見出し画像

2022年の俳句36句


反故紙
紙にしか書けない気持ち日記買う
君ことりと戻る骨は雪のよう
屠りたるナイフを雪でふり洗う
冬銀河あしたの米を研いでいる
雪を踏むわたしの中の子どもたち
鳥帰るミサイル飛ぶも知らぬこと
ミモザ咲く地球をつつむ青い空
紙漉きの木槌打つ音梅ひらく
夏山やどっかり座して握り飯
木通の花紫式部の徹夜明け
槍穂高無音の響き天の川
反故紙の皺をのばして鮎つつむ
苔の花森はまるごと発酵す
郭公やカバンの中に飴ふたつ
ユリノキの花の下には楽隊いる
バレリーナつま先ほどく刺繍花
薔薇の庭母の部屋には水を置き
思い出を食べつくせよと盆料理
梅干して祖母のしぐさを思い出す
夏至の日のこの太陽を瓶詰めに
没落した家の隅々萩が散る
朝の月市場の隅で売る文庫
チマチョゴリ着て凛凛と木槿の花
岩手山飛び越えようとばった跳ぶ
草蜉蝣ままごとの魔の手から逃げ
ルオーの版画のように枯れ向日葵
味噌汁をすこし濃いめに今朝の秋
髭剃った息子が平凡さねかづら       
誤字脱字すこし落ち込み栗ひろう
ぎんなんをめざして渡る朝の橋
枇杷の花閉まったままの饅頭屋
大根葉きざむ夕暮れジャズを聴く       
オルガンの床から響く雪のミサ      
面談やセーターの毛玉気になって     
残らない詩歌つづって山眠る
 
 菜の花を茹でてわたしきれいになる


 
 ※2022年から自分で気に入っている俳句36句。
 というより36句ぐらいしか抽出できなかった。あとは自分でもボツ。
 去年は「草笛」の新人賞をもらってしまい同人になってしまったので、あとにひけないので、がんばらないといけない。趣味も俳句だけでなくいろいろあるので、俳句脳に切り替えるのが大変なところがある。
 わたしの俳句友人は、結社に所属しながらいくつかの俳誌に投句したり、角川俳句賞に応募したりしている。角川俳句賞は50句だとか。
 普段の投句以外に50句つくるという力業にただ感心する。わたしももう少し作らないといけないけど、締め切りや提出先がないと作れないので、わたしもひとつだけ投句先を増やした。これでふたつの俳誌に投句する。
 さてさて、今日は句会だ。春から秋は平日は仕事、週末は家業に精を出すので句会にはでられない。冬だけは土日に暇ができるので句会に行って勉強させてもらわなくちゃ。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?