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用水脇の片隅に見つけた春。 陽の光を感じ 風に吹かれ 青い空を見上げて 春の訪れを知る。 非日常が巣食う日常か、 日常の向こうに孕む非日常を掬うのか。 人の「不安」が世界経済を動かす。 ならば、人の「平穏」がもたらすものは何だろうか。 目の前に芽吹くものを愛おしむ。 たったそれだけの気持ちがもたらすものは。 昨日射す陽が慈陽であればいい。 今日降る雨が慈雨であればいい。 明日吹く風が滋養になればいい。 そう祈る。
「聴く」ことの深さを。 「問う」ことの重さを。 「視る」ことの広さを。 自分の五感を開示して。 持てる力を投入して。 全神経を傾ける。 だけど。 それでも。 なんと微力な自分であることか。 落ちる私を、 落つる夕陽が宥めて、慰めて、沈む。 明日、晴れたら、いいな。