コント・大貧民のローカルルール

まさる「あ、しんじ!」
しんじ「おう。」
まさる「大貧民やってるんだけどやらない?」
しんじ「大貧民?あぁ、やるやる。大富豪のことね。」
まさる「え?何言ってるの?大貧民だろ?」
しんじ「なんかさ、地域によって呼び方分かれるらしいよ。うちの地元では大富豪って呼んでた。」
まさる「そうゆうことか。たしかに大貧民ってローカルルールとかも沢山あるもんな。」
しんじ「あるある。イレブンバックとか革命とかな。」
まさる「何それ。どっちも知らないんだけど。」
しんじ「イレブンバックと革命なかった?八切は?」
まさる「八切はあるよ。あと縛りとか都落ちとか。」
しんじ「そこは一緒か。」
まさる「まぁ、とにかくやろうぜ。俺の地元のルールだからやりながら覚えてよ。」
しんじ「OK。」
まさる「ちなみにさっきのゲームで俺が大富豪になったから俺からスタートな。よし、じゃあ早速、八切!」
しんじ「早速か。」

◯まさる、ハサミを取り出す。、

しんじ「お?何してんの?」

◯ハサミで8のカードを切り刻む。

まさる「おりゃ!」
しんじ「おいおいおい、何してるの!?」
まさる「え?見たらわかるだろ。八切。」
しんじ「嘘じゃん。物理的に八のカード切ってるじゃん。もうこの後使えないじゃん。」
まさる「うちの地元ではこういうルールだからさ。やってくうちに慣れるよ。」
しんじ「慣れるかな?」
まさる「次そっちの番だよ。」
しんじ「あ、階段ってルールある?同じマークの連続した数字なら出せるやつ。」
まさる「あー、階段はあるよ。」
しんじ「ある?じゃあクローバーの5.6.7を一緒に出しちゃおうっと。」
まさる「マジで?クローバー縛りじゃん!」
しんじ「そんな驚く?」
まさる「クローバー縛りかぁ。OK。じゃあ、持ってくるから待ってて。」
しんじ「え?何を持ってくるの?」
まさる「何って縄に決まってるじゃん。縛りなんだから。」
しんじ「さっきから全然ついていけてないんだけど。」
まさる「縄で、クローバーの、カードを、縛るんだよ。」
しんじ「ゆっくり言われてもわからないよ。縄でカードを縛るとか理解に苦しむんだけど。普通大貧民ってハサミとか縄とか使わずにできるじゃん。」
まさる「うちの地元では違うんだって。慣れてよ。」
しんじ「楽しいの?ハサミで切ったり、縄で縛ったりして。」
まさる「楽しいわけないだろ。」
しんじ「じゃあやめろよ。」
まさる「今更やめられないよ。地元に根付いてきた文化をそう簡単に変えられると思うな?」
しんじ「文化とまで言えるかな。たかがトランプなのに。まぁいいや。」
まさる「よし、次お前だろ。うわ!嘘だろ!革命!」
しんじ「本当だ!同じ数字が4枚揃ったから革命だ!」
まさる「やべぇ!まける!大富豪から都落ちしてしまう!嫌だ!船の床下には戻りたくない。船の床下には戻りたくない!
しんじ「マジの大貧民じゃん。ヤダよこのゲーム。失うものが多過ぎるよ。」
まさる「せっかく手に入れた地元の100万ヘクタールの土地が全部奪われてしまう〜。」
しんじ「得るものも多過ぎるな、このゲーム。」
まさる「あ、ちょっ、待って。うわああああ!負けたああああ!」
しんじ「都落ちじゃん。」
まさる「くそぉ。クソォォおおおおお!!」
しんじ「大貧民って奥が深いな。」

《完》

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