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父の人生を変えた『一日』その47 ~壮大なアメリカの自然~

その47 ~壮大なアメリカの自然~
 アメリカの山道は非常に険しく急斜面が多い。そういう所に美林の木材が隠れている。山道100メートル作るに1億円かかると言われている。つまり伐採するところに行けなくて道を作るに膨大な費用がかかり、出材出来ない美林が沢山ある。
ある山をヘリコプターで検品した。素晴らしい美林であった。栂の選木やらノーブルファーと呼ばれる特選木まで生育していた。「素晴らしい材木」であった。その木々と対峙して涙が出るほど感激した。「素晴らしい」の一言であった。
 アメリカ人の「暴れん坊将軍」のサプライヤー(木材の供給者)のジム・エンゼレイが言った。
「ライオン、ヘリコプターロッギング遣るぞ」と。それまでヘリコプターでの木材の伐採を見た事がなかった。バスみたいな大きなヘリコプターであった。もちろん日本向けなので長さは12メーターで伐採され大きく太い丸太は8メートルに伐採し切り倒されていく。ヘリコプターの運転手は伐採が終わると神経が非常に疲れると言う。プロペラが木々や岩に触れた瞬間一環の終わりであるからだ。いくらベトナム戦争で運転していたとはいえこの操縦には神経をピリピリさせて行う。壮大なアメリカの森林でのこの伐採はあまり経験した人は少ないと思う。


~倅の解釈~ 
 アメリカという国はある程度の期間住んでみないとわからないことが多々ある。その一つが自然との向き合い方である。日本では地方都市でもある程度都市化が進んでおり、「うちの島には信号がないのです」とうい話は良く効くが、アメリカでは「うちの地域には道路がないのです」なんていう状況が当時は多々あった。
 特にシアトルがある北西部はアメリカ開拓の最後の方で開拓された地域であり、豊かな自然が残っている。原住民であるインディアンのレザベーション(保留地)も沢山ある。うまく表現できないが、実際両国に住んでみて、自然との向き合い方が完全に違うように感じる。
 特に、シアトルでは雨が降っている日が多いので、久しぶりの天気がいい日があると、みんな外にでて日光浴を楽しみ、自然を満喫する。
 私も高校時代、思春期を過ごしたので、それなりに楽しませてもらったが、高校生は好んでビーチに足を運び、バーベキューしたり、夜はボンファイヤーを囲んでパーティーをした。18歳の時に日本に帰国したら、どちらかと言うと若者はカラオケに行ったりと都市部での歓楽を好んでいるように思えた。どうしてもメディアを通じてみるアメリカはニューヨークやカルフォルニアなどキラキラした部分だが、それは大都市部のごく一部。他の40以上の週はまだまだ大自然に囲まれていて非常に住みやすい。
 親父も良く言っていたが、島国日本を飛び出して、壮大なアメリカの自然を見るだけでも人生観が変わる。是非とも日本の若者に見てほしいと。この夢をいつの日か実現したい。

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