難しいこと、わかんないけど、ワインって楽しいね!~ ワインビギナーと行く、TOKYOワイン散歩 ~
こんばんわ!(^O^) みなさん、ワイン、飲んでますか?🍷 3000円ワインの民、ますたやです♪
さてわたくしますたやは、週末ごとに #ワ活 に励む、勤勉なワ活びと。
つねに酒税の納税とおいしい3000円ワインを飲むことに、全力でのぞんでいます。
そんなわたしのワ活に、実はこの週末、ゲストが参加してくれました!
それが、なにを隠そう、わが妹氏でございます。
都内の某大手小売サービス業勤務の妹氏(30代)。基本カレンダー通りのわたしとは、普段なかなか休日がかぶりません。
そもそも仕事が生きがいの彼女に、有休消化という名の暇が与えられたのは、週末も押しせまった先週の金曜日。
妹氏から「暇。遊んで」という連絡が来たときには、すでにわたしのワ活スケジュールは埋まっていたのでした。
「えっと… ワインを飲みながら東京を散歩するけど、それでもよければ、ついてくる…?」
「行く」
ということで、忙しい彼女と連れ立って、週末TOKYOワイン散歩に出かけることと相成ったのでした。
ところで、わが妹氏は、ワインについてはあまり詳しくありません。あまり、というより、ほぼまったく知りません。
飲むことには飲めるのですが、それはアルコール全般に言えること。基本的に、出されたお酒はなんでも飲むことができる彼女に、好きなお酒を問うと、間髪おかずに「焼酎」とかえってきました。そうかい。
そんな楽しい酒好きである妹氏を、本格的なワイン行脚に連れ出すのは今回がはじめて。
せっかくなのでわたしたち夫婦とともに、スタンダードコースへとお連れすることにしました。
どうなることやら…
1軒目
寒空の土曜日、午後3時。まずは恵比寿駅の君嶋屋さんにて待ち合わせです。
こちらのお店、日本酒とワインが半々ほどのスペースで取り扱われている、お酒の専門店。ほかのお店ではあまり見かけない珍しいワインや、手に入りにくい日本ワイン、ニッチな産地のワインなども置いてあり、見ているだけで心躍るとても楽しい空間です。
そしてこのお店の半分ほどが、スタンディングバーになっています。その日にあいているワインを、グラスでたしなむことができるんです。なんて楽しい。のっけから最高じゃん。
さて、しげしげとワインを眺めているところに、妹がやってきました。
それぞれにワインを頼みまして、本日のワイン行脚、乾杯からスタートです!
わたしはドイツのシルヴァーナーを、妹氏はサンジョベーゼのロゼを飲むことに。ロゼは薄い桃色で、光に透けてとってもきれい。
「わ、おいし」とつぶやきながら、なんだか首をかしげている妹氏。ここで妹氏から、ひとつの疑問が投げかけられました。
「これ、あまい… 気がするんだけど、“辛口” なんでしょ?」
妹の差し出すグラスからひとくちもらうと、たしかにそれは ”辛口” に間違いありません。
「でも」と、妹氏。
「やっぱり、あまい気がする。飴みたいな、いちごみたいな香りがする。なんか、ワインの甘口と辛口って、よくわからん」
なるほど! 確かに。
わたしは彼女の言葉に、小刻みにうなずきました。わかる。
「辛い」って、日本語のなかでは「とうがらし」や「わさび」に使われることの多い言葉。つまり “刺激のある味覚” に対して、もちいられることが多い言葉なんですよね。
その印象があるなかでの、お酒の「甘辛表現」。これ、よくわからなくなってくるのって、すっごくよくわかります。
実はわたしも、身に覚えがあります。
かつて、今ほどワインを飲み慣れていなかった頃に、ワインショップでソムリエとこんなやりとりをしたことがありました。
「あまりワインを飲みなれていないひとでも飲める、甘い赤ワインをください」
するとソムリエは、こんな風に答えたんです。
「赤ワインって、甘いものは基本ありません。ただ、ドイツで造られている赤ワインで、唯一 ”甘い” といえるものが、こちらです」
ほほー??わたしはすこし混乱しながら、おススメされたワインを持ち帰ります。
わたしの頭のなかには明確に「甘い感じの赤ワイン」のイメージがあったのですが、どうやらそれは「基本、ない」様子。どういうこと?
実際に飲んでみたわたしは、正直ちょっと面食らいながら、なるほどと思いました。これがめちゃくちゃ、本当に「甘かった」んです。
確かに「甘い感じ」のが欲しいとはいったけれど、なるほど、これを「甘い」というのなら、それは、私が言いたかったイメージとは違うぞ…!
つまりワイン界における「甘口」って、「(一定以上の)残糖がある」ことを差す言葉。
あまいフルーツの香りがするからといって、それを「甘い」とは表現してくれないのです。な、なんて難しい…っ!
そして、この「(残糖ありの)甘口」の対義語になっているのが、「辛口」という言葉なんですよね。
つまり「辛口」って、結果的に「辛口」と表現されてしまっているだけで、いわゆる「刺激のある辛さ」とは、全然趣が違う。
・・・などというまどろっこしい翻訳を、一瞬で思い描かなきゃいけないなんて、ワインってのっけから難易度高くないスか…?!
まだ首をかしげている妹に、わたしはこんな風に伝えてみました。
「要は ”辛い” じゃなくて ”ドライ” なんだよ。実際、辛口っていわれても、甘さを感じることはある。それは、香りもそうだし、酸味が弱いものを甘みとして感じたりもするから。でも、それはドライだけど、甘みを感じるんであって、ワイン的な甘口ではないんだよね。たとえばビール、スーパードライってあるでしょ? ビールは辛くはないけど、でもやっぱり、ドライ、辛口でしょう?」
スーパードライの説明のあたりで、「なるほど!」となんとなく納得する妹。ちなみにこれが、わたしのなかでいったん納得している、「辛口」のとらえかたです。
うん、でも、ワインの「辛口」に関してはわたしも、頭のなかで「いったん概念を置き換える」感覚がいまだにあります。
そんなことをあらためて考えさせてくれる、楽しい酒好きの妹氏。
なるほど?これは、楽しい行脚になる気がしてきたぞ…?
2軒目
さてお次は恵比寿駅から歩いて5分少々、恵比寿ガーデンプレイス地下1階にあります、みなさんご存知ワインマーケットパーティさんへとお邪魔いたします。
ワインマーケットパーティさんは、世界各国のワインはもちろん、ワインにまつわる雑貨や書籍、おつまみやチーズまでそろった夢の国。まさにワインのワンダーランドです。
今回は時間の都合でできませんでしたが、おいしいワインのテイスティング(有料)までできちゃう、ワイン好きの天国が、ここ、恵比寿にあります。
ここでは夫と二手に分かれて散策をはじめました。
夫はワインコーナーへワイン狩りに、わたしと妹氏はワイン雑貨コーナーへウィンドウショッピングに向かいます。
そこには、おしゃれ女子の心を惹く可愛い雑貨や、酒好きの心をつかむおつまみ、めずらしいチーズなどがそろい踏み。
「そういえばグラス欲しかったんだよね~」などと言った妹氏が、そのガラスの薄さに衝撃を受けたりといった楽しい時間を過ごしていました。
そしてここで妹が、人生における重要な気づきを得ることになります。
その啓示は、ワイングッズを見ているときに突如としてやってきました。
わたしがカラフルなワインキャップを手に取り、眺めていたときです。
うーん、やっぱり空気は抜くほうがいいかなぁ…でも逆に空気に触れさせるほうが酸化の速度は速まるわけで…などとぼんやり考えていたわたしに、妹が「おねえちゃん…!」と、重大な声色で話しかけてきました。どうした。
「ねえ、ワインって… 1回で飲み切らなくて、いいのね…?!?」
・・・・・ワインって、1回で飲み切らなくって、いいんだよ!!(大声)
どうやら、キャップを見ているわたしを見ていて、「キャップがあるってことは… ワインを残してもいいってこと…?!」と、気づいたらしい。
まさかの妹氏、あけたワインをその日中に飲み切らなければならない呪いにかかっていた模様。
確かになんかさっき、「ワインをお土産にもらったんだけど、独りで飲めなくなーい?」とか、言ってた。言ってたわ。
独りで飲むの寂しいとか、味が好みじゃなくてとか、そういう話かと思ったら、単純に量の話だった。そりゃ飲めないわ。
独り暮らしの妹氏はこの日、あけたワインをその日中にひとりで飲み切らなくてもよい、という、神からの素晴らしい啓示を受けました。
まじで大事すぎる気づきができ、妹氏のワインライフのレベルが急に2くらいあがった気がします。
さすがバッカスにもっともちかい場所、ワイン好きの天国、ワインマーケットパーティさん…!
ちなみにその後合流した夫は、嬉しげに中国ワインを手にしていました。
ニッチかよ。(最高)
3軒目
さてお次は、恵比寿ガーデンプレイスからさらに歩いて5分ほど。カナダワイン専門店、ヘヴンリーヴァインズさんへと向かいます。
こちらのショップには、わたしたち夫婦も初訪問。おいしいカナダワインがそろっていると聞き、訪問できる日を楽しみにしていました。
あかるい光のこぼれる扉をあけると、お店の奥からカナダ人の店主の方がにこやかに出て来てくださいました。
「お店は初めてですか?」「初めてです…!」
店内には、所狭しと200種類のワインが並んでいます。これ、全部カナダワインなんですってよ…!ひえー、すごい!たのしみ!
店主の方はとても気さくに、丁寧に、カナダワインのご紹介をしてくださいました。
一緒に地図を見ながら、しばしカナダワインのお勉強タイム!
そんなことを、ひとつひとつ、とてもゆっくり丁寧に教えてくださいました。ひえ~、楽しい!
さらには、カナダのジンの試飲もさせてくださいます。妹は隣で「わ、ボタニカル…!」とつぶやいていました。わかる。ボタニカルだけど、優しく綺麗な風味。あと、あったまる。外、寒かったですし。
「夜にちびちび飲むのにいいね」とは、妹氏、さすがの酒好きの本領発揮。わかる。
ここでは白と赤の二本を購入し、店主ににこやかに見送られてお店をあとにしました。は~、楽しい時間だった。
たくさんの新しい気づきがあって、思わず妹氏のことも忘れてキャッキャしてしまった。妹氏、大丈夫だったかしら。
「店主がイケメンでよかった」
それは、よかった…!!
4軒目
そして最後は電車に乗って人形町へと移動します。
今半のコロッケを食べたり、オクシタニアルさんのマカロンを買ったりしながら、向かったのは、南アフリカワイン専門店のアフリカーさんです。
ここは記事でも何度か登場しておりますが、わたしたちがお世話になっている、行きつけショップのひとつ。新年のご挨拶もかねて、お邪魔してきました。
さて、よもやま話などしながら、ハッピー試飲マシーンでいつものように試飲させていただいていたのですが、
左端のソーヴィニヨンブランを飲んだ妹氏が、ふと「癒される…」とつぶやきました。ん、癒される?
「なんか、森みたいな香りする。自然みたいな感じで、ほっとするね」
・・・・・・・す、素敵か…っ!!!
なるほど確かに、ソーヴィニヨンブランの「チオール香」、よく葉っぱや草原の香りにたとえられますが、それを「自然派の香りで癒される」とは、めちゃくちゃ実感をともなった体験的な言葉。
は~、すごい、いいなぁ。本当に、なんていうか、その通りだよ!と心のひざを打つわたし。
ついつい「ソーヴィニヨンブランらしい品種特徴香が出ているね」などとコメントしがちになっている自分の、襟元を正した妹氏の感想でした。
ワインを自分の「体験」として感じ、自分の言葉で共有すること。
その尊さと、おもしろさ。そんなことにあらためて感じ入ります。
いやあ、おもしろかった。これ、いろんな人のコメント聞いてみたくなるなあ…!
番外編
さて、日もとっぷり暮れ、お腹もへってまいりました。
せっかくなので買ったワインを一緒に開けようと誘い、我が家に連れ帰った妹氏ともに、即席のワインパーティを開くことに。
いただいたのはこちら。ヘヴンリーヴァインズさんから、カナダのカベルネフランです!
13thストリート カベルネフラン 2018 [¥4070]
<ワインdata>
国:カナダ 種類:赤ワイン 品種:カベルネフラン ヴィンテージ:2018 生産者:サーティーンス・ストリート・ワイナリー インポーター:Heavenly Vines
<バランス>
酸味:★★★☆☆ タンニン:★★★☆☆ 香り:★★★★☆
こちらは樽熟をせず、すっきりと仕上げたタイプですよ、とご紹介いただきました。外観は美しいルビーレッド。なんだか宝石みたいな色。
グラスに鼻をちかづけると、いちごやチェリーのような可愛らしく甘やかな香りがのぼってきます。
それらを包み込む、すっきりとした酸味。飲み口は一見軽やかで優しいですが、飲み込むときに喉の奥でしっかりとタンニンを感じます。
チャーミングかと思いきや、意外と芯が通った優等生。食事にも負けない力強さも秘めていて、なるほどこれは、とってもおいしい!
しかも店主さんからの説明どおり、これがぜんぜん青臭くないんですよ…!
カベルネフランって、いわゆるピーマン香と呼ばれる香りが強いことがあって、わたしはそれも大好きなのですが、
このワインからはむしろお花やフルーツのかわいい香りのほうが感じられ、上品なガメイかな…? というか、フルーツ感の強いピノノワールかな…?というか、なんだかちょうどその間のような、クリーンでフレッシュな風味がしていました。
これ、なにかに似てる…と思っていたら、なんかオーケストラの演奏みたいって思いました。
オケの楽器ってすっごいうまいひとが吹くと、「なんの楽器か」の区別がつきにくくなることがあるんです。
たとえば、すっごいうまいクラリネットと、すっごいうまいトランペットって、オーケストラのなかで聞くとときどき聞き分けができない。
そんなことある?金管と木管なのに?って思うんですけど、音って「波形」なので、実際その震えが似ると見分けがつきにくくなるんですよね。
このカベルネフランもそんな感じで、「ガメイと、ピノノワールと、そのあいだ」みたいな、でもそれは、この子が無個性といっているのではなく、それこそがこのカベルネフランの美しさとでもいうような、
そんな凛とした風格を漂わせる、とっても魅力的な赤ワイン。
いやあ、カナダワイン… 深淵だなぁ…!まだまだ、勉強しがいがありそうですね!(=まだまだ飲みたいですね!、と同義)
どうやら妹氏も、おいしく飲んでくれた様子。
「へ~、ワインっておいしいね!」というコメントまで頂戴いたしました。冥利に、つきる…!!
ところでここで、妹氏がふと疑問を投げかけました。
「あのさぁ、ずっと思ってたんだけど、なんでワインショップのひとたちって、みんな地図とか土地とかの話ばっかりしてたの?」
・・・どういうこと?
「だって、このワインの味とか、どういう香りとか、そういうこと全然言ってなかったのに、なんでお姉ちゃんはこのワインを選ぼうと思ったの?ふつう、ワインの味とか紹介するんじゃなくって?」
・・・・・・確かに!!!!(爆笑)
そうか、妹はあのイケメン店主の話を聞きながら、『このイケメン、すげぇ地図の話ばっかりするやん…』って思ってたんだね…!
ごめん、確かにあのときわたしたち、地図情報でキャッキャしてたもんね…!
ひとしきり笑い、いちおうその意味を説明するわたし。
「ええ~!あのとき、そんな高度なことをお互いに話してたってこと?!」と驚く妹。
でも――
「今日、楽しかった?」
「うん!難しい話はわからなかったけど、ワインって楽しいね!」
妹氏の笑顔に、100億点!!!!!!
姉冥利、そして全ワインラバー冥利につきる素敵なお土産の言葉をいただき、ワイン行脚の夜はふけていったのでした。
いつもはつい自分の思うまま、夫婦ふたりでワ活に出かけるわたしたちですが、ときにはこうして「誰か」と楽しむワインも、すっごく楽しい!
わたしたちがビギナーだった頃のことも、ちょっと思い出したりなんかして。
おかげでわたしのなかにも新しい風がたくさん吹いて、またワインのことが一段と好きになりました。
こんな風に誰かと「好き」を共有するのって、本当に幸せなことだなあ…!
みなさんともまたぜひオンラインで、そしていつかはオフラインで、一緒にワ活ができると嬉しいです♪
その日までこれからもせっせと、おいしいワインを飲んでいきます!
今宵のみなさまにおかれましても、どうぞそれぞれに楽しい夜をお過ごしくださいませ!^//^乾杯!🍷
それではここまでお読みいただいて、ありがとうございました(^○^) また次のワ活か3000円ワインにてお会いしましょう♪ 3000円ワインの民、ますたやでーした!
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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。3000円ワイン以外のワインについては、Vinicaにて夫が更新中。2021年、夫婦でJ.S.A.認定ワインエキスパート取得。これからもおいしいワイン、いっぱい飲むぞ~!
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