略式喪服、色喪服について。
今日はよく晴れたのですが、暑かったですね。まあ、これからその季節になるわけですが、暑い時期こそ、着物を着たいと思われるから不思議だよね。夏はそう言う意味では、楽しめる季節になります。
さて、本日は、祖母の十三回忌を開催いたしました。こうなりますと、登場するのは喪装ですよね。着物の喪装といいますと、黒紋付という、真っ黒い着物を連想する方が多いと思いますが、それだけではありません。黒紋付は、遺族や血縁者の葬儀と三回忌くらいまでの法事でしか使えないのです。
それ以外はどうするか?というと、使うのは略式喪服とか色喪服とか言われる着物。あるいは、それに真っ黒い羽織を合わせたスタイルになります。
例えばこんな感じ。
洋服では全員黒ですが、着物の場合は、帯を黒にするという条件で、紺や青、モスグリーン、紫、茶色や黄土色などの色無地をつかいます。だから、帯を黒にしていれば着物は黒でなくても構わないのです。なかには、私だけ一人黒ではなかったので、あれ?おかしいのでは?なんて言ってきた人がいました。私は帯を黒にしてあるから大丈夫と言い返すことはしないで、ごめんなさいとだけ言っておきました。中にはね、着物を着て生意気!と反感持つ方もいるから、そう言う人には逃げるが勝ちのときもあるんです。
そう言うわけで、私が仏事用にもっているお着物は、袷の着物が緑の色無地、単がこちらの水色の色無地、絽が茶色の色無地、あと黒紋付とあります。黒紋付は、葬儀あたりしか利用できませんが、色無地であれば、帯をはでにして、慶事に使うこともできます。しかし、私は、そういう使い方よりも、弔事用は弔事用にわけておいた方が良いと思います。
理由は、弔事用になる色無地は、地紋がまったくないものでないと使えないから。暗い色でも、地紋がおめでたい柄であれば、弔事用にはなりません。それに、テカテカに光る綸子生地もだめです。弔事には、きらきら輝く綸子生地は、本尊に失礼になるから使ってはだめですし、故人の経帷子に羽二重を用いることから使用してはいけないのです。
だから、弔事に使う色無地は、暗いいろのもので、地紋がなく、さらに光る生地でないもの、という条件を満たしている着物でなければいけません。
なので、暗いいろだから大丈夫!というわけにはいかないのです。
最近は、色無地はどこへでも着られるという生地をやたら見かけますが、地紋のあるなしや、その内容、生地の種類により、使い道は違うので、そのようなことはないと思ってください。
これは余談ですが、色無地に、黒の羽織を着て黒の分量を多くすることもできます。
このスタイルは、お通夜に出席するときよくやります。もちろん冬場しかできませんが、意外に使えるのでは無いかなと思います。
あと、なくなった直後、枕経をお願いしたとき、黒紋付を着なければならないか?と祖父に聞いたところ、馬鹿者!という答えがかえってきました。
黒紋付は、葬儀になってから初めて着るものだ、と、このとき知りました。
不祝儀のお着物は、どうしても情報が少ないのですが、なかには、色無地さえあればよい、などちょっと違うなという記事もあります。私は、お寺の方に聞くなどしたので、一応仏事用も持てましたが、着物屋やお寺などと、よく話し合うことが大事だなと思いました。
ある意味、家族の結束力を試されるときなのかもしれないね。
そんなことを考えた一日でした。本日はここまで。とっぴんぱらりのぷう。
拝読有難うございます。何かの参考にしてくだされば嬉しくもいます。