着物の格はどこで決まる?

本日はなんだか雨が降って寒いですね。なかなかあたたかく過ごしやすい気候にはならないものです。というか、もうそういう穏やかな日々というのはもう過去のものになってしまっているのかな、と思う私です。
さて、本日の着物にまつわるエッセイですがタイトルを着物の格はどこで決まるのか、を書きました。と言うよりこちらでは、フォーマルカジュアルはどこで決まるのか、をお話ししていきたいと思います。
フォーマルな着物になる基準としては、柄の大きさが小さい、あるいは柄の内容、素材がより高級な生地であるか、友禅などの高級な染め方を利用しているか、などなどの要素があるのですが、高級な着物にために大事なことは、染めるのにどれだけ手間がかかるのか、ということだとおもいます。
よく言われるのが、衽と前身頃をまたいで柄が繋がっていればフォーマルな着物である、という説ですが、最近は小紋柄つまり、衽と前身頃をまたいで柄がつながっていないで、適当に柄を入れてある振袖なども多くでていますので、これはあまり当てにしない方がよいです。
確かに、衽と前身頃で柄がつながっている着物というのは、訪問着や振袖などには多かったのですが、最近の小振袖など見てみますと、同じ柄を繰り返していれて、しかも方向関係なくいれている小紋柄が圧倒的に多くなりました。卒業式の袴姿などでも、小紋柄というか、柄の方向とかそういうものは一切関係なく染められている着物の方がほとんどです。現在は正絹よりポリエステルの方が主流。だから、もう柄のむきとか、そういうのを考える必要なはないと考える方の方が、圧倒的に増えてしまったのでしょう。
それでも、しきたりを守って、きちんとした礼装を着たいという方は、ぜひ、衽と前身頃で柄がつながっている着物を選んで見てください。それは、ちゃんとした日本の伝統に基づく考え方なので、劣等感かんじたり、引け目に思うことはないです。
ところで、小振袖の位置付けってみなさんはどう考えているのでしょうか?小振袖の定義をお伝えしますと、袖丈が60から80センチくらいの元禄袖を採用した着物ということになるわけですが、本振袖は、結婚式や成人式、中振袖は、略式の結婚式や、オペラ鑑賞のような用事に使います。では、小振袖は、どうなんだろう?と考えると、クラシックのコンサートや、料亭などでのお食事にカジュアルな着物して使う、などでしょうか?あるいは、教師が卒業式で袴に合わせて使うということもできるようですが、この程度なんですかね?
意外に小振袖は、リサイクルの着物ショップなどでも手に入りますし、メルカリなどでもよく出品されています。ときには、小紋に間違えられて小紋として売られていることも少なくありません。そんなふうに入手は意外に簡単。だから、手軽に入手できて、気軽に着用できる振袖でもあるのですよ。もっといろんな機会に着てみたいものですね。
ちなみに、格のある、フォーマルな小振袖はこんな感じ?

くものがらが、衽と前身頃でつながっているのが、おわかりでしょうか?
割と地味ですが、格としては高いのでしょう。そういうことだよね。
次に、カジュアルな小振袖はこんな感じなのでしょうか?

明らかに、衽と前身頃で柄が、切れてますね。
こういうふうに見分ければよいのかな?
着物はほんとに面白くて、不思議なものなんですよ。

拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。