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鍵屋(錠前師)というお仕事

こんにちは「またたび」です。
今回は鍵屋のお仕事に付いて書いていこうと思います。

私は若い頃、鍵屋(錠前師)という仕事をしておりました。テレビで金庫を開けたり、漫画にもなっていたので知っている方も多いのではないでしょうか?

猿ロック?でしたっけ?もう現役からは引退しているので見た事は無いですけど・・・

鍵の安全性や進化に付いてはその当時から比べればかなりの進化を遂げておりますが、仕事自体は今も昔も変わらないと思います。

今回はそんな鍵屋さんの仕事に付いて語っていこうと思います。


仕事内容

仕事の内容としては様々ありましたが、鍵に関する事は全般的に何でもやります。
具体的には

  • 一般家庭の鍵の交換(マスター交換)修理、開錠

  • 補助錠の新規取付

  • ドアクローザの新規取り付け、交換

  • インロックによる車の開錠、無くしている場合は鍵の作成

  • 金庫の開錠(ダイヤル・テンキー・鍵の部分など)

  • キャビネットや机の鍵の開錠や鍵の作成

  • 手提げ金庫、スーツケースの開錠または鍵の作成

  • シャッターの開錠、または鍵の交換

  • 金庫の移動

など鍵にまつわる事だったら全般的に行います。

まあお世話になった方も少しはいるのではないでしょうか?

こういったものを用いて開錠します。画像はフリー素材より

依頼者や現場

依頼者に関しても様々で、

  • 一般家庭

  • 個人

  • 不動産屋

  • 会社・店舗

  • 学校

  • 警察

など、依頼があるお客さんは様々です。

鍵に関して困っているお客さんであれば問いません。

鍵の仕事と言うと、イメージでは金庫を開けるとか家の鍵を開けるといった内容をイメージをされている方も多いかと思いますが、様々な仕事があり、曰く付きな現場も多いんですよ。

曰く付きのケース

  1. よく、親御さんから娘または息子と連絡がつかない、(またはその逆のパターンも)のでアパートの鍵を開けて欲しいとの依頼が入りました。勿論、不動産屋さんも同席の上でです。

  2. 玄関のドアチェーン(ドアバー)が掛かってしまっているので開けてほしいとの依頼。お客さんは扉を閉めた際にドアバーが掛かってしまったのだと言われる事が多かったですね。

鍵の仕事をされた事のある方なら、上記のケースでこの後、何が起こっているのか、なんとなく想像は付くと思います。

❶の場合、開錠し、扉の開けると扉の隙間からもの凄い異臭が漂ってきます。(もうお分かりですよね!)
そこから先は入る事はありませんが、中では親の方が号泣しています。そして駆け付ける警察・・・

❷このケースは泥棒に入られている事が多かったですね。内部を見せてもらった事もありますが、内部は荒らされタンスは全て引き出され、扉は全て開いているという光景。

絵に描いたような光景をしばしば目にしました。
何故、こうなるかと言うと、泥棒が逃げるための時間稼ぎの為、内部から鍵だけでは無く、ドアチェーンやドアバーを掛けるのです。家の方が帰ってきても開かないように・・・
このケースもこの後警察が駆け付け現場検証します。

こんなケースに直面した場合は少し注意が必要ですよ!まだ潜んでいる可能性もありますので・・・

もっと凄い内容もあるのですが、ここでは書けません。

泥棒からの開錠の依頼なんて言うのもありましたね。技術を利用しようと、怪しい人からの依頼です。泥棒の片棒を担がされそうになる依頼なんかも・・・
(なので家の開錠をする際は、本人確認などは慎重に行っていました。)

やみくもに依頼があったら開錠するというのはとても危険なのでこの辺には注意していましたね。

このように一見、華やかにみえる鍵屋という職業。でも裏では危険と隣り合わせの様々なケースもありました。

私が、この仕事をしていて面白かったのは普段、立ち入る事の出来ない場所に行き、色々な場面に遭遇できた事

また金庫を開ける際には、人間模様を垣間見ることもできました。お葬式の後で呼ばれるケースも多かったです。

一人金庫の開錠を試みている中、背後では喪服姿の親戚一同が金庫が開くのをじっと見つめているのですから、そりゃ背筋もゾっとしますよ。

開いたら開いたで遺産相続争いが始まりそうな勢いです・・・

こういった部分が、オカルト好きな私にとってはとても魅力的でもあり、面白い部分でもありました。怒られそうですが・・・

恥ずかしかった仕事

渋谷の駅前(ハチ公前)で車の鍵を無くされた方からの依頼で現場に急行した事がありました。
これは開けるだけではなく、鍵も作らなければならない仕事です。

現場に付くとハザードが付いたままの車と依頼主がいました。早速、車の鍵穴を覗き段差を読む、(覗くと言っても医療用スコープで覗きます。)

その場で歩道内に入り、鍵を作っていきます。
今はどんなやり方で作るのかはわかりませんが、その当時は棒ヤスリを用いて何も削っていないその車に合う元鍵(ブランク)を手彫りで削っていくのです。(だいたい10分程度で出来上がります)

ブランクとはこういった何も溝がないものを指す。錠前の数だけ存在します。

※一般的に使われるブランクは常に常備している。

こういった車の鍵作りのケースは路上での作業がほとんどなのですが、その時は場所が悪かった・・・
何をやっているのだろう?とあっと言う間の人だかり😅
知らない人から見たら興味津々の作業なんでしょうね。膝の上でヤスリで鍵を削っている青年は・・・

こういった現場は特に見られる。話し掛けられる事も・・・新たに仕事が入る事なんかもありました。

大勢の方からの突き刺さるような視線

鍵が出来上がり、その鍵を車に差し込んで動作チェックをします。扉も開き、エンジンも掛る。完成しました!

見ていた観衆は、減るどころか増えていっている😅

その後、見ていた方から拍手喝采が起きるのですが、恥ずかしいったらありゃしない!苦笑い

お金をもらって早々に退散しました。

今では懐かしい思い出ですが当時は、路上での鍵作りの仕事が嫌で嫌で仕方なかったですね。

鍵穴覗いているだけでも通行中の車からも見られますし、渋滞してるとまたそれも嫌でしたね。

まとめ

今はもう鍵も進歩しており、また道具も無いのでやろうと思っても鍵の交換作業くらいしかできないのですが、凄く感謝もされるお仕事でした。

今でも家の敷地内や構造。立地等で泥棒に入られそうな家はわかるので、防犯という知識は持ち合わせておりますので。

防犯に関する事も書いていこうと思います。

また自分の住んでいたマンションが狙われたなんてケースもありましたので、そんな事例も紹介していきたいと思っております。

それではまた














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