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徒党のくせに

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「オレは徒党は組まない1匹狼だ」と公然と言えれば大したもんだ。是非とも政界にてご活躍頂きたい。有言実行なら言うことなし、もし舌先三寸なら株を大いに下げて生きにくくなるだろうが知ったことではない。
つまり徒党を組まず己に信念を持って執り行える者こそ信を置ける者であり、真の実力者と言える。

何故党派を組みたがるのか。それは明らかで、恐ろしいからである。誰かと一緒にいることの安心感と言えば上等だが、状況が悪化した際に責任転嫁や責任逃れをするには持ってこいだからである。舎弟に責任を負わせ自首させる悪党と何が違うのか。徒党のトップはそれなりに責任を負っているというが、散々甘い汁を吸い尽くしその位置にいるのだ。当然大罪を償う義務がある。悪党の親玉が責任などと口走るは盗人猛々しいにも程がある。

その昔、中国のトップをまだ君子と言っていた時代、国の統一を乱す第一は「党」であった。これらは徒党、私党と言われ、悪事為す輩集団とされていたのだ。
それが近代となり日本に輸入され、いつの間にか政党と名を変え、二院制などを的外れな前例としてとうとう市民権を得てしまう。

何党の何派閥だとはばかりなく公言する彼らが運営するこの国は、時代が時代ならば国を貶める輩集団に蝕まれた救いようのない国ということになる。そして現代、果たして政治は良くなったのか。いや、政治は常に混迷を極め、悪事は捻りつぶされ、民は苦しみの淵へと追いやられている。

君子の時代、政治は政策で行われていた。良い政策や緊急を要する政策には人が集まり、政策の終了と共に皆再び一個人政治家に回帰する。政策に反対の者は加わらなければ良いだけの話。良策に加わった者の株は上がり名誉は向上し、民の信頼も深く強固で次期選挙にも優位だ。一方加わらなかった者は先見の明の無さを噂され、政治家としてはキツい痛手を被ることとなる。

何故今この仕組みをしないかはご存知だろうか。これでは政治家は忙しいばかりにて儲けが少ない。より儲けられて、尚且ついざという時責任転嫁や責任逃れができる仕組みこそが、政党派閥などの徒党を組む仕組みなのである。近傍に於けるどの政権を思い返されても良かろう。

私は政策政治を推し、徒党を組んだ政党派閥政治に断固反対する。
一昔前の暴走族じゃあるまいし、私利私欲の亡者が徒党し不細工極まりなし。