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女装観の話 -高く帆を上げよ-

わたしは男性だが、化粧して、ロングのウィッグをかぶって、服はレディースを着て出歩く習慣がある。いわゆる女装男子と世間で呼ばれる立場をやっている。
なんでそんな奇妙なことをやるのか。そういう話をしていきたいと思います。

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なんで女装するのか

かなり昔、それこそ未就学児だったころからやりたいという思いはあり、5年ほど前に離婚したことを機にスタート。
そういう性癖だった…ということもあったが、秋葉原にある女装コンカフェに行ってみて、かなり綺麗に女装しているけど話し方はめちゃくちゃ男性であるキャストを見て、これになりたい!と思った。
同い年だった彼はだいぶ前にコンカフェを引退しており、おれが女装を始めたことを知らない。今どうしているのだろうか。お客にわかるくらい後輩にパワハラするやつではあったが…。
というわけで、確か2019年2月、イベントバーエデンで「離婚記念バー」みたいなのをやり、そこで人前で初めて女装した。以後、コロナ前は頻繁にメイド服着てバーイベントに立ったりしていた。

どこにでもこれで遊びにいきます。新宿ゴールデン街だったりエスエムバーだったりその他普通のバーだったり。普通のマッチングアプリにもA面(※女装男性の女装の状態のこと。男の状態はB面という。before-afterなのか?)の写真を載せ、女性と会ったことも何回もあります。仕事関係の人以外は基本的にみんな女装していることを知っている。

女装という性別

女装すると、精神性はより男性的になっている気がする。自分の中での男性性の総和が決まっていて、見た目を女にすると精神はオスに振ってしまうのか??
声、ふつうに低いんですけど、飲み屋とかで一言喋った瞬間に?!という反応をされるのが一番楽しい。あんまりいい趣味とはいえないので行儀よく飲むよう心がけねばね。
歌を歌っています。クラシック声楽の先生についている。情熱的に女を口説く男の歌ばかり歌っている気がする。

桜塚やっくんをやろうとしている、という説明は良くします。10周忌のときに追悼ポトレを撮ったりした。偉大な先輩です。墓参りにも行った。

https://note.com/masumi_paulo/n/nf3b847bfc687

高く帆をあげよ

女装、めちゃくちゃ快適です。良くも悪くも例外的なキャラクターになれるし、出オチとして優秀なので酒場を歩くには最適解だとおもっている。
しかし、これはオカマとしてテレビに出て、女装という種類の人間を知らしめてくれたような先人の努力によるところが大きいわけです。おれなんてその上澄みでフヨフヨしているに過ぎないとおもうのです。その人たちの真摯な闘争に失礼なことをしてはならないなと思う。
あと、普通に男性や女性としてやっている人たちが世の中を通常運行をしているからこそ、担保される立ち位置であるよなって。ジェンダー平等がうたわれる世の中でも、やはり生き物として男女は違うし、そのわかり合えなさからみんな苦労している。
オイシイ立場に甘んじていると、その生ぬるさが面構えに染み出してしまうと思うので。顔に何塗っても薄気味悪くなってしまう。何者でもない人生もちゃんとやらなくてはならない。

先人とのつながりを感じ、違う立場の人の価値観に触れ合う機会にめぐまれ、わたしにとって女装って、風を受けて前に進むための帆みたいなものだったなっておもう。まだまだ外へ外へと出会いを求めていきたい。
あなたの旅路も、どうか楽しいものであるように。嵐の日があっても、また会いましょう。ボンボヤージュ!

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