5月24日
①中年女性
主訴 左膝の痛み 屈伸90度で疼痛
既往歴 左膝骨斬り術のオペ 右肋骨6本骨折
可動域と痛みは右肋骨の治療で回復、残っている問題は、屈曲時の可動域と痛み。
膝の状態の確認。
屈伸時脛骨が動きがない。
丁寧に触診していると、患者が手術した当時のことを思い出した。
執刀医のA先生が怖かった。
無理をして動いたらひどい炎症をしてしまってそれから全く話を聞いてくれなかった。
私は嫌われていたと思う。
知人がオペされた時は、そのA先生ととても仲が良くなって連絡先も交換していた。
患部が白くなって腐っていると言われた。
古い傷跡や手術痕が原因となって動きを制限している場合には、必ずと言っていいほど過去の記憶のやり残しがある。
その時の思いを語ってもらうことで機能不全に陥っていた組織が息を吹き返すように動き始める。
心理療法で身体構造が変わる人たちが多々いる。
直接の外傷と心の傷はどちらも脳の同じ部分が発火するということが知られている。
心と体は同じ扱いで考えた方が治療はうまくいく。
おそらく、腐っていた部分に対してデブリドマンが行われたのだろう。組織を丁寧に触診していくと、過去の術部の奥にざらざらとした組織の質感が残っていた。
手術後の縫合部分の緊張と、術部の緊張とまとまりのなさを治療すると、脛骨は大腿骨と連動して動き出した。
患者に伝えた。
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