モンスターハンターライズの「百竜夜行」を世界の言語ではどのように表現している?
みなさん、狩りを楽しんでいますか?
私はやや忙しく(本当はnoteを書いている場合じゃない)、この10日間くらいはプレイできていません。
そんな忙しい中、仕事そっちのけで書いたのが今回の記事です。
モンスターハンターライズ(以下モンハンライズ)の目玉の一つである「百竜夜行」は「百鬼夜行」をもじった、タワーディフェンス系です。
迫りくるモンスターの群れから砦を防衛する、というゲームが普段の狩りとは別に組み込まれています。
その「百竜夜行」ですが、他の言語ではどのように訳されているのでしょうか?
今作では日本語を含む計12カ国語でプレイすることができます。
だから「百竜夜行」も12通りの訳があるはずなのです。
ということで、マルチリンガルな友人の協力の元、訳してみたので考察と合わせてお楽しみください。
日本語を除く11言語による「百竜夜行」の翻訳
①英語/Rampage Quests
東京書籍の「フェイバリット英和辞典」を引いたところ、動詞で「走り回る」や「暴れ回る」とのことです。
「百竜夜行」を直訳したものではないようです。
モンスターの群れが秩序なく暴れ回る様子を表わしているのだと思われます。
②フランス語/Quêtes Calamité
「災害」「災い」「災難」「災禍」といった意味があるようです。
こちらも直訳ではありませんね。
ただフランス語の場合、「災害」には「catastrophe」という単語もあります。
英語の「catastrophe」と同じですね。
その2つの単語の違いは何なんだい……?
調べたところ、英語の違いではありますが、次のような記事を見つけました(フランス語に置き換えても、おおむね同じかと思われます)
「catastrophe」は破壊的な出来事で、「calamity」は何かを失う結果に終わる出来事だそうです。
「百竜夜行」に「catastrophe」をあてなかったのは、過去にカムラの里が壊滅に追い込まれ、里を失いかけた経験からかもしれませんね。
それにしても、英語とフランス語って、かなり似てるのね~。
③ドイツ語/Randale-Quests
これは以前触れた通り、名詞で「騒ぎ回る」「大暴れする」という意味があります。
英語と同じ感覚のようですね。
④イタリア語/Missioni furia
「激怒」「憤怒」といった怒りを表すような意味から、「猛威」「獰猛さ」「慌て急ぐこと」と幅広い意味がありそうです。
どちらかと言えば、英語やドイツ語の表現に近い形ですね。
⑤スペイン語/Misiones del Frenesí
「狂乱」「熱狂」という意味のようです。
なんかちょっと明るい感じ……?
言語は文化を反映しますが、やっぱりスペイン人が陽気な気質だからでしょうか?
英語やドイツ語にやや近いものの、イタリア語のように感情的な要素もあったり。
⑥ロシア語/Задания на буйство
私にとって今回の記事の最難関クエストがロシア語でした。
だって、ラテン文字じゃないんだもん!
⑤までの言語とは違って、ネット検索ができないぜ!
ここはロシア在住のマルチリンガルな友人に尋ねるしかない!
で、教えてもらったところ「大騒ぎ」「横暴」「乱暴」という意味だそうです。
英語やドイツ語と同じですね。
ちなみに「Задания на」は「クエスト」だそうです。
⑦ポーランド語/ Zadania dot. Furii
イタリア語と似ているので調べるまでもないと思っていましたが、やはり「怒り」という意味になるようです。
⑧ブラジルポルトガル語/Missões de Frenesi
スペイン語とほぼ同じ綴りですね。
意味も「狂乱」なので、ほぼ同じかと思われます。
⑨韓国語(朝鮮語)/백룡야행
説明がだんだん雑になっていましたが、この辺りから流れが変わります。
先述のマルチリンガルな友人曰く、日本語の「百竜夜行」をそのままあてているようです。
①から⑧のインド・ヨーロッパ語族の訳とは異なりますね。
ネットで調べたところ、「百竜夜行」の元になっている「百鬼夜行」がどうやら韓国にも存在するようです。
だから翻訳をしやすいのでしょうね。
⑩中国語(繁体字)/百龍夜行
調べるまでもないな!
日本語では「竜」でしたが、中国語(繁体字)では「龍」を採用。
日本語は常用漢字であることを理由に「竜」を選んだのかと思っています。
あとたぶん、中国にも「百鬼夜行」という言葉はあるようです。
⑪中国語(簡体字)/百龙夜行
これも日本語と同じですね。
中国語の場合、モンスターもなんとなくわかるのが面白いですね。
約は4パターンある
大別すると「百竜夜行」型、「大暴れ」型、「怒り」型、「狂乱」型の4つに分けられることはわかりました。
言語や文化が近いものは、同じ型になるようです。
ちなみに言語によって日本語と同じ「クエスト」を採用するか、それとも「ミッション」を採用かがわかれます。
これは私の興味をあまりそそらないのですが、おそらくその言語や「百竜夜行」の訳に馴染むかどうかだと思われます。
考察
どんな訳を採用するのかは、文化によるものが大きいということがわかりました。
韓国や中国には「百竜夜行」の元になった「百鬼夜行」というものが存在しているよう
同じものがあるのであれば、直訳しやすいですね。
「百鬼夜行」は妖怪の群れで、「妖怪」がいない(幽霊とか精霊とか伝説上の生き物とかはいるけど)ヨーロッパには「百鬼夜行」にあたるものも存在しないのでしょう。
だからといって「hundred demon night parade」にすると長いし、何かちょっと楽しそうじゃん!
第一「百竜夜行」の「百」は、きっと「たくさん」という意味だ!
でも、せっかく「百竜夜行」という趣のある表現なのに、「大暴れ」はちょっと残念……。
そうそう、友人が「百竜夜行という名づけにどんな意味があるのかを知りたい」みたいなことを言ってたんですけど、「何か音がいいから」くらいでつけられただけだと思います(CAPCOMなので)
まとめ
はい、ということで全12言語の「百竜夜行」を見てみました。
結果、「文化が近いと直訳だし、遠いと意訳になる」ということです。
あと語族の近さも関係があるかもしれません。
日本語も朝鮮語も孤立言語(親戚がいない言語だね!)だけど、言語学的には近いらしいです。
また漢字は中国から来たものなので、シンプルに日本語をあてやすいというのもあると思います。
訳を理解したところで何かが変わるわけではありませんが、おどろおどろしい「百竜夜行」感が伝わるのは日本語、朝鮮語、中国語だと思います。
なので、私ももっとありがたみをもって、百竜夜行に挑戦しようと思います
その前に仕事~。
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