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3年ぶりの開催!!長良川WWF振り返りと与太話

お久しぶりの投稿です。

10月8日〜10日に開催された長良川WWFに出場しまして、感じたことを書いてみようと思います。

古くは世界大会にインスパイアされた国内で唯一の4種目を実施する大会だった。

この大会の歴史は意外と長く、27回目を迎えました。

今でこそ、リバベンや日本選手権などレースラフティング4種目を1つの大会で全て実施するレースが、年間に幾つかありますが、過去には長良川WWFだけが4種目を行う大会だった時期があります。

そういった意味で、国内のレースラフティングの競技性向上に大きな意味のあった大会であったと思いますし、この大会に特別な思いを持っている選手も多いと思います。

台風の被害とコロナに悩まされた3年間

大きな転機となったのは2019年です。
大会直前に台風19号が発生し、大会の前日〜当日にかけて東海地方〜関東地方を直撃しました。

幸い大会会場の周辺では、大きな被害も無くスケジュールを変更しながらも大会の開催自体は出来ました。

ですが、交通網に大きな影響が出たこともあり、参加をキャンセルするチームが相次ぎました。

大会参加申し込みをされて方へ 大きな台風が近づいています。 本日の実行委員会では、台風対策を考えながらもいかに安全を確保しながら、開催準備や大会を行なっていくかを話し合いました。 水位や気象情報による中止基準。水位によるコース変更やその際の...

Posted by 長良川ホワイトウオーターフェスティバル on Thursday, October 10, 2019

そんな中大会側はキャンセルしたチームへはエントリー費の全額返金を実施しました。

選手側には非常にありがたい対応でしたが、大会自体は事前準備にあたり支払っていた費用もあり、大きく赤字になったと後からお聞きしました。

その後に関しては、皆さんも記憶に新しいと思いますが、2020年から流行した新型コロナウイルスの影響もあり2020年、2021年大会は中止となっています。

正直、大会自体な無くなってしまうかもしれないと思っていました。

3年ぶりに長良川WWFが戻ってきた

そんな中8月になり、実行委員会が大会開催に向け準備を進めているとの発信がありました。

例年通り9月にはエントリーが始まり、多くのチームのエントリーがありました。

ラフト6人乗りを主とした大会自体、2019年の本大会以来なので実に3年ぶりです。
学生チームの選手も多くの選手が長良川WWFに参加するのは初めてという声を聞いて驚きましたが、3年間と聞くと納得です。

経営的なことを考えるのであれば、やらない方が良いこともあると思いますが、そんな中大会の開催に踏み込んだODSSのスタッフの方々には頭の下がる思いです。

1日目 スプリント、H2H

初日はいつも通りスプリント、H2Hでした。

スプリントの競技自体は概ね順調にスタートしていきました。

長良川WWFはやや特殊なレギュレーションが採用されていまして、スプリントの結果で上位から並べられまして、16位までをRJ1、17位以下をRJ2という2カテゴリに分けます。

それ以降、RJ1が上位チーム、RJ2が下位チームに位置づけられて、以降の成績がどんなに良くてもRJ2にカテゴライズされたチームがRJ1に入ることはありません。

これは、午後に行うH2Hのトーナメントを行う都合上仕方ないレギュレーションなのは理解できますが、特にRJ1下位とRJ2上位の実力差はそれほどないので、初日の午前中で下位カテゴリ入りが決定したチーム側のモチベーションを考えると別のレギュレーションを検討しても良いのでは??と思いました。

今回初日で特に問題意識を感じたのは、昼から午後の時間使い方でした。

スプリント終了後、選手が昼休みを取っている間にH2Hの準備が進められていました。主にH2Hで用いられるブイをコース上に4つ設置する作業でしたが、この作業手こずっておりスケジュールが大幅に押してしまいました。

このブイの設置ですが、長良川WWF以外の大会にも昨年の日本選手権でも設置に苦労をされている様子ではあったので、大会側に取って難易度の高いものだなと改めて感じました。

その原因は主にブイを固定するために川底に沈める重りが軽すぎて流されることや重りからブイまでのロープの長さが適切で無くブイが動いてしまうことが多いです。

今回も設置がうまくできず、何度かトライしていましたが、最終的には諦めて翌日のスラロームで使うために張ったハイラインを活用し、ブイを上から垂らす仕様にしました。

↓の映像で見ていただくと分かりやすいと思います。

この設定をするのであれば、無理にブイにこだわらなくても翌日利用するゲートの一部が既に設置してあったので、それも利用する形でも良かったのではと思いました。

実際、ブイを上から垂らしたことにより、引っ張られたブイが跳ねるといった現象が起きて、ゲーム性がやや変わってしまったかなと思います。

そんなことも影響してか、H2Hは第1回戦からプロテスト(抗議)が相次ぎます。

元々H2Hはラフティングの競技の中でも特にボート同士のコンタクトが多い種目なので、妨害行為に対するペナルティ判定を巡ってプロテストの多い種目ではあります。

その際に証拠となるビデオを大会に提出するのですが、それを見て裁定を変更してとその作業を繰り返している内に第2回戦が予定されていた時間も大幅に超えてしまいました。

結果として、決勝戦を実施する頃には日が落ち始めていて、辺りは薄暗くなり始めていました。

↑だいぶ暗くなってきた中の3決&決勝戦です
かろうじて競技はできたもの、あと30分遅れていたらアウトでした。

プロテスト自体は仕方ないですが、過去の大会でも多く発生しているものではあるので、仮にプロテストがあったとしても実行できる余裕を持ったスケジューリングが必要だなと感じました。

そんな感じで初日を終えます。
僕たちは前日夜の夜間の移動疲れもあり、宿舎で食事、風呂を済ませるとあっという間に寝てしまいました。

2日目 スラローム

2日目はスラロームです。

選手のスケジュールとしては、午前中にフリップ&リカバリーのスキルチェック、午後から競技といったスケジュールでした。

スキルチェックはアドベンチャーレースでよく行われるプログラムです。
大会参加にあたり、運営側も参加者のスキルを事前把握することが難しいため、レースの前に主にレスキュー面のスキルが備わっているのか確認を行い、クリアしたチームがレースに進めるといったものです。

今回に関しては、翌日に行われるダウンリバーレースのレスキュー体制の参考にするために実施をされました。

昨今のレースラフティングの選手のレスキュー技術は正直高くはないので、こういった取り組みは個人的にはアリだと思いましたが、実施するタイミングに関しては一考しても良いなと感じました。

運営側はその間にゲートの設定を行なっていました。
これは恐らく、前日のH2Hの競技終了後に行われる予定だった作業が前日の競技終了時刻が遅くなったことにより、当日の設置に変更となった作業かと思います。

そんな中、スタッフさんの配置やコミュニケーションがうまくいっていないようで、設定をする際につまづいているようでした。

ゲート設定完了とアナウンスされている時間が迫っていたこともあり、ゲートセットのお手伝いにその場にいた選手と共に入りましたが、対岸に配置するスタッフの数が足りていない印象で、僕たちが入ってもそこまでスピードを上げることができませんでした。

この辺りは、3年間空いたことによって、これまでの運営体制が組めなかった部分かもしれません。

なんとか予定通りゲートセットが完了して、競技に向けた準備を各チームが進めていた中、急なアナウンスが入ります。

スタート時刻が30分前倒しになりました。

当日の天気予報で午後から雨の予報が出ており、出来るだけ雨が強くなる前に競技を終了させるためにスタートを前倒す判断だったようですが、当日のしかもウォーミングアップ等を始めようかというタイミングでの30分前倒しは選手サイドとしてはキツイなと思いました。

雨が降る予報は前日地点で出ていたものなので、1日目夜のキャプテンMTGの際の告知であるべきだと思いました。

競技は順調に進行しまして、途中から雨が降ってきましたが、無事終えることができました。

競技終了後、スタッフの皆さんが雨の中ゲートの撤収作業をされていました。
自分達は車の回送があったので、待ち時間があったのですが何人かのメンバーと共にお手伝いをさせていただきました。
撤収も少ないスタッフの方々でやられていて、もっと選手を使ってバッと撤収作業を行えれば、そんなに時間をかけずに行えたのではないかと思いました。

今の選手は自分達でゲート張りを行なっているチームも多くそれなりに慣れている選手もいます。
みんなで行なってしまえば30分かからずに実施できる内容であったとは思うので、スケジュールに選手参加でのゲート撤収タイムを設けられると良いのではないでしょうか。

その後は皆自然園に戻り、1日目に比べ余裕を持って食事やお風呂に入ることができました。

3日目ダウンリバー

大会最終日です。

この日はダウンリバーをして表彰式をして終了といったシンプルなスケジュールです。

運営側としては、1日、2日目に比べて3日目は心理的には余裕があったのではないでしょうか。

そんな中で、選手サイドとしては大きな懸念点が2つありました。
それは前日夜のキャプテンMTGで会話があったのですが、一つがダウンリバーのスタート方法、二つ目が”そじ”と言われる鮎漁に用いられるロープが障害物となる問題です。

まずはスタート方法から今回は少し特殊なスタート方法が採用されていて、スタートの地点では2名の選手がボートに乗っていない状態でスタートして、陸を走るもしくは、川に入って泳ぐことで、2人の選手はボートと合流するという方式でした。

陸を走ってスタートするケースは世界大会のダウンリバーレース等でも採用されることがありますが、今回に関しては突然の発表であったこともあり、うまく理解がしきれていないチーム多かったように思います。

テキストでは、ご覧いただいている方もわからないかと思いますので、是非以下の動画をご覧ください。

こちらに関しては、別の問題もあってスタートの合図がラフトボートに乗っている側には全く聞こえず、陸を走る選手がスタートしたことに気がついたチームからバラバラと気がついて漕ぎ始めるような状態でした。

この辺りは来年以降も同様のスタート方式を選べばれるようであれば、改善頂けるとありがたいなと思います。

次に”そじ”の問題です。
これも前日のキャプテンMTGで注意喚起がされていました。

川にいくつか貼られているロープで危険な箇所があるとの案内です。
実は過去にも長良川では、レース中にこの”そじ”が人に当たり、落水、フリップするなどしており、注意をしなくてはいけないものでした。

キャプテンMTGでは特に危ない仕掛けをしているものがゴールの直前にある旨も共有がされていました。

ですが、キャプテンMTGの際にはスタート方式など競技面の確認、質問が相次ぎ、この”そじ”に対する危機意識は選手側は十分に考慮できていなかったように思います。

個人的には、ゴール直前の”そじ”を回避するためにゴール位置を引き上げてコース内に含まれない様に大会側に提案するなどするべきであったと強い後悔の気持ちがあります。

結果論ではありますが、ダウンリバー競技の最中にいくつかのチームが、ちょうどその地点を通過する際に”そじ”が水面を跳ねて人に当たり怪我をする事故が発生してしまいました。

その後の対応もあり、大きな事故にはつながらなかったとお聞きしていますが、状況を鑑みると避けられたものである可能性が高いと思いました。

何か事故が起きた際に、大会側は責任を問われるかもしれませんが、自分達の身を守るためにも選手側もリスクを下げるために大会側には対等に意見を発することが出来る状態、意識を持たないとこのような事故は今後も起こり得ると感じました。
自分への戒めの意味も込めて書いています。

3年ぶりの大会、総じて満足度は高いものであったはず

その後程なくして、閉会式が行われました。

大会の進行上で滞るタイミングやダウンリバーでの事故はあったものの、3年ぶりの長良川WWFが開催されたこと、3日間レースを行えたこともあって、出場選手の多くからは充実した声が上がっていました。

僕自身も前述の後悔の気持ちを除けば、凄く満足感の高い大会でした。

ただ、今後もこの大会が長く開催されるためにもいくつか提案したいことがあったので、改めてまとめておこうと思います。
偉そうに言ってすいません、、

  • ゲート設定、ゲート回収など人手があることでスタッフの方々の負担軽減を出来る部分は、選手の手を借りることを前提にしても良いのではないか

  • スケジュールに関して、当日の前倒しは対応しきれないチームが発生する可能性が高いので、十分な告知が行える場合を除いて、極力避ける方が良いのではないか

  • 夜のキャプテンMTGには参加できていないチームもあったので、ダウンリバーのスタート方式など理解させることに苦慮しそうなものは前日発表ではなく、予め告知されていても良いのではないか

  • 選手側も大会側の案内を鵜呑みにするのでは無く、一緒に作るような感覚でより良くするために指摘、改善を促す意識が持てると良いのではないか

色々言いましたが、この大会があることで2022年のシーズン後半に一つの山場が出来て、選手としては頑張る理由ができたと思うし、大会の内容も凄く充実したものでした。

主催のODSSの方々、運営をサポートされていたボランティアスタッフの方々に心から感謝の言葉を伝えたいと思います。
今年開催するだけでも大変な中のイベントだったはずです、本当にありがとうございました。

また来年もぜひよろしくお願いします!

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