「すみっこぐらし」映画に思う。

書くと長くなるの分かっていたし、多分まめに書いちゃうの間違いないと思うので、 noteに手出してなかったのですが、同世代の尊敬する方から「絶対やるべき」と勧められてこの度してみんとてするなり!(←この表現の時点で相当気負ってる感を味わって頂ければ。)

娘に付き合って先週末映画「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を見た。

さっくりとFBにあげた感想が以下だ。

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娘に付き合って映画「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」を観た。劇団「ヨーロッパ企画」の舞台みたいな映画だなぁと思って観ていたら、脚本が「ヨーロッパ企画」の角田さんだった。違う世界を行き来し、うまく伏線まとめて最後はこれでもかと言うハートウォーミングな終わり方〜。キャラ紹介から始めて正味1時間の尺で、この話こなせる脚本家凄いなと思いました。
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誰に見せるでもない自分の日記に去年8月に書いたヨーロッパ企画に関する文章は以下だ。

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ヨーロッパ企画「サマータイムマシン・ワンスモア」@本多劇場。見事でした。

2003年にふらっと入った下北沢駅前劇場で見た前作「サマータイムマシン・ブルース」は、予備情報全くない中観たと言うのもあるが、素直に凄いものを目の当たりにした感があった。タイムトラベルする理由の下らなさ、その下らなさからくるグダグタ感、グダグタ感からくるどうでも良いような会話や行動、そんな感じの夏の1日の青春っぽさ、それら全てが実は伏線となっていて、後半見事に伏線全てをドタバタしながら回収し、タイムトラベルものとしての破綻のないストーリーをコメディとして構築していた。日本発のタイムトラベルものとして未だにこれを超えるものを僕は知らない。(興味ある方は本広監督が映画化しているので是非)

15年後を描くその続編「2」としての「〜ワンスモア」。
劇団結成20周年記念作品。

まず思ったのは、ほぼオリジナルメンバーのままの配役で15年以上前の作品の「2」を作れる劇団としての凄さ。売れっ子演出家やスター役者なしにオリジナルメンバーで20年続く劇団ってまあない。それだけ続いていればだいたい誰かが売れるし、売れるとバランスが崩れる。食えなくて解散、バランス崩れて解散、そんな劇団を山ほど見てきた。

ヨーロッパ企画の凄いところはここで、劇団・作・演出家・役者が皆同じようにずっと「そこそこ」なのだ。もっと評価されてもいいと思うし、売れてもいいと思うが、若い頃から注目されているにも関わらず、随分長い間ずっと全体的に「そこそこ」。20年間「そこそこ」にコンスタントに活動し続けている劇団と言うものも僕はほかに知らない。

これが意図的なのかどうかは知らないが、おそらくその理由は彼らの活動拠点が京都である事に由来しているような気がする。基本ホントガツガツしてない、ガツガツしてなんぼの小劇場界隈でホントに嘘のように欲を感じない。何なら尊いくらい。そして、作品はどれだけドタバタしても基本上品。ゲーム業界で最も尊敬する任天堂の宮本茂さんが、本多劇場内に設置されていた20周年おめでとうコメントで、奇しくも同じ京都に住み自分のペースで作品を作る事について触れられていて、おそらくそう言う事で正解なんだろうなと確信した。

で、作品については完結済みの前作「サマータイムマシン・ブルース」が結果的に丸々伏線となり、更にそれを上回る20年分の下らなさ、グダグタ、が前作以上に複雑な伏線となって、20年培ったテクニックで後半見事に全て回収されていきました。見事、見事。圧巻。

9/9まで下北沢 本多劇場での前作「サマータイムマシン・ブルース」と「サマータイムマシン・ワンスモア」の交互上演。恐らく役者の年齢的に「サマータイムマシン・ブルース」はオリジナルメンバーでの上演を観られるのは最後の機会かと。

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映画「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」は「サマータイムマシンブルース」を置き換えたアナザータイトルだなと言うのが感想で。

10人弱の登場人物による群像劇、基本的にどうでもいいよう話、日常に少し変化があったシチュエーション、悪い人一人もいない(話の途中に悪く描かれていたものも後にそうじゃない立場に自然となる)、たまたま引き込まれた異世界を行き来し行き来することを受け入れて解決策を模索する。など。

ヨーロッパ企画的だなあと思ってみていた訳で、エンディングで脚本がヨーロッパ企画の角田さんとわかった時に6歳の娘にドヤ顔しましたからね。「どや!パパの直感!」と。怒ってるの?と言われましたが。

でもまぁ「らしさ」があるって物作る立場としては大事だなと改めて思う機会となりました。ランド・ホー!らしいと言われることはよくあるのですが、引き続きそこは大事にしないとなあと思った次第で今後ともしてみんとてするなり!(←この表現の時点で相当気負ってる感を味わって頂ければ。)








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