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父の人生を変えた『一日』その92 ~物件に秘められたドラマ~

その92 ~物件に秘められたドラマ~
 長岡には法務省直轄のいわゆる「少年学院」が悠久山に近くにある。相撲の千代大海も横山やすしの息子も入ったという。大関千代大海は昔若い時に暴走族であり突っ走りながら血気盛であったいう。この少年院の所長に挨拶に行った。所長曰くこの少年院の街頭は当社創業者が全て寄付したのだという。私は驚きと共にまた、親父さんを惚れ直した。さすがに親父さんは社会貢献をしながら人生を全うされたとつくづく思った。
若い時に色々な事件に巻き込まれまた、喧嘩の勢いで人生の道を踏み外した若い人々がみなこれからの将来を考えて「更生」に向けて頑張っていた施設であった。一度の人生の失敗から歯を食いしばって立ち直ろうとしていた。
長岡の冬のお祭り「長岡雪しか祭り」が来た。色々な団体が雪で石像を作っていた。少年学院の卒業生たちは自分たちの模範とすべく千代大海の雪の石像を作った。大きな相撲姿の見事な物であった。それには感激した。やはり人生やり直しをかけた先輩を目標にしていたのである。そして人生の再スタートを誓っていたのである。
 長岡の色々な建物の電気工事を沢山、今でもしている。一件一件思い出がしみこんでいる。この少年学院もその一つである。新潟地震がきた。この少年学院の地区は被害が甚大であった。中の収容性生があまりの驚きで抗議が続出したという。そのために収容生を一旦新潟に移動する事になった。当社が保守管理しており、ちょくちょくこの施設には出入りしている。物件毎にライオンには思い出が多く隠されているのでる。そして親父さんに負けない電気屋として今日もまた、歩き始めたのである。


~倅の解釈~
 我々のように建設業に携わっていると、電気工事をさせて頂いた建設構造物に必ず想いが宿る。営業背景的なドラマ、施工工事的なドラマ、お施主様とのドラマ。そこには、「建てよう」というお施主様の情熱から波及するドラマが必ずある。
 親父にとって、この少年学院は先代が外灯を寄付した関係で、非常に想い深い案件であった。そこには寄付をするまでの先代の想いや寄付をした理由に秘められた先代の熱い志が秘められている。勿論、寄付という形だけが、地域社会貢献だけでは無いが、地域企業としては一つのチャリティーの形である。決して物凄く当時盛り上がっていた分けではないかと思う。でもスタッフの賛同を得て、先代は判断したのである。
 私にとって、災害支援活動やヨシダソースの吉田会長の側近を務めさせて頂く行動は先代、親父と同じような想いが込められていると自負している。先代や親父のように壮大な行動はまだまだできるほど人間は出来ていないが、自分なりに、チャリティー精神を持って地域企業経営者として日々コツコツと行動したい。

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