詩 白煙
夜12時半。
眠気が襲う中、音が鳴った。
「遅くなってごめん」
もうダメかと思っていた。
だけど、忘れずに連絡してくれた。
アナタが知らせてくれなかったら、どうなっていたのだろう。
この音だけで、どんなに私の不安が和らいだことか。このまま、覆い隠してくれないかな。
白い煙のように。
だけど、その音はだんだん鼓動する心臓のように、私に強く訴えかける。
「早く手に取って」と。
手に取った瞬間、白い煙は収まった。
なんだ、こんなものか。
キミは案外、そっけないんだね。
まあ仕方ないよね。
自然現象なんだもの。
そう言いながら、かけていたのは言葉ではなく、お湯であった。
また会おうね。
キミと会える3分後のその時まで。
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