コント・親子

◯実家
お父さん(75)がリビングでくつろいでいる。
そこに長髪の娘役・ハルカが現れる。

娘「ただいま」
お父さん「ハルカ遅いじゃないか。門限はとっくに過ぎてるぞ」
娘「仕方ないでしょ」
お父さん「何かあったら心配だから言ってんだ。これからは絶対に守ると約束するか?」
娘「ねえお父さん、いい加減にしてよ」
お父さん「何をいい加減にするんだ」
娘「…私、もう50よ?」
お父さん「それが?」
娘「それがじゃないのよ。息子だっているのの?息子の前でどんな顔すればいいかわからないのよ」
お父さん「一体何を言ってるんだ。親が娘を心配するのは当たり前だろ」
娘「もう結構なおばさんなのよ。門限なんて無くたって危険なことは1つもないのよ」
お父さん「何言ってるんだ。こんな可愛い娘が夜中に街を出歩くなんて危険すぎる」
娘「親だからよ。親だからそう思ってるけど、私を襲うメリットが見当たらないのよ」
お父さん「門限は絶対だ。まさかお前、夜遊びでも覚えたわけでもなかろうな」
娘「んなないじゃん。もう夜ぶち上げる気力も体力も尽きてるのよ」
お父さん「まあ、俺にも反抗期があったからわからんでもないけど」
娘「何度も言わせないで、50よ!もう更年期に差し掛かってるの!」
お父さん「なぜだ?自分の娘なのに、言ってることがさっぱり理解できない…」
娘「こっちのセリフよ」

そこへ、娘の子供・タカシがやってくる。

娘「ちょっとタカシ!あんた何よその格好。まだお風呂入ってないの?」
タカシ「ああ、朝入ろうかなって」
娘「どうせ寝坊して入らないんだから、今入っちゃいなさい」
タカシ「いいよ」
娘「じゃあ、お母さんが背中洗ってあげるから、ほらお風呂入るわよ」
タカシ「母さん、いい加減にしてよ。俺もう25歳だよ?」
娘「それが?」
タカシ「それがじゃないんだよ。いつまでも子供扱いしないでくれよ。もう、反抗とかすらめんどくさいんだよなぁ、明日も仕事だし(去る)」
娘「ちょっとタカシ!待ちなさい!……自分の息子なのに全く理解できないわ…」

娘の落ち込んだ姿に見兼ねたお父さん。

お父さん「ハルカ」
娘「…なに?」
お父さん「……いい子いい子(頭を撫でる)」
娘「ふふっ。ありがとう」

《完》

よろしければサポートお願いします!クリエイターとしての活動費にさせていただきます!