このろくでもない、すばらしき世界に vol.2

非常事態宣言が出され、政府や都の外出『自粛』要請に応える形で、街から賑わいが消えた。

そしてそんな街を「異様です」でも言うように繰り返しレポートするメディア。

いやいや、違うだろう。非常事態宣言が出たのだから、そもそもが「非常時」なのだ。通常モードであれば、それこそ「異様」なのだ。

そんな「異様」な『主観』報道ばかりの日本のメディアには違和感を感じる。

これもまた『主観』であることを承知の上だが、メディアにはぜひ、その "人が消えた街" の誰が見ても分かる「異様さ」をバカのひとつ覚えのように伝えるのではなく、そんな街が生まれた背景に焦点をあてて、私たち一人一人が考えるべきこと、やれること、を想起するような、そんな報道をして欲しい。

そして、"人が消えた街 " の一方で、いわゆる「地元の商店街」が賑わいをみせているという。事実、お昼のピークを過ぎただろうと思って向かった近所のスーパーの人出が想像以上で、出直そうかと考えたぐらいだった。

感染拡大の防止に、どれだけの人たちのどれだけの犠牲があるのだろう。大半の人が何かしらの我慢を強いられていることも確かだ。だからこそ、「非常時の今」がきっと報われることを切に願う。多くの人たちの「自粛」と、多くの人たちの「意識」によって、終息に向うのだと。だからこそ、そんな「犠牲」と「我慢」を強いている人々に感謝せずにはいられない、そんな報道があってもいいのではないか。


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