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重要なのは「政策の宣伝」ではなく、「姿勢を見せる」こと

「2023年までに時価総額1,000億円以上のユニコーン企業を20社輩出する」ことを目指す、経済産業省のスタートアップ企業支援政策J-Startupプログラム

「世界で戦い、勝てるスタートアップ企業を生み出す」という共通のVISIONに向けて官と民が手を組み歩んでいくための戦略を、NEWPEACE thinktankが策定しました。

そして、 J-startupの取り組みを発信する第一弾として、ロンブーの田村淳さんらをモデレーターとして、官僚と若手起業家がスタートアップの未来についての議論を交わす動画を制作、YouTubeに公開しました

映像は、NewsPicksのWEEKLY OCHIAIの制作・監修をつとめるHybrid Factory。見応えのある映像に仕上がっています!
Full版はこちらからご覧いただけます

起業家が望んでいるのは「スタートアップ推進政策の宣伝」ではない

ユニコーン企業の輩出を目指す「J-Startupプログラム」。
経産省・NEDO・JETROの3社からなる事務局の皆さんとともに「ユニコーン企業の輩出のためには、どのような支援政策が望ましいか」という視点から、調査や検証を進め、課題抽出・戦略提案を行ってきました。

※以下は増沢の個人的な考えになります。NEWPEACE thinktankやJ-Startup事務局の考えではありません

調査では、「コロナ禍に活用できるベンチャー向けの助成制度」や「海外人材の採用時のビザ手続きの簡易化」などの個別具体的な課題や要望も見えてきましたが、それ以上にぼく個人が大事だと思ったのは、スタートアップから日本を盛り上げるという「同じ目標に向かって進んでいこうとする姿勢を伝えること」でした。

官民を分断する、残念なズレ

ベンチャー起業家たちも経産省の皆さんも、「ユニコーン企業を輩出していく」=(新しいスター企業を生み出し、日本経済を発展させていく)という共通のVISIONを持っています。しかし、インタビュー調査を進めていく中で、視点のズレが生じていることが見えてきました。

経産省は「起業家を応援したい」と思い、支援政策を充実させ、実際に役立つものもたくさん存在しています。しかし、起業家たちは「自分たちで成長していくぞ!!」といったある種のベンチャースピリットを持っているケースが多く、誰かに頼る(行政の支援制度に期待する)という発想は、あまり強くないようでした。

そして、「行政の支援」と聞くと、「書類が多そう」「窓口でたらい回しにされそう」や、「顔が見えない」「困った時の相談相手として、思いつかない」など、ややもすればネガティブな印象を持たれているかもしれません。

図.001


裏テーマは「官僚の熱量」を伝えること

過去のnoteでも書いた通り、官僚や公務員の方々と一緒に仕事をしている立場からすると、こんなに残念なことはありません!

官僚や公務員の皆さんは、高い専門性と熱意を持って、仕事にあたっています。ベンチャー支援制度を作られている方々も、スタートアップを理解する先進的な姿勢やカルチャーを持ち、そして「日本経済の未来をどう作るか」というマクロの視点な持った、とても素晴らしい方々です。

そのため、「ユニコーンを輩出する」という目標の実現に向けては、活用しやすい有用な支援政策を増やすとともに、

官僚も起業家も、同じVISIONを持って、取り組んでいるんだ!」という姿勢をベンチャー界隈に伝え、官民のコミュニケーションを起こしていくことが大事ではないか?

官民のコミュニケーションが生まれることで、VISION実現に向けたスピードが加速していくのではないか?

そんな想いから、映像制作を行いました。

図.002

官僚と起業家が、同じ場・同じ視点で議論し合う

今回選んだのは、「討論番組」のようなフォーマットです。
官僚と若手起業家がスタートアップの未来についての議論を交わしています。

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誤解されてしまっている「官僚は顔が見えない」「事務的で体温がない」「想いが伝わらない」「コミュニケーションがない」といったディスコミュニケーションを払拭すべく、J-Startup事務局の官僚の皆さんに出演いただきました。

通常、行政が作る映像では、ここまで官僚の方々が表に出るものは少ないと思います。しかし、「表に出て、同じ場・同じ視点で、フラットに、議論し合う」ことによって、官僚の皆さんも、「同じ目線を持っている!」「ベンチャー界隈の仲間なんだ!」「コミュニケーションできるんだ!」と伝えていきたいと考えています。

もちろん、内容も分厚く、見応えがあるものです。
デロイト トーマツ ベンチャーサポート代表の斎藤さんの俯瞰的な視点からの的確な進行、ロンブー淳さんの分かりやすい噛み砕きと翻訳は、さすがでした。

政策と官僚にリスペクトを。官民融合を生み出す

「官民融合」を目指すNEWPEACE thiktank。コミュニケーションやPRの視点から、官民融合を進めていますが、今回のプロジェクトを通してぼく自身も大きな学びになったのは「政策や取り組みを伝えることだけが、ゴールでははない」ということでした。

一方的に宣伝するのではなく、「同じ目標を持っている」「コミュニケーションしたい」と伝えることで官民融合を生み出し、VISIONの実現に向けて、ともに歩んでいく土壌を作っていく。

そのためには、官僚の皆さんの姿勢を見せていくことが大事だなと改めて認識させられました!

そんなNEWPEACE thinktankでは、ご相談をお待ちしております!コミュニケーションに限らず、官民融合を生み出すための調査・提言・企画・PR戦略などなど、幅広くご提案いたします!
ご相談はこちらから↓↓

https://thinktank.newpeace.jp/
また、公共から社会変革を起こしていくプロデューサーも募集しています!詳細はこちらから↓↓
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