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デミアン・妙・エイリアン 20240917

メスガキに煽られる系のイラストを見ていると、小学生のころ同級生の女子からボロクソに罵倒されたので言い返したら向こうが泣き始め、瞬時にクラス中の女子がワラワラ集まってきて僕だけが悪かったことになり、帰りの会で教卓の前に立たされて謝罪させられたことを思い出す。

今思えばそういう煽りには面白く返すのが最適解だったんだろうとは思うが、当時の僕は他人から舐められるのが本当に嫌だったので、みっともなく反撃をしていた。

すると次は僕が必死になって言い返すのを面白がるブームが始まり、それを嫌がって無視していたら今度は僕をバカにする歌が隣のクラスで流行り出して、詰んだ。

『自分を侮辱されたことに対して怒る』という行為を概して情けないものとして扱う空気感が苦手なんだと思います。だからどうした〜〜〜〜〜?

どうということもない。ただタイムラインにたくさんメスガキのイラストが流れてきたのでこういう話をしただけです。


いわゆる『エモい』ものと組み合わせた時に一番わけが分からなくなる単語を探す遊びをしていた。

たとえば『酒の空き缶や弁当の殻が散らばった暗い部屋』と『牛の鼻輪』みたいなことです。僕個人の感覚の話でしかないが、まあただの遊びなので厳密にやる必要もない。

これが『牛乳』や『牛肉』だと、破滅を予感させる部屋と生活感の対比が強く印象付けられる。が、散らかった部屋に突然『牛の鼻輪』が現れたら、戸惑い、面食らい、何かのギャグのようにも思えてくる。

この二単語を結びつけるとしたらどんな話になるのか少し考えた。

・現代に蘇ったミノタウロスがネクタイの代わりに鼻輪をつけて会社勤めをしている話

・動物が好きで、子供の頃に近所の牧場の手伝いで可愛がっていた牛の鼻輪を形見として貰った主人公が、獣医を目指すも夢やぶれて堕落した生活を送っている話

・貧困と空腹に堪えかねた主人公が牛を盗んで食おうと画策したものの、立てた計画がことごとく御破算になり、唯一持って帰ることに成功した鼻輪を見つめながら頭を抱える話

パッと思いついたのはここら辺だった。これが面白いかどうかは知ったこっちゃないが、こういう遊びをしなかったら頭を過ぎることすらなかっただろう。

これって一題減っただけの三題噺では?

それはもう三題噺じゃないか。

これを見た人も是非やってみてください。僕はやってて楽しかったです。


めちゃくちゃ今更な話だけど、『進撃の巨人』の第一話ってすごいことやってるな。アップロードに10年かかった記事のタグをロックしました。

『壁に囲まれた平和な街の中で、外の世界を自分の目で見るという夢を持った少年』が主人公と聞くと、いかにもなディストピアやポストアポカリプスをやりたくなりそうなものだが、文字通りの障壁として立ちはだかっていたはずの巨大な壁があろうことか一話目でぶっ壊されている。

自分の自由を阻んでいた壁が壊れる、という展開を解放だとか成長だとか羽化だとかのメタファーとしてではなく、より凶悪で理不尽なものの前座に据える胆力が凄まじい。そっちの方がメジャーだろうに。

これが最初から巨人の脅威を見せつけられるような話だったらここまで疾走感やら没入感は無かった気がしていて、まず分かりやすい不自由の象徴として壁があることでエレンの心情を理解する猶予が生まれている。

母親からは「危険だからやめなさい」と止められ、顔見知りのおじさんには笑われ、それでも自分の夢を叶えたいというエレンの姿に共感することはさほど難しくない。

そこに超大型巨人をドーン!!! 鎧の巨人で壁グシャア!!! 母親死亡!!! 巨人みんなぶっ殺す!!!!!

急転直下すぎる。「生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない」みたいな話に繋がりそうなあらすじだったのに。

ただエレンにはずっと一本の軸が通っていて、自分から何かが理不尽に奪われることを心底憎んでいる。だから怒りの矛先が壁から巨人に移ったことにも違和感がない。

最序盤ではエレンの自由を阻むものとして描かれ、不自由を強いる代わりに人類を守っていると思われていた壁は、その中に巨人が埋まっているという衝撃の事実が明らかになったり、それが本当に守っていたものの正体が発覚したりと、役割が二転三転しながら最終盤まで物語に関わり続ける。

そこまで重要な意味合いを持たせておきながら、一話目でいきなり壁を壊す思い切りの良さ。どうかしてると思います。


推敲する気力もないのでこのまま投稿して寝ます。

おやすみなさい。

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