格が高い、そしてかわいい。

久しぶりにこのサイトに帰って参りました。ずっとかけなかったけど、また戻ってくることができまして嬉しいです。このサイトでも、着物のことをたくさん書いて行こうと思います。これからも、お付き合いください。
さて、着物には、格というものが発生することは、このサイトでも何回もお知らせしていることと思います。たしかに着物には、格が発生します。格とは、なんぞやと言いますと、着物を比べるのに必要な順位のこと、と、一言で言ってしまえばそれで良いでしょうか。よく、この着物は格が高い着物、こちらは低い着物とか言いますよね。なかには、そんなことを気にしないで、自分らしく着たいという方もおられるようですが、用事に応じて、着物を使い分けるのは、着物の世界では当たり前のようです。
とはいえ、用事に応じて使い分けるというのは、着物がいくつあっても足りないと、反発される方も多いかもしれません。なかには、いろんな用事にお気に入りの一枚で行きたいといわれる方も多いと思われます。お気に入りの一枚をいろんな用事へ通すことはできないか?と相談を持ち込まれることはありますが、結論から言ってしまえば、不可能なことではありません。ただし、条件があり、格の高いと言われる着物を選ぶことが、必要十分条件です。では、どうすれば格の高い着物というものを選べるかということですが、格の高い着物と言われるようにするためには、以下のような条件があります。
1.吉祥文様や有識文様を多用した、古典的な柄を採用していること。
例えば、つるや亀甲といった吉祥文様は、おめでたい柄なので、自動的に格が高くなりますね。松や紅葉などの縁起の良いとされる柄も同様です。これらの柄を採用した着物であれば、格が高い着物になります。
2.染めるのに手間がかかること
鮫小紋のような非常に高度な技術が必要な染めものであったり、小さな柄を隙間なく着物全体にびっしり入れてある着物であれば、染めるのに手間がかかりますから、格の高い着物と判断して大丈夫です。いわゆる総柄と言われる柄です。
この2つを満たしている着物であれば、単なる普段着から、外出着まで使用でき、様々な用事で着用できる着物になります。半幅帯を合わせれば普段着に、袋帯を合わせればあらたまった外出着になるわけです。同じ帯でいろんなところに使えるということはないため、帯だけは、変えるようにしてください。
では、具体的にはどんな着物が、格の高い着物、用事で通せる着物になるのでしょうか、みていきましょう。
1.鮫小紋ベースの着物
鮫小紋単独の着物もありますが、最近は鮫小紋と一緒に、松や竹などを入れてある着物がよく登場しています。例えばこんな感じ。

このお着物は、緑の鮫小紋が入っていますが、それに梅の花を一緒に入れてあります。
なかには、鮫小紋を見えるように入れているのではなく、地紋として鮫小紋を入れてあるケースもあります。

遠目ではわかりませんが、こちらも鮫小紋を地紋としていれ、それに花がらを染めてあります。
2.その他の格が高いとされる着物
地色が分からなくなるくらい柄をびっしり入れてある着物はもちろんのこと、縁起の良い柄を使っている着物であれば、格が高い着物になり、様々な用事に使うことができます。

現代的な柄ですが、雲、ボタン、紅葉などの縁起の良い柄を使用していますので格の高い着物です。初心者でも見つけやすいのではないでしょうか。

こちらも、老松や菊などをびっしり入れてあり、格の高い着物です。松は日本の柄では最高峰と呼ばれたりしますので、礼装として使用できる柄です。
いかがでしょうか。格の高い着物と言われるものは、あまり個性的ではないのかもしれませんが、着物として忘れてはいけない要素がたくさんあると思います。格の高い低いは関係ないではなくて、用事に応じて着るものを変える習慣を忘れないでほしいです。こんかいは、比較的広範囲で着られる着物を紹介しましたが、着る人らしく、楽しく着こなしてほしいと思います。此れからも着物が続いてほしいものです。

拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。