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父の人生を変えた『一日』その93 ~365日24時間対応~

その93 ~365日24時間対応~
 電気関係の仕事は24時間絶えず仕事の時間と思わなければならない。だから社長と専務の携帯は真夜中でも何時でも出られるようになっている。雷が落ちた漏電した電気がつかない色々と時間に限らず事故は発生するのである。3年前、盆休みの最中に町中のホテルの前の分電盤の蓋が吹っ飛んだという。緊急出動である。テニスをしていた格好でそのまま陣頭指揮を取った。中にある太い電線に傷がありそれが長年にわたって腐食してショートして断線・停電になった。
 そして東北電力の中沢の変電所に繋がりそのショックで街の中に立っている分電盤の蓋がすっ飛び大変なことになったのである。当社とユアテック(東北電力の関連会社)が出動した。ホテルのオーナーは盆時期に誠に申し訳ないと頭をうなだれていた。大丈夫です。早急に復旧いたします。そう言って直ぐに復旧した。
 緊急電話がはいる。雷落ちて停電。すぐに招集をかけすぐにかけつける。電気がつかないと連絡入る。地域調べて、当社の社員で一番近い社員をまず仮復旧するために出動させる。その後、本格的な実働部隊が動き出す。電気の便利さは忘れがちだが、いざ電気がつかないとなると大変な不便さを感じる。電気屋稼働24時間対応が出来て当たり前の会社なのである。


~倅の解釈~
 弊社の対応は365日24時間対応である。これは創業当時からの鉄則。一番、このことを実感したのが中越大震災である。震災後、弊社の電話は6か月、ほぼ鳴り続いた。地域の方々が停電で困っていた。全て対応をさせて頂いた。
 ある保育園が別の電気工事店に余震が多いので大型照明器具を撤去してほしいと依頼した。この依頼を受けた別の電気工事店は緊急性が低いと判断して、待ってほしいと返答した。その後、不動産会社の社長様をかえして、私の携帯が鳴った。2時間後には職人と一緒に保育園に出向き、器具を撤去して非常に喜ばれた。
 緊急時の対応の鉄則がある。それは、こちらが緊急かどうかを判断しては「ダメ」なのである、どんな小さなことも、依頼者から緊急と感じたのであれば緊急なのである。ただ、無茶ぶりやわがままは別物である。このようなクレーマー的な電話はたまにかかってくる。
 「家の前の門柱の電球が切れた。至急取り換えてくれ」
 「今、夜なかですが、明日でもよりしいでしょうか?」
 「ダメだ、今変えてくれ」
 「今変えないとご不便でしょうか?」
 「大変申し訳ないのですが、明日の朝、伺わせて頂き、現場を確認させて頂きます」
 「ダメだ今来い」
 「承知いたしました、これより伺います」
 このような対応は私がします。伺って、確認をして、結局、電球は在庫していないので、翌日まで待ってもらう。たまに、「こんなのコンビニにあるだろう」と言われることがあるが大抵、このようなケースだとコンビニには売ってない。
 たまに電気屋にとってのレアケースもある。
 「お風呂で腰を抜かして出れない。助けに来てほしい」
 「承知いたしました」
 弊社はできる限りの事はする。これも私が対応したが、おばあちゃん、近くに住んでいる、倅さんに裸を見られたくなく弊社に電話してきた。助けに行き、おばあちゃんにカレーライスをごちそうになって帰ってきた。
 弊社は創業が家電なので、古いお客様はいまだに弊社を好意にしてくださる。本当にありがたいことだ。電球一本から、電池一本からが弊社のモットーである。弊社の社内での伝説があるが、田中角栄先生の秘書をされていた方は、車に乗れなくなっても、タクシーで弊社に電池を買いに来てくださっていた。どう考えてもタクシー代の方が高いのに。これが商売の仁義だとはじめて聞いた時感動した。
 365日、24時間対応の水澤電機。協力してくれるスタッフがいるからこそ実現できる。緊急対応は年間50件程度だが、すべてにドラマがある。


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