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歩き遍路の記録_29【安芸〜大日寺〜国分寺】

2023年10月に3日間で行った区切り遍路の3日目です。
前回の記事はこちら。

2023年10月16日
7時頃
ゲストハウスでコンビニのおにぎりを食し出発。
今日は少し長めの距離を歩く。
大日寺を経由し国分寺までの予定でだいたい35kmぐらい。

遍路って1日の行程が30kmを超えるとかなりしんどいというか、休憩とか寄り道をする時間的余裕とかなくなるからつまらないんだよなあ。

まあ自分で決めた行程なんで文句行ってもしょうがないんですが。

さて、まずは今日も引き続き国道55号線を進んでいきましょう。

安芸市の市役所。
阪神優勝の垂れ幕がかかっていた。
この日はまだ日本シリーズ前だった。
ああそっか安芸キャンプの「安芸」ってここのことなんだ。

安芸ドーム。
へー。

安芸ドームを過ぎたあたりから遍路道は55号線からすこし外れて海側へ。

漁港近くのオシャレ休憩所。

漁港近くの猫

この漁港を過ぎたところからこの自転車道が遍路道となる。

時々通行止めの看板が出てるけど少し迂回すると通れる区間が。
じゃあ「全面通行止め」とか書くなや。
紛らわしい。
でも基本的に信号もないし、車も通らないので快適。

ではここで土佐湾の美しい景色をご覧ください。

琴ヶ浜野外劇場という場所だそう。

この舞台で芝居すんのかね?

ここにお竜さん(坂本龍馬の妻)の銅像があったけど写真撮り忘れてるわ。

海が見えるおしゃんカフェ。
開店時間の前だったので入れなかったけど、気持ちよさそうなお店だなあ。

香南市に入りました。

ひたすら自転車道を行く。
本日もまた全っっっっっ然人と会いわない。
淡々と黙々とひたすらに歩く。

この自転車道は元は鉄道だったらしく時々その名残らしいトンネルなんかが出てくる。

ありゃ跳ね橋だ。

へー
動いてるとこ見たいなと思ったけど、あんまり時間もないしそのまま進む。

「道の駅やす」に入ってかわいらしいアイスキャンディーを食べた。
わ〜いちご🍓いっぱい〜

わ〜いちご🍓うっす〜〜い

普段こういうの食べないんでわからないんだがこんなもんだろうか

この道の駅やすを過ぎたあたりから遍路道は自転車道から外れる。
ところでこの自転車道、一部木が茂って視界が悪かったり、廃屋があったり、なんかスラムみたいなバラックで鶏飼ってる不法占拠じゃね?みたいなところとか、少々治安が心配になる箇所があったので歩く際はお気をつけて。
何かあるってことはないかもしれないけど人通りは少ないのでね。

日陰になっていいけど視界は悪い

そういうビビってる状態で、雑然と荷物が置かれた接待小屋みたいなとこから声をかけてもらった気がするけど怖すぎて声が聞こえるのは気の所為ってことにしてしまった。

あれはなんだったんだろう。
本当にお接待だったらすまんことをした。

町中の遍路道を進んでいると道路沿いに「絵金」の幟が。
「あ、絵金ってここらへんの祭なのか!」
※絵金とはなんぞやは↓のリンク先から。

美術館があったけど月曜定休日だった。
残念。
いつか絵金祭りの写真とか撮りに行ってみないなあ。

歩いていると、山の上に西洋風の城塞が見えてきた。
なんじゃあれ。

第28番札所 大日寺

第28番札所 法界山 高照院 大日寺

13時半頃着
青もみじが美しいね

あんまりここの記憶がない。

さて、ここから次の29番までだいたい9kmくらい。
普通に歩いたら2時間ちょいくらいか。
なので着くのは4時過ぎくらい。

お昼食べてないけど食べてる暇なさそうかな。
腹減ったなあと思いながら、おやつのビスケットなどを合間に食べながら歩いた。

ニラの畑の中を通る。
すっごいニラの匂いがする。

高知ってニラの産地なんやね。

高知空港が近いのか飛行機の位置が低い。

今回の遍路ももうすぐ終わるけど、マジで全然遍路に会わなかったな。
なんかつまらないなあ。

第29番札所 国分寺

第29番札所 摩尼山 宝蔵院 国分寺

4時過ぎ到着
境内は夕日が差し掛かって人も少なく、ひっそりしていた。
早々に参拝を済ませる。

30km以上歩いた上にろくにご飯を食べてなかったので、お茶とお菓子のセットを頂いた。
きれいなお庭を眺めながらいただく。
夕方だし私一人だった。

これで今回の遍路は終了。
大阪へ帰るべく高知空港へ向かう。
疲れたし、ここから空港へ直通で行ける交通機関等もないのでタクシーを呼ぶことにした。
ほどなくタクシーが迎えに来て乗車。

乗車中、大日寺近くで『あれは何だ』と疑問に思った山上の要塞が見えたので、運転手さんに訪ねてみた。

曰く、かつてそこに遊園地があり、その名残の廃墟らしい。
運転手さんが子供の頃には行った記憶があるがすぐに廃業して、長い間あのままらしい。
名前はシャトー三宝。

そんな話をしながら30分ほどで空港に到着。
金額は2,800円ぐらいだったと思う。

空港には遍路用の着替えスペースがあり、白衣を脱ぎ、汗臭くなったTシャツを着替えて飛行機の搭乗を待った。

そして、搭乗。
大阪行きのANAはほぼ満席だった。
主な乗客はビジネスマンだろうか。

菅笠をくくりつけたバックパックを無理やり座席上の手荷物入れに押し込んでから座席に着くと隣の座席の人から「もしかしてお遍路さん?」と声をかけられた。
「そうです」と答えると「やっぱり?私も遍路したことあるの」と言われた。

なんと、今回全然遍路に会わねえな…と思っていたら最後の最後にお遍路さんと遭遇した。

その方はスーツをバッチリ着こなしたバリキャリ風の女性でパッと見はお遍路とか関係なさそうな感じだったが、こういう人もお遍路に行くのかと思った。
「歩き?」と聞かれたので「区切りですけど歩きです」と答えると、「すごいね、私はバス」とのこと。「いいよね四国遍路、他にも西国三十三所とか行ったけどやっぱり四国八十八ヶ所が一番良かった」というので「どこが良かったですか?」と聞くと「全然ご利益が違ったの!すっごいよお遍路パワー」とのことだった。

私は内心『あ、そっち系?』と思った。
別にご利益を求めてやるなって話では全然ないんだけど、今まで会ったことあるお遍路さんでご利益を求めてる人を見なかったので『そういう人もいるのか…』と思った。

まあそもそも区切りの歩き遍路なんてご利益を求めてやるには時間も金銭的のもコスパ悪すぎるからね…発想すらないんですよ。

もちろん私とて宝くじを買って京都の御金神社で当選のお祈りをしたこともあるし、藤森神社に馬券的中のお祈りもしたことあるので、ご利益を求めるという事自体しないわけでもないけど、遍路はその発想なかったなあ。
圧倒的にただの歩き旅ですからね。

そんな感想は心にとどめて、搭乗中歩き遍路は金がかかるとか、どこそこのお寺が良かった悪かった。そのお寺多分歩きとバスでは全然印象違いますよ。とか、バスは遍路はホテルで歩き遍路は民宿とかゲストハウスで宿も博打ですとか、そんな話をし続けた。
正直楽しかった。
今回の遍路で一番楽しかった。
変わった偶然だなと思った。

高知から大阪の距離は近い。
すぐに着陸態勢に入って、その人ともお別れした。
立派なご利益とかよりこういう偶然の出会いが面白くてやってるんだなと改めて思った。

さて、これで今回の遍路は終わり。
次は2024年GWの遍路に続きます。

ほなまた。

※上記の地図は場所を指定しただけの参考ルートです。実際にはこの通りに歩いておりません。

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