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混乱しがちな分数の倍

分数の倍について考える。

分数の倍を問う問題文にはいくつか種類があり、殆ど文章の読み取りの力のようにも思えるが、これを算数的に扱って理解させるのは難しい。
以下、問題文の例。

A 5mをもとにすると、4mは何倍(分数で)か。

B 4mは、5mの何倍(分数で)か。

C 5mを1とみると、4mはいくつに当たるか。

すべて割合すなわち何倍かをもとめる問題だが、言い回しが異なっている。様々なアプローチが考えられるが、どれが最も分かりやすいのか。

教科書でよく取り上げられるのは、数直線に表して比例の関係を見つけ掛け算の式に表してから積を基準量でわる方法だ。この方法は、問題の関係性を正しく表して理解させるには最も有効ではあるが、割り算を既に習ってる子らにとっては手続きが多すぎる。

そこで、使える方法が、

割り算の式の意味を考えて解く方法

になる。割り算には等分除と包含除がある。この場合、何倍かを求めるので当然包含除となり、比較量÷基準量で計算できる。これならば、「何倍を求めるか」だから割り算で、わる数さえ見つければよい。そして、基準量を見つけるのだが、先程のABCはそれぞれ言い回しが異なるので、基準量を探す方法が必要となる。それが、

①「〇の何倍」の「〇の」に当たる数
②もとにする数
③1(1倍)に当たる数
④1つ分の数

だ、これらがすべて基準量を表す言い方になることは覚えさせたい。ここさえ掴めば難しさはかなり軽減するはずだ。

さらに裏技のようだが、下に示すように、主語に注目し、大小の関係を用いる方法もある。

先程の問題文には、全て「4mは」という表現がある。このことから、「4が」他方の何倍になってるかと考えればよい。
例えば、4が5の何倍かと考えて見当をつけてしまう。4は明らかに5より小さいのだから、仮分数にはならず、真分数になるはずだと決まる。すると、5÷4じゃなくて4÷5が妥当だということになる。
別の言い方で、5を1とみると、4は絶対に1より小さくならないといけないので、5÷4ではなく、4÷5だろうとなる。
5をもとにすると、4は何倍かと聞かれても、4は5より小さいので、1倍を超えないと気付けるはずだ。

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