食器洗い乾燥機という名の「魔法の箱」

私は料理をするのが好きだ。

高級フレンチや本格中華というような類のものではなく、家庭的で庶民的な料理である。栄養バランスと季節感そして節約のことも考慮しつつ、ひと工夫してできるだけ簡単に、決して気張らず、手抜きできるところは抜いて、翌日の弁当のことも考えながら、家族のためにたっぷりと楽しくご飯を作る。

今夜の晩ご飯は何にしようかなと考える時間が、結構楽しみだったりする。
買い物に行かずとも、冷蔵庫の余り食材でやっつけたことがバレない料理が好評だった時には、達成感でいっぱいになるくらい、家事の中では料理をすることが好きだ。
　たまには外食もいいけれど、独身時代に一人暮らしの部屋では全く料理をせず、オール外食という時期が５年程あった反動なのか、経済的な理由なのか、幼児を連れての外食が億劫なのか、とにかく我が家は家メシ派である。

だが、問題は、その先にある。

家族での楽しい夕食が済んだら、誰かがその食器を洗わなくてはいけない。

私は、食器を洗って→拭いて→片付けるという一連の動作が非常に苦手である。そしてそれは、毎日欠かさず発生するにも関わらず、本当に苦手で嫌いな家事No.1。

苦手だからとお願いすればやってくれる優しい夫はいるが、様子を伺っていると、辺りには水が飛び散り、床は濡れ、もれなく洗い残し、食器棚はごちゃごちゃで、シンクにはゴミが散乱している模様。
難易度はそれほど高くないはずなのだが、技術点は35点である。つまり、夫も食器洗いは苦手なのだ。

食後はゆっくりのんびりお茶でも飲んでテレビでも見たいのに、夫か私のどちらかが犠牲になり、かわいい子どもたちとの楽しい家族の輪から一時的に離脱して、孤独な苦行に勤しまなければいけない。

そしてそれがこの先、毎日続くと思うと憂鬱で仕方がなかった。

現代の庶民生活において冷蔵庫、洗濯機、ストーブは当たり前、スティッククリーナーや電子レンジなどもこれっぽっちも贅沢品ではなく、むしろ必需品である。
そして、食器洗いと乾燥を自動的にやってくれる超素敵な家電「食器洗い乾燥機」も、この令和の時代、もはや贅沢品ではないはずだと思いたい。

取り付け工賃込みで10万円は今の自分には安いとは言えないが、10万円で毎日のこの苦しみから解放される可能性が少しでもあるのなら、導入してみよう！　ということになり、ついに我が家に食器洗い機が導入された。

食器洗い機が導入されたその日その瞬間から、ガラリ生活が一変。

汚れた食器をセットするだけで、キレイに洗って乾かしてくれるその箱は、多くのものをもたらした。

見たくもない汚れた食器を素早く受け入れ隠してくれる上、ピカピカに仕上げてくれるそれは私にとって、家族にとって、魔法の箱になったのだ。

具体的にどんな魔法かというと、
・食後の後片付けが数分になり、その時間で子どもと遊べる
・水道代も給湯にかかる光熱費も節約になる
・乾燥後も、そのまま入れておける
・憂鬱な気分が晴れやかになり、メンタルの健康を手に入れられる
・お弁当箱もフォークや箸セットのプラスチックの汚れも、文句を言わずにきれいに洗ってくれる
・手肌が荒れないから、気が付いたらすべすべのキレイな手になる
・私の機嫌が良くなって、家族に笑顔が増える

他にも挙げたらキリがない。

私は、わずか10万円の先行投資のみで毎日の苦行から未来永劫解放され、自由な時間と健康な心身とさらに良好な夫婦関係を手に入れることができたのだ。

魔法の箱を導入したことによる数多くのベネフィットを熱く語っている人をあまり見かけないのは、それほど普及率が高くないのか、私が興奮し過ぎているからなのかはわからないが、この魔法の箱を導入しない理由があるならぜひ教えてほしい。
共働きや子育て中のご家庭には絶対におススメなのが、この魔法の箱である。
もし、魔法の箱未導入の家庭があれば、早急に導入することを強くおススメする。
ご主人から奥様への誕生日や結婚記念日、クリスマスのプレゼントにも絶対に喜ばれるに違いない。

これはありふれた便利家電などではなく、自由な時間と健康な心身と良好な夫婦関係をもたらす魔法の箱なのだから。

自由な時間を手に入れた今、食洗器を稼働させながら、PCに向かっている。