見出し画像

皮肉たっぷりのロックナンバー Dance Dance Dance

ミスチル現象という言葉が生まれるほど、世間がMr.Childrenに熱狂している時期に出されたDance Dance Danceという曲を紹介します。
この曲は比喩表現・皮肉が多めに盛り込んでおり、誰視点の歌詞なのかを考える事によって色んな表情を見せます。

この記事では櫻井さん視点の歌詞と解釈して進めます。

20代で頂点に上り詰めた櫻井さんが見た景色

クルクルと地球儀を回して 世界中を旅してる気分
あまりに低い天井を見上げれば 救いようもなくまた寝転がる

宣言通り、100万枚曲を売ってからはとんとん拍子で日本の音楽シーンの頂点に立ったMr.Children。ほとんどのアーティストが到達する事が出来ない高みを、少々イキった感性で低い天井とうたい上げています。格好良い。

ただ、地球儀を回して世界中を旅している気分を味わうくらい、閉塞感やら忙しさを感じ取る事が出来ます。実際この曲は活動休止前の曲のため、櫻井さんのストレスがダイレクトにファーストフレーズから書かれているのかもしれません。

いきなり二番Bメロ歌詞の紹介になってしまいますが、より櫻井さんのストレスが感じられるフレーズがこちら。

今日もハイテンションロックンロールスター 虚像を背負ってツイスト&シャウト
みんなでファッション舞い上がれ 落ちる定めのヒットチャート

櫻井さんはメディアにて、「根は根暗」「きゃーきゃー言われるために音楽をやっている訳ではない」等の発言をしており、世間がイメージするMr.Children・櫻井さんであるために無理をしていたのかも知れません。
→HOME以降は良い意味で力が抜けている様に思えます。

A・Bメロでうだうだ悩み、サビで発散される

満たされない夢と欲望の彼方に
残された君と希望の橋を渡ろう Woo fu Wow ho
さぁ踊ろう世界が終わるまで Woo fu 
その未来を僕の手に委ねたなら Oh Dance Dance Dance

100万枚CDを売りたい、日本一のバンドになりたいと、夢は叶えるほど再現なく膨らんでいき、欲望も限りなく増えていきます。そんな中、彼方に残ったのは君だった。そんなサビです。

ここだけ切り取ると、一途な愛情に感じられもしますが、当時櫻井さんは既婚者であり、この曲をリリースしてから離婚して別の女性と結婚しています。

そう思って聞くと、予告不倫な気もしてくる曲です。
今の満たされた櫻井さんと、昔の満たされない櫻井さんは別人かというくらい感性が違うとも捉えられます。

櫻井さんは当時の結婚生活に満足していなかった?

このサビの後に続くAメロの歌詞はこちら。

飽和しそうなほどのインフォメーション
欲望が服着て歩く グラビアの彼女に恋をして
一目会って嫌気がした

続けて2番サビ前のフレーズも紹介。

満ち足りたマニュアルにそった恋の中
もがいてる将来有望な僕らがいるよ Woo fu Wow ho
さぁ踊ろう 鼓動が止まっても Woo fu
気にしないよ 君ともっと汚れてみたい

このフレーズが、一番この曲の解釈が揺れる所です。

主語がないため、嫌気がしたのが彼女に対してなのか今のパートナーなのかによって大きく印象が変わってきます。

マニュアルにそった恋とはつまり、一生の愛を誓ったら貫き続けなければいけないとか、批判されない恋だと思います。

批判されても良い。死んでも良い。君と踊りたい。汚れたい。

と欲望が尽きない事をうたい上げた切実な歌詞だと思います。
※この後に続く歌詞では、一線を越えないためのロンリープレイをしている描写があります。

Dance Dance Danceは、息子さんがドラマーとして活躍するなどの記事が出るほど満たされた櫻井さんでは書けない、乾き・葛藤を持つ物にしか書けない素晴らしいロックナンバーです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?