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ミスチル~下から見るか、横から見るか(または上から?)

宇野さんとレジーさんの「日本代表とMr.Children」が話題ですね。

日本代表とMr.Children https://www.amazon.co.jp/dp/4905349443/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_fMFpCbPS70KZS

私もフットボリスタラボ会員特典として、拝読しました。なかなか「世代感」のある話題で、自分は宇野さんに近い世代ですが、まさにミスチルを上から見るのか下から見るかで、アーティストインプレッションも音楽の捉え方も色々だなあと思いました。

また、この本の書評的なリレーコラムが、フットボリスタで連載されていました。

"意識高い系"のミスチル世代と「自分たちのサッカー」の関係性 | footballista https://www.footballista.jp/special/55553

「サッカー×○○」を伝える意味 "2番目に好きな娯楽"を目指せ | footballista https://www.footballista.jp/special/55678

日本人を阻む、世界という「高ければ高い壁」の正体 | footballista https://www.footballista.jp/special/55566

この3つのコラムも、元の本の持つ「力」が引き出したのでしょうが、どれも強い「力」溢れるテキストになっているなあ、素晴らしいなあと、感じました。

そのなかで、コラムの二回目で倉敷氏の「読後に『日本代表とMr.Childrenと私』という自分史を作ってみたくなる本」という文が個人的にすごくツボにはまったので、自分のなかでのMr.Childrenがどのような「位置」にいたのか、思い出しながらつらつらと備忘録的に記そう、というのが今回のnoteのテーマです。

ミスチルの四人は学年としては一個下ですからほぼほぼ同世代です。他にはスピッツ、フリッパーズギターあたりが同世代ですね。
自分も大学生時代はライブハウスなんかでアマチュアミュージシャン的にライブとかやってた口なので、感覚的には、プロとは言え、ほとんど「同期」的な感覚です。レベルは違う、全然違うけど、そんなもんです。つまり音楽という表現手法を用いた表現者として、とてもフラットに評価してきた、いわば「横から見てきた」世代になります。ほんと、真横から。

ミスチルとスピッツは常に比較される。


そういう意味でデビューして、メジャーに出てきて何年かは、とても「批評家」的なスタンスで彼らを見ていた、という感じがしてて、そういえばその当時は日本代表以前に「サッカー」に対しても「批評家」だった、温度感なく、興味も薄く、事象として見てたところはありました。

ミスチルがデビューしたのが1992年、innocent worldがチャートのトップをとったのが1996年、自分は社会人になってもまだアマチュアの立場ながらプロを少しだけ夢見てた時代、当然一つ年下のぽっと出のバンドにシンパシーなど感じる訳もないわけです。中高生にキャーキャー言われてるバンド、位の認識だったと記憶しています。言ってみれば「上から」見ていたのかもしれない、偉そうに。

全てはこの番組から始まった、「イカ天」


そのままミスチルはスマッシュヒットを飛ばし続け、自分は甘いプロの想いを断ち切り、そのまま名古屋に転勤し、音楽から一時距離を置きます。一番音楽から離れていた1997〜1998頃にミスチルも一年活動休止し、桜井さんも家庭を持ち、そしてあの「終わりなき旅」で活動を再開した頃、自分も名古屋で音楽活動を再開します。こうやって見ると、割とリンクしてるなあ(苦笑)。

この頃からミレニアムをはさんで2002年日韓ワールドカップの熱狂に、この本は一気に飛ぶんですが、実際は桜井さんも自分もそのあたりは色々あった時期なんじゃないかなと思いました。まず自分は音楽を通じてカミさんに出会いました、そして3年交際して結婚。桜井さんは一度家庭を壊してもう一度家庭を作ります。そして小脳梗塞で死の危険にも向き合いました。世界ではグローバリズムの荒波と吹きだまりに民族主義が芽生え、混沌が始まります。そして911…


911は、本当に衝撃だった

2002のワールドカップの頃はサッカー以外にも30代前半で色々悩む時代にこれだけの周辺環境の変化があり、桜井さんの作る楽曲にも、恋愛→自分探し→で、その次のフェイズである「社会や世界そして家族」という視点が入り始めた頃ではなかったかと記憶しています。

その中でリリースされた、自分にとってミスチルといえば、この曲というのが「タガタメ」でした。この曲を聴いた第一印象は「桜井さんって天才やなあ…」でした。出だしのディカプリオから始まり、社会と世界と家庭というテーマ、この広がりを感じて初めて私はミスチルに対して「下から」の視点で見ることになりました。そのうえで若かりし頃いきがって上からとか横からとか見ていた曲も再評価できましたし、人間としても一つ成長できた感がありました。



そのうえで、「今までと違う視点でものを見ることで素晴らしいものを素晴らしいと再評価できるんだよなあ」という考えのもとで、サッカー(サンフレッチェ広島)を見始めて、広島サッカースタジアム問題にのめり込んでいくわけです。あの時同じように悩み、そしてそこからBank Bandの活動を始めた桜井さんと同様に。


と、振り返っては見ましたが、実際は常にミスチルと歩んでたわけでもなく、サッカーや日本代表とともに歩んできたわけでもないのですが、こういう振り返り方って、言ってみれば「人生に定規を当てる」ような感じかなあと思いました。皆さんも人生にたまには定規を当てて振り返ってみると、新たな気づきがあるかもしれませんよ。


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