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物語「ポストモダンガール」④
「生きがいか…」
男はタバコを吸う。
「なんでそんなに頑張るのかね?」
と呟く。
男にしてみれば、人間が色々と悩みを持つことは馬鹿らしい以外の何物でもない。
そりゃそうだろう。なぜならその男、
人生2週目だからである。
生まれて、学校に行き、働いて、生を全うする。かつて全て経験したことだ。
したがって、男は知っている。
「人生何とかなること」を。
人生を一度経験した男は、万物を俯瞰できる能力を手に入れた神の如く、君臨する。
しかし、男は第二の人生に退屈しているようだ。
それは男が見ている人たちが「人生1週目」だからである。
男と彼らとでは、人生について認識のギャップが全く異なるであろう。
男は退屈する。
「なんでこんなに頑張るのかしらね?」
隣の女が吹く煙が宙に舞う。
「これは経験したことがない…」
男はまた呟く。
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