SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL 一問一答(43)減圧蒸留・常圧蒸留

【問題】減圧蒸留は何度くらいの温度で蒸留するのか?
【正解】ずばり数字を書かせる。45~55℃

減圧蒸留とは?

まず蒸留とは、アルコールと水が混ざった状態の液体から純度の高いアルコールを取り出す方法。
焼酎を造るには、まず原料を発酵させて醪を造ります。醪は「水とアルコールが混ざった」液体です。そのほかにもいろんな香味成分やエキス分が含まれていますがここでは割愛します。
水の沸点は100℃、アルコールの沸点は約78℃。この温度差がキモです。醪を85~95℃に温めるとアルコールだけが沸騰して、蒸発を始めます。蒸発したアルコールを冷やして、純度の高い液体のアルコールを得ることができます。

以上が通常の蒸留の仕組みで、このような蒸留を「常圧蒸留」と呼びます。

さらに、蒸留しているタンクの中の気圧を下げると、中に入っている醪の沸点が下がります。するとアルコールは45~55℃という低い温度で沸騰するようになります。これが「減圧蒸留」です。

では何のために常圧と減圧を使い分けるのでしょう?もちろん出来上がる味わいに違いがもたらされるからです。

常圧蒸留
高温による分解・合成の化学反応が促進されることから、留液(蒸留によって得られるアルコール主体の液体)に香ばしい香味が与えられます。味わいが濃くて重めの酒質になります。

減圧蒸留
高温による化学反応が抑制され、蒸発しにくい成分の留出が抑えられ、軽快なタイプになります。エステルと呼ばれる果実香が得やすいのも特徴で、華やかな香りが感じられます。

二次試験の焼酎のテイスティングでは、「原材料」と「常圧/減圧」を判断する必要があるため、この二つの蒸留方法は必ず判別できるようにしないといけけません。

出てくる単語

蒸留 distillation
常圧蒸留 atmospheric distillation
減圧蒸留 vacuum distillation
蒸発 evaporation
沸点 boiling point

おわりに

先日こんな色をしたピノグリのワインを飲みました。

ジェラール・シュレール
天才肌で知られるアルザス、ヴァンナチュールの生産者。心の赴くままに毎年膨大なキュヴェをリリースしているらしい。結構貴重なものだったんだな、何気に注文してしまったけど。。


マセレーションしてここまでピンク色になるのかと。でも白ブドウ品種という気持ちでいるけど皮の色は結構な紫色になるのでしたピノグリ。

ピノグリ

これをかもせばさもありなんという気もします。すーっとしみいる酸味でピノグリのフルーティな丸みとオイリーさもあり、うまかた…

明日もまた一問アップします!

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