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SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL 一問一答(11)望ましくない米の構成要素=タンパク質

【問題】吸水性の低下を招いたり、雑味の原因になったりするとされ、含有量は少ない方が酒造に向くとされている米の構成要素は?
【正解】タンパク質

タンパク質が酒に与える影響

まず米には下記の要素が含まれます。
 ・一番多いのが「でんぷん」
 ・次に「水分」
 ・3番目が「タンパク質」
 ・他に「脂肪、灰分(かいぶん)」など

酒造りで一番大切なのが「でんぷん」。
でんぷんを糖化してからアルコール発酵させて、エチルアルコールを得るからです。

「タンパク質」は、米の吸水性の低下や蒸米が溶けにくくなったりする原因になります。
またタンパク質は分解してアミノ酸になります。
できあがったお酒のアミノ酸度が増すと、雑味につながったり、色や香味が劣化しやすくなったりします。
これらの理由から、タンパク質はなるべく少ない方がよいです。

米のタンパク質は、米の表層部に多く含まれます。
そのため、タンパク質を減らしたければ米の表面を削ってしまえばいいということになります。これが精米です。

いつもの食事で食べるお米(=飯米・はんまいといいます)も精米されていますよね。
飯米は、玄米が100%だとすると92%くらいになるまで外側を削っています。
日本酒だと、例えば純米大吟醸クラスでは100%が50%以下になるまで削らないといけません。
この、玄米を100%として何%まで削るか?というのが「精米歩合」です。削ることを「磨く」といったりします。

世界的にも人気の山口の酒造・獺祭は、この精米歩合を極限まで高めるのが特徴。23%まで磨いた、雑味をそぎ落とした商品があります。

悪いことばかりじゃない

ただし、アミノ酸由来の雑味は、見方を変えれば豊かな味わい、とも言えます。
上記のように20%台まで米を磨く酒もあれば、逆に80~90%までしか磨かずにその味わいを楽しむお酒もあります。

出てくる単語

タンパク質 proteins
脂肪 fats
灰分 minerals
米の表層部 outer layers of the rice
アミノ酸度 amino acidity
雑味 zatsumi (unpleasant "extraneous" taste)
精米歩合 rice-polishing ratio

おわりに

今年は届く年賀状の枚数が極端に少なかったのですが、やっぱりもうみんな年賀状なんて書かないのかなー。
こちらから送っていても送られてこない先もあったから、それはもうやめますよという意思表示なのかな。

明日もまた一問アップします!

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