見出し画像

父の人生を変えた『一日』その90 ~生き残りの時代突入~

その90 ~生き残りの時代突入~
 新潟県の電気業者は父ちゃん、母ちゃん2人でやっている会社までいれると約1000社もある。田中角栄元総理大臣の国、建設王国とまで言われた新潟県は、建設業関係企業の数が非常に多いのである。社団法人電設業協会はだいたいAランクの業者が100社くらいでなっており工事組合は父ちゃん、母ちゃんくらいの小規模会社も多く900社くらいの数で非常に多い。電気業界も非常に数が多いのである。業績が悪くなってきて毎年、廃業が続出し始めている。全国的にも電気工事業者は現在の仕事量から考えると、半分の企業数でも十分インフラ整備が出来ると言われている。それだけ建設業関係は生き残りをかけて必至なのである。
 進んでいる会社、勉強している会社、色々と企業別の格差ありその辺の教育が大変である。来年からすべての入札が電子入札になるがそれに対応遅れている会社も多いISO取得してない会社が大半でありパソコンさえまともに打てない会社もあり、まだまだ改善の余地が多い業界である『経営と技術に優れた企業づくり』を標榜しながら業界の嵩上げにも非常に苦労が多い。ライオン節は分かりやすく単刀直入に説明するのでよそ者を受け付けない新潟県と言われていが、変なライオンは特別扱いされ耳を傾けてくれる人が多い。
ゆっくりと着実に企業研鑚して少しでも中小企業が生き残れる環境づくりが業界のテーマであり今日もまた走り回る。電気屋さん、一歩一歩前進あるのみです。


~倅の解釈~
 建設業界にとって、2000年あたりから劇的な変革を問われる時代に突入したかと思う。企業のICT化に伴う設備投資に始まり、企業風土そのものを変えないと時代の流れについていけないという危機感がジワジワと出てきた時代です。新潟県は建設業に携わる企業数が他県と比べても多く、この打撃をもろに受け止めた地域の一つであり、時流についていけない企業が次々と消滅していった時代でもある。
 親父は、このような混沌とした時代を楽しんでいたに違いない。ピンチはチャンス。親父のモットーであった。変えなくてはならないもの。変えてはならないもの。企業組織は「変革」という言葉に何とか振り回されないよう必死に組織改革を進めた。
 この時代に弊社にも大きな変化があったが、面白いもので、時代はスパイラルする。当時絶対に必要と言われていたISOに関しては、現在は保有していない。ICT化を物凄いスピードで進んだが、本質的な営業はまだまだ「アナログ」だと信じて営業をしている。
 親父が変革の時代に本領を発揮したのであれば、私は変革をあらためて見直して、本質的に企業のドメインと向き合う時代に地に足をつけて経営したい。やる気があれば何でも「可能」だと古臭いが、いまだに私は考えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?