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ディレクター目線によるアルバム「CENTER OF THE EARTH」*とても長い。

a flood of circleのアルバムがリリースされて10日ほどが経ちました。

普段は内部資料的にディレクター目線でアルバムについて書いたりしているのですが、せっかくなのでオープンスペースに書いてみます。

今回のアルバムを語るにはまず、その前作シングル「13分間の悪夢」から紐解く必要があります。さらにもっと言うと、その前作「a flood of circle」の中で1曲UNISON SQUARE GARDEN田淵くんにプロデュースしてもらったのですが、制作が終わった時に田淵くんも佐々木も「もっとやりたい」というムードをムンムンに漂わせていたので、シングルの企画段階でみんなに提案したら即決だったと記憶しています。

そして田淵くんも快諾してくれました。ここにおいてディレクター目線で言わせてもらいますと、UNISON SQUARE GARDENというとても大きなプロジェクト(かつ他にも彼は仕事しまっくてる)がある中でa flood of circleのシングル、しかも3曲も引き受けるというのはいくら本人がよくてもスタッフ的に相当難儀だったと思われます。そういう意味でユニゾンスタッフチームには今でもなお感謝をしても仕切れません。(僕が逆の立場だったら「佐々木、、、さすがにやめとこか」と言いかねない。)

まずは佐々木のデモを元に、二人がメールで意見やデモアレンジのやりとりするという過程の際に、僕もCCで入っていたのですが、デモの投げ合いというクリエイティブな爆発をPC画面からビシビシ感じてて、これはまさにディレクター冥利に尽きる時間でした。

デモがまとまってきた段階で今度はバンドでの具体的なアレンジ、そして実際のレコーディング。そのどの場面においてもプロデューサー田淵智也は完璧。a flood of circleが向かうべき方向性(というかそれは本来であればメンバーが目指しているものなんだけど、それを田淵くんが具現化してくれてる感覚)をスマートかつ柔らかく指し示してくれる。ゆえにメンバーも気持ち良く制作を進められていたと感じていました。

結果、とてもみずみずしい3曲が完成。どれもリードとして遜色がなかったので結果トリプルAサイドシングルにまで上り詰めた作品になりました。(実はシングルrecの段階ではこっそり田淵くんに「DEAR MY ROCKSTEADY」もアルバムに絶対必要な曲になるので、ぜひ入れたいと田淵くんに伝えていて、彼もそのためにアレンジもミックスも考えていてくれたのに、結果漏れてしまったんだよな・・・ごめんなさい。)

そのシングルを経て、メンバーの目線がとてもすっと前を向いたような感じがありました。こんなにスムーズ且つ、素敵な作品ができるのであれば、アルバムも田淵くんにプロデュースしてもらいたいと心底思ったんだけど、これ以上はユニゾンチームに負担かけ過ぎてしまうだろうという懸念と、アルバムという作品はバンドにとって最も大切なものなので、ここは田淵プロデュースを経たメンバーが自力で作る必要があると判断しました。

いわゆる田淵イズムを持ったメンバー、さらに「デモも良い曲山ほどあるし、メンバーのテンションもいい感じ」なので、スムーズにいくと思ったものの、、、、なんだかバンドは一旦ごちゃごちゃな状態になります。

バンドの意思疎通に引っかかりが発生している、というか具体的なイメージがまとまってないような状態。実際、テツが入ってからバンドが危機的な状態になることはもう無くなったので(というかそれまでは常に危機をはらんでいる状態だった、、、しんどかった)そういう意味では安心してはいたものの、メンバーがリハスタで言い合いをしたり、意見をああだこうだと言いながら決着がつかない時期があった。

ただ、インタビューとかでも佐々木が発言している通り、佐々木が舵を一気に切り出すタイミングがありました。今から思えば佐々木の中でその瞬間にこのアルバムのイメージが具体的に見えたんだろうと思うのですが、その後メンバーと話をして歩を進める状態に入ります。

メンバーがまとまらかった期間というのは、佐々木の脳みその中で世界のコンテンポラリーな音楽シーンとどう向き合うのか?それを探っていた期間とも言える気がします。この辺については今後の活動で色々と紐解かれていくので、今は言葉を止めておきますが、a flood of circleのアルバムとしてはこの4人の人間の力量が存分に発揮された作品するというイメージを固めたんだと。それこそが今のAFOCが体現するべきものなのだと確信したのだと思います。

ミュージシャンは正常な状態であるならば、常にゼロを1にする作業をしている人たちなので、言い方を変えればいつだって最初はゼロ。踏み出すには相当パワーが必要です。当然我々スタッフとも協議します(だって商売としてやっているから)が、絶対的に一歩目のアクションを起こすのはミュージシャンであります。そうあるべきだし。

そういう意味で、今佐々木亮介の宇宙の中には無数のゼロがある(ちょっと言い方が違うかも・・・)ので、どのゼロをとって1にしていくかの判断に時間が必要だったんだと思います。一歩目間違ったらかなり危険な状態(良くない作品を作ってしまう)になりかねないので。

決まってしまえば早いというかスムーズというか、ケツに火が付いたように制作は進行していきます。リハスタだったり、オンラインでのデータのやり取りなどで。その中でこの曲はクリックを使う、使わない、コーラスをどうするかどうか?それぞれの楽器のアレンジはどうなる?というジャッジもされていきました。この辺のまとまりがきれーいに見えてないまま録音に入ったので、佐々木が「まだ成長の過程」という発言をするんだと思います。

が、スタッフから見ているとバランスがちゃんと取れていると、結果枠にはまったものになってしまうので、ある程度変化前提というか完成形がばっちり見えてない方が、より爆発的な作品になると確信していたので、このくらいに時期からディレクターとしては周りををしっかり固めれば万事OKというプロジェクトになっていきました。メンバーの目は燃え上がっていたし。(元々佐々木がクリックを聞かないと決めたのもの爆発力やスリリングさを求めていたからだし。)

実際のレコーディングで大きな変化は(シングルタイミングからですが)エンジニアがサブから池内亮さんに変わった事。ドラムテックに藤井寿光さんに入ってもらった事。

池内さんに関してはシングルタイミングからやってもらっているのですが、アルバムとしては初。でもこの人に関しては増沢的に絶対的な信頼があるし、経験上a flood of circleには絶対に合うと自信がありました。大げさに言えば今回のアルバムはメンバー+彼の作品と言えるほど音のセンスは抜群です。そのくらいメンバーも信頼していましたし。

そしてドラムテックには藤井さん。これは僕にとっては大きな賭けでもありました。というのも元々藤井さんとは仕事をした事がありますが、このプロジェクトに藤井さんを入れようと僕が思ったわけではなく他のスタッフからの推薦というのもあり、最初は若干不安というかためらいがありました。

というのもドラムテックの腕は彼はプロなのは理解しているものの、もっと大切な

「なべちゃんとマッチするかどうか?」

という部分に不透明な部分があったのです。ドラムというのはメンタルスポーツのようなものなので、テクニックの部分とは別に人として合うか合わないかで、大きくプレイと音に出てしまうパートなのです。とても原始的な楽器なのでメンタルが大きく作用する。

ただ、おそらくこれは藤井さんの人間性というか包容力みたいなものだと思うのですが、僕の懸念など吹き飛ばすほど、なべちゃんとミーティング(という名の飲み会)や技術的にも沢山のアドバイスをしてくれて、結果どの曲も良い音に仕上がりました。

藤井さんのテックという部分も大きいのですが、彼が入る前の「13分間の悪夢」のタイミングくらいからなべちゃんのドラムの音が良くなったという手応えがあります。プレイ面でも無駄な力が抜けた演奏&アレンジになっていっているし、音も楽曲に対して欲しい音ってのをちゃんと表現できているというか。

先日ラジオプロモーションの時にラジオのブースからなっている「Center Of The Earth」を聴いて

「ドラムの音最高じゃん!」

と一人で胸躍る瞬間があったり。何か特別な変化が彼に訪れたわけではないと思うけど、やはりバンドが4人になってムードが良くなってきた事が影響しているのかもしれない。そういう意味でもやはりドラムはメンタルスポーツと近いんだろうな。

彼の変化のタイミングと藤井さんが入ってくれたタイミングがうまいこと合わさって今回のアルバムはできている。

話が逸れてしまった・・・というか、ここから元々メインにしようと思っていた各楽曲について書いていこうと思います。うーん、ここまででも長い、、、、、。

M1「Flood」
タイトルからも分かる通りのバンドの新たな名刺になる1曲。佐々木の中ではこの曲もリード候補だったはず。そんなことからか、Spotifyではこの曲がフックアップされ色々なプレイリストに入ってます。

この曲に関してリハスタで佐々木が「シーガルに似てるかなぁ」と言ってましたが、よくミュージシャンのいう“焼き直し”の感覚って、悪意味でのエゴだったりするしリスナーとしては全く別物として受け取っていることが多いと思います。そして例え焼き直しだとしてもそれが焼き直す前の曲より良い曲だったらそれで何の問題もなく最高なのです。

そしてそもそも僕には焼き直しには全く聴こえなかったので、ほぼ彼の意見は無視してた記憶もあります。

この曲はプロモーションタイミングで媒体先から「ドシャメシャでいい」という歌詞がしょっちゅう突っ込まれていました。元々ある単語だと思うんだけど、佐々木が歌うと強い肯定に受け取れるんだろうな、きっと。自分の身体の中にある希望を引きずり出してくれるような楽曲。

M2「Vampire Kila」
この曲も佐々木はリードにしたいって言ってたと思います。曲の中にいわゆる仕掛けが沢山あるので、キャッチーな仕上がりになっています。いつも思うのはなべちゃんが四つ打ちのビートを叩いても、全くもってダンスビートに聴こえない瞬間がある。この曲のその手の曲のひとつ。

トピックとしては久しぶりに歌詞でレコ倫から突っ込まれたこと。いわゆる四文字言葉を使っていて「変えられないのか?」「どういう思いで歌っているのか?」と偉い先生から注意があったんだけど、一切無視。「どう言われてもアーティストの意向ですので、変えるつもりはございません。」と担当に伝えたら、頑張ってくれて結果何のお咎めもなしでした。

M3「光の歌」
デモの途中まではこんな曲じゃなかったんだけど、ある日リアレンジしましたというメールに添付されていたアレンジで最高になっていたので「これはリード曲だ!」とデモの段階でメンバーにレスした記憶あり。歌詞も一切ない状態だったけども・・・。

そして、具体的に、最後の最後までリード曲候補でした。HISAYOもこの曲を推してましたが、僕もずっと推してました。(きよしくんも、同じようなことを言ってた記憶あり。)

曲が絶対的に良いというのもあるんだけど、この曲はタイトルが物語るように“光”がテーマになっています。今作には他の曲にも、光がモチーフになっていたり、そのまま光というワードが使われていたりして、この歌自体がアルバムのテーマにもなっている気がしました。

“光”なんて使い古された言葉だし2019年においては、すっかすかのキーワードなのかもしれないけどa flood of circleが体現する光にはしっかりとした意味があると思ったし、とても力強い前向きなイメージがあったので。

テツの軽快なギターもバッチリで、マジで今でもリード曲でもいいんだよーと思っています。なぜリードにならなかったかは後ほどまた説明させていただきます。

M4「Backstreet Runners」
個人的にこのアルバムで大好きな曲のひとつ。理由としてクリックを使わなかったから、めちゃくちゃな勢いがあるってのもあったりするけど、何といってもこの曲に関してはミックスが面白い。池内さん、素晴らしい。

いわゆる一般的なハイクオリティという意味合いでなく、非常にオルタナティブな狙いのミックスになっています。全部の音がモサモサしているというか、手触りがザラッとしててめちゃくちゃカッコイイ。

このミックスになったのは歌詞の世界観ってのも大きいと思います。佐々木がこの手の歌を歌わせたらめちゃ輝くってのもありますが、今の彼の心中お察しします系のブチ切れソングで、とても気分爽快です。

サビの歌がローピッチがメインなのか、ハイピッチがメインなのかわからないくらいのバランスにしたいと佐々木が希望していて、この混沌とした感じになっているんですがコーラスが沢山重なってて曲の魅力が拡がっているという。

また個人的になりますが、2:37くらいで佐々木が「オーライ!」と叫ぶブレイクがあるんですが二人分左右にパンされていて、めちゃグッときます。これ系のフェイク、佐々木さん絶品です。

ただ、ディレクターの苦労話としては、なべちゃんのフィルが難解すぎてどうやったらカッコ良く聴こえるか池内さんとずっとミックスに試行錯誤したってのがあります・・・。そして、これライブどうなるんだろか・・・。

M5「Youth」
この曲も全国のラジオ局のスタッフにお褒めの言葉をいただいた楽曲。ストップアンドゴーが繰り返される曲で、言われてみればa flood of circleになかったアレンジかも。そしてあの佐々木が

「頑張れ」

というワード使った所。(そしてそのあとに「言わないけど」と繋ぐあたりが、作詞家として素晴らしい。」

そしてこの歌のボーカルの聴きどころは弾き語りの「グレッチもアップルも」の「アップルも」の歌い方。このピッチ感じゃない歌いまわしは、録ってる時に「きたきたー!これこれ!」とときめいた。

具体的なことを歌えば歌うほど、聴き手のイメージが逆にどんどん拡がって普遍的になるというのが自分の持論なんですが、佐々木もインタビューで同じようなことを発言してました。

なべちゃんのツービートも上手になったもんだ。タイトル通り、若者に響いてくれると嬉しい1曲。

M6「ベイビーそれじゃまた」
この曲は明るい曲調に、この歌詞が乗っているという部分がすべてな気がしますが、見える風景が北欧っぽいというか、ポーグスのような雰囲気を演出するためにドラムの音とかチャレンジングなミックスになっています。佐々木さんが弾いたピアノもとても良いアクセントになっている。

あとレコーディングの時に何回かテイクを録る訳ですが、ラストのテツのアドリブっぽいフレーズは毎回毎回同じフレーズを弾いていたので、きっとテツは思い入れがあるフレーズだったんでしょうね。

余談ですが、この曲と近いイメージの僕が大好きな曲が候補としてデモが存在してたんだけど、結局この曲が入ったことによってアルバムから漏れてしまった。あの曲いつかレコーディングするんだよな・・・勿体なさすぎるぞ。

M7「美しい悪夢」
田淵プロデューサーによる1曲。実は元々この曲こそアルバムに入らない予定だったんだけど、(僕の中では「DEAR MY ROCKSTEADY」を入れたいと思っていたから。)例の渡邊総指揮のMVだったり、ライブでのこの曲も持つパワーを感じて、一転この曲こそアルバムに入れるべきだと半ば無理やり入れることにしたんだよな、確か。

主観的にレコーディングに立ち会っていたりするので、一旦シングル作品として世に送り出したあとに冷静に聴いてみると「何だこの曲?」って笑えるほどヘンテコな曲だなと思います。a flood of circleでしか成し得ない曲だと思うので、アルバムに入って正解です。

そしてこれはこっそりですが、ちょっとだけアルバム用にミックスの雰囲気が変わっているのです。細かいミックスを変えたのではなく、手触りみたいな部分。もっと言えばマスタリングもアルバム用になっている。そういう違いもマニアの方はどうか楽しんでください。

M8「ハイテンションソング」
この曲、実はディレクターとして最後の最後までタイトルがどーもしっくりこなくて何度も佐々木に「ハイテンションソング」じゃなくていいんじゃない?と突いていました。でも佐々木的には「なべちゃんが決めたし、むしろこのタイトルだからこそいいんだと思うんです」と。結果的には正しかったと思っているのですが、当初は違和感あったなぁ・・・。

さらに実はこの曲、アルバムの選曲から漏れるという話もあったものの「おいおい、こんな良い曲入れないでどうする!」という話に転じて最終的にはMVまで作るという下克上ソングでもあります。個人的にはファンクラブの皆さんに早朝から撮影に参加していただき、制作会社を入れてなかったので加藤マニ監督に色々と迷惑をかけながらの撮影になりましたが、増沢史上「加藤マニ作品の中で一番ライブシーンがイカすMV」になりました。演者として参加してくれたごりあての柿本さんはじめ皆さんにも感謝です。

いろんな意味で今までのa flood of circleになかった曲で、これもひとえにバンドのムードが良いから生まれ出たんだと思っております。

M9「Drive All Night」
この曲は今作の中でレコーディングを経て一番化けた=良い曲になった楽曲です。構造的にはいわゆる四つ打ちのトライバルビートを基調とした楽曲で、a flood of circleとしてはお得意のパターンの曲ではあるものの、イントロのキメとかは今のa flood of circleの4人だから生み出せたグルーヴだし、演奏もとても素敵。アクセントとして随所に入っているチープなハンドクラップ音もセンスが良い。

この曲は歌まで入れ終わった日にエンジニア池内さんと一緒に帰りながら話をしてたら、

「この曲がリードですね」

と言われた記憶もある。録り終わった後のスタッフ間の良い意味でのざわざわはメンバーは知るところではないかもしない。ただ、残念ながらこの曲もリードに選出されず・・・。

歌詞の内容も佐々木さんっぽさが存分に溢れてて「呼吸だけじゃ生きていられない夜だ」という言い回しとか佐々木流のキラーフレーズがてんこ盛り。ただ、車の免許持ってないけどな、佐々木。

M10「スノードームの夜」
このアルバム唯一のゆったりしたBPMでとてもロマンチックな楽曲。佐々木はこの曲もリードにしたがっていた。(という意味で今回は佐々木の元からのイメージをことごとくバラシていくという制作でもあったと思うし、佐々木もそれを楽しんでる風でもあった。)

ただ、この曲が唯一レコーディングの時にドラムの音がどうしても決まらず、チューニングを変えたり、セットを変えたりして何度も試行錯誤した記憶もある。なべちゃんも苦労していたな。

ミックスも普遍性を持ちながらフックが欲しくて、通常より歌をエフェクティブにしたりして世界観を構築しました。池内さんの歌にかけるリバーヴとディレイの具合はうっとりするくらい素敵。とっても良い曲。プロモーションだったりの媒体先の方がこの曲を絶賛してくれる場面に何度も出会った。

派生してなべちゃんとテツが本当にスノードームを作るという企画までになった、名曲。

M11「夏の砂漠」
この曲こそAFOC×田淵智也の真骨頂と言える楽曲。楽曲自体は佐々木の制作物ではあるものの、田淵くんが出してきたアイディアにはがんがん乗っかる形でアレンジが進んでいきました。

めちゃ佐々木っぽいとも言えるし、めちゃユニゾンぽいとも言えるハイブリット曲。ゆえに最初、出来の悪いディレクターは最初は?マークがたくさんあった曲でもありました・・・「サビの頭なんて言ってるの??」みたいな。

出来上がった曲をそれこそa flood of circleを知らない人に聴かせると非常に良い反応があったりして、新たな扉を開けてくれた曲になりました。

裏話的なことで言うと、ちょうどレコーディング中にジャパンに出るというタイミングで、僕はこの曲をライブでやった方がいいと思っていました。田淵くんも「ぜひぜひ」という感じだったので「田淵くんがやれって言ってるぞ!」とメンバーを焚きつけた記憶がある。さらに言うと元は転換のサウンドチェック中にやる?みたいな軽いノリになっていた所を田淵くんが「やるなら本編でちゃんとやろうよ」と言ってくれたのもあってセットリストに組み込むことに。

当日客席でこの曲が演奏されるのを見て「あ、この曲絶対良い曲だ」と確信を持ったものでした。(この日のライブは内容自体もとても良かった!)

M12「Center Of The Earth」
この曲はミックスの際にドラムの音とボーカルのバランスで結構苦労した。

ここまで書いて来て今更レコーディングの仕組みの話になりますが、このバンドの制作進行としてメンバーに聴かせる前に僕と池内さんでミックスを一度仕上げて、それをメンバーがさらに修正してトラックダウンという流れになっています。その、メンバーに聴かせる前の段階でどうもしっくりこなくて池内さんにああだこうだと調整をお願いした。おかげさまで最初の頃に書いたようににドラムの音最高にカッコよくなったけど。

この曲はとにかくスケールがでかいのでドラムの音がしっかり鳴っていないと枠が保てないというか、ただ長い曲に聴こえてしまう可能性があったし、歌も同じ。明るく太くないと、感動できない。軽快かつどでかいスケール。包み込むような優しさを感じながらも胸を締め付けるような気持ちになる名曲にしたかった。

そのおかげなのか何なのか、テツが泣いたという面白エピソードが生まれ結果この曲がリード曲になった。
あの時、テツが泣いてなかったら本当に選ばれなかったかもしれない。バンドってそういう所も楽しいものだ。

テストで100点を取るのが目的ではなく、どれだけ答案の裏に面白い絵が描けたか?みたいな。(・・・これも違うか。)他のリード曲候補に申し訳ないような気もするけど、その曲たちにはライブでガンガン輝いてもらいましょう。

テツのギターフレーズもバキバキにジャストじゃないけど、顔が見えるプレイになっててとてもグッド。ソロもアウトロも素敵。

とここまで一切HISAYOの話が出てきておりませんが、はっきり言ってa flood of circleの楽曲において僕はHISAYOに注文をしたことはほぼ、というか全くないと思います。そのくらい彼女のベースは素晴らしいし、今回も全曲素敵。その証拠にいつも僕はミックスでとにかくベースを上げたがり、姐さんがいっつも「ベース大き過ぎません・・・?」と不安がるという現象が起きます。本人に言うと嫌がりそうですが、箇所箇所でベースが目立つように大きくしてたり、その辺はばっちりHISAYOというベースをa flood of circleの芯として考えています。マジで「蛇でも這ってるみたいな音だなぁ」とか「姐さんの笑顔が目に浮かぶようなプレイだなぁ」って感心してます。

・・・あぁ、長い。しかもまだもっと書きたいこともあったんだけど、さすがにこんなテキストもう読めないだろうし、この辺で。

ここまで読んでくださった皆様へ。ディレクターとしての僕の願いはあくまでこのCD(配信)が売り上げることなので、もし気になった方はお金を払うアクションをしていただければと思います。非常に個人的な意見で恐縮ですが、感動に対して対価を払わないと人生は貧しいものになってしまうと思っていますので。

どうか多くの人にこの作品が気に入ってもらえますように。

・Amazon.jp
http://ur2.link/lnV1
・Tower Records
http://ur2.link/wiTB
・HMV
http://ur2.link/lWd7
・iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/1011429902
・AppleMusic
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・レコチョク
http://recochoku.jp/album/A1011429902/
・LINEMUSIC
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・KKBOX
https://www.kkbox.com/jp/ja/album/tH6q.KVEgNzlc0F2w0Tc009H-index.html
・うたパス
http://au.utapass.jp/channel_detailLY-YJJuIUkVZyMJA5A.php

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