ショートショートnote「初めての・ろうそく」

私が初めてろうそくを立てたのは、友達の

誕生日パーティーのケーキを作ったときだった。

自分の誕生日はいつもろうそくを消す側で、ろうそくを立てる側になったのは初めてだった。

悪戦苦闘しながら作ったショートケーキにろうそくを指した瞬間が今でも忘れられない。

できあがったショートケーキを頬張った友達が

「おいしい、おいしい」

としきりに言ってくれて、幼い頃の私は自分はすごいケーキを作れるのだと錯覚してしまった。