

お嬢様去る。
取り残された執事。泣きながら仰向けになる。

執事「気持ちいい〜〜♡コレでお金貰えるとか、マジで天職だわコレ〜〜。ああ、お嬢様が口から吐き出したサンドウィッチ」

執事、落ちてるサンドウィッチを食べ出す。

執事「この屈辱感が堪らないんだ〜〜」

そこへお嬢様が戻ってくる。

お嬢様「ちょっと!あなた何をしているの!」
執事「あ、コレは違うんです!」
お嬢様「あなた変態ね!この変態!」
執事「あん♡」
お嬢様「気持ち悪いのよ!」
執事「ああん♡」
お嬢様「もう嫌!お父様に言いつけてやる!」
執事「待ってください!クビにしないでください!」
お嬢様「嫌よ!借金取りに捕まって痛い目を見るといいわ!」
執事「それだけはダメだーーー!!楽しみ過ぎるーーー!!」
お嬢様「何言ってるの?!」
執事「それは最後まで取っときたいんですよ」
お嬢様「何よそれ」
執事「焦らしてほしいんです。もっといたぶって、その後たっぷり時間をかけて焦らしてほしいんです」
お嬢様「筋金入りの変態じゃないの!」
執事「そうなんですよね」
お嬢様「認めてんじゃないわよ!」
執事「ああん♡」
お嬢様「付き合ってられないわ。気持ち悪い」

お嬢様、去る。

執事「お嬢様…。放置プレイですかコレ?気持ちいい〜〜♡」

《完》

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