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日本のコーヒー栽培【農園の歴史と珈琲文化】1t採れない?

平群道の駅でコーヒーの店頭販売をしていると、年に数度「日本では珈琲とれるの?」という質問を頂きます。

結論からいうと採れます。

日本国内でのコーヒー豆栽培地は主なところでいうと小笠原諸島と徳之島(奄美大島)で生産量が少ないなりにコーヒー豆市場に出荷しています。

しかし、量産化には至っておらず値段も高いので一部マニア向けの趣味のコーヒーという範疇から出られないのが現状です。

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日本産の珈琲の味は、珈琲豆が量産出来る4要素

・火山灰土質の肥沃な大地
・標高が高い山岳地帯
・熱帯亜熱帯地域
・安価な労働力

という4つのハードルをクリアーできないので、選別によって高品質な珈琲豆を得る事が難しく、スペシャルティコーヒーのような素晴らしい風味のコーヒーを作るのは難しいです。

耕地面積の狭さもあって、これからさき、日本の珈琲豆の量産化は、望みが薄いのが現状です。

日本のコーヒー栽培について

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日本でのコーヒー栽培は主に沖縄・鹿児島・小笠原諸島で細々とされています。

沖縄の安田ファーム↓

鹿児島・徳之島コーヒー↓

小笠原コーヒー↓

主だった3か所のコーヒー栽培地に共通する事は三つあって以下の通りです。

・コーヒーの栽培に対する熱意が高い
・生産量が少なく、マネタイズしにくい
・品質が高くなく特徴的な風味に欠ける

特にコーヒー栽培をしても、マネタイズしにくい事は、珈琲作りには致命的で、殆どの日本の産地は珈琲生産の持続的な継続に苦慮しています。

世界でとれる珈琲豆の品質に比べて、日本でとれる珈琲は味的に劣るため、以下の様に付加価値を付けて、日本のコーヒー栽培を応援しています。

コーヒーの木の里親さがし
・コーヒー栽培の体験ツアー
・コーヒー栽培の啓蒙活動(宣伝)

===ポイント===============
日本のコーヒー栽培は地理的・人的なマイナス面が大きく、世界の珈琲産地に比べると味・産出量など、あらゆる面で出遅れている。
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沖縄原産の珈琲を買ってみる>>

日本のコーヒーの歴史

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日本の珈琲栽培の歴史は古く、明治10年前後に国の施策で小笠原諸島に大規模に植林されています。

小笠原諸島のコーヒー栽培は日本国内での珈琲需要を賄うためで、珈琲以外にも様々な熱帯亜熱帯植物が輸入され、実験栽培されました。

珈琲栽培の最盛期(明治20年前後)には、国内需要の40トンと同程度のコーヒー豆を産出したのですが、サトウキビなどの生産性の高い植物に取って代わられ、コーヒー栽培は下火になります。

その後、小笠原諸島での珈琲栽培実験を受けて、西表島にコーヒー栽培の主戦場を移したのですが、マラリアの大流行でその夢もついえました。

===ポイント===============
日本のコーヒー栽培は輸入に頼らず、国内生産で賄うため、明治政府によってはじめられました。当初、小笠原諸島がコーヒー栽培実験場に選ばれ、のち西表島に場所を移しましたが、いずれも生産性の低さから断念せざるを得ませんでした。
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日本のコーヒー農園の現状は?

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日本のコーヒー農園の歴史は明治時代に行われた熱帯亜熱帯植物の植林実験に端を発しています。

沖縄や鹿児島では熱帯亜熱帯植物のサトウキビの栽培に成功して、今でも石垣島や西表島の黒糖や喜界島の黒糖が名産品として残っています。

しかし、コーヒー豆の生産は耕地面積が狭い事や台風の影響で量産化が出来ないため、市場で一定の価値を得るところまでは至っていないです。

珈琲豆の植林は当初小笠原諸島で盛んに実験され、収穫量は40トンに到達したのですが、諸外国の安価で良質な珈琲と競争できるまでには至らず、市場での価値を確保できないのが現状です。

また、小笠原諸島での植林成功を西表島に移行する試みは、ある程度成功を収めたのですが、現在は西表島全体が国立公園保護区になっているのでコーヒー農園を作ることが出来ません。

西表のマングローブはベトナムの気候と酷似しているので、ロブスタ種コーヒーの木でしたら量産に成功したと思われます↓↓↓

===ポイント===============
日本のコーヒー農園は【珈琲栽培の技術が稚拙】【耕地面積が少ない】【台風の害】の3要素の影響で2020年現在、栽培は軌道に乗っていない。
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喜界島名産品の凄く美味しい黒糖を食べる>>

日本のコーヒー文化を見てみる

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日本の珈琲文化は江戸時代にまで遡ります。当時は鎖国中でしたのでコーヒーなどの交易は出島のオランダ商人との間だけで行われました。

当時のオランダはインドネシアを植民地にしていたので、そこで収穫できたインドネシア産の深煎り珈琲を一部の日本人が飲んだのですが、とても苦くてかなり不評だったようです。

その後、明治時代になり西洋文化を取り入れる中で、珈琲文化も同時に吸収していった次第です。

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日本に入ってきたコーヒーは作家などの文化人の間で広まり、フランスのようなカフェ文化として知的階級の間で花開きました。

知的階級で広まったカフェ文化により日本独自の様々なコーヒーの飲み方も考案されました。

日本式の水出しコーヒーも、この間に見出されたと言われています↓↓↓

現代日本の珈琲の特徴は以下の通りになります。

・軟水で作ったブラックコーヒー
・豊富な氷を使ったアイスコーヒー
・缶コーヒー
清浄な水を使った水出しコーヒー
・高品質な珈琲豆(スペシャルティ珈琲など)

日本の珈琲の特徴は、豊富な水資源によることろが大きく、軟水を使ったブラックコーヒーを好む民族性がその最たるものと言えます。

===ポイント===============
日本のコーヒー文化の特徴は、好奇心旺盛な民族性と、世界に類を見ない清浄な水がたくさん産出される国土による影響が大きい。
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清浄な水で美味しい水出し珈琲を作ってみる>>

日本のコーヒー消費量は?

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日本では毎年たくさんのコーヒー豆が輸入され、たくさんコーヒーが飲まれています。

どれくらい日本がコーヒー豆を消費しているのかというと、世界で4番目に多いです↓↓↓

1位、EU
2位、アメリカ合衆国
3位、ブラジル
4位、日本
5位、インドネシア
6位、ロシア

日本人は一日平均、一杯ちょっとのコーヒーや、コーヒー飲料を飲んでいます。

また日本の倍以上コーヒーを飲んでいるブラジルは、コーヒー消費大国というだけでなく、珈琲豆の産出国でもあるので、近年は国内消費が盛んになってきたという事ですね↓↓↓

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国内地域別に見ると珈琲豆の消費量は以下の通り

1位、京都市
2位、大津市
3位、奈良市
4位、広島市
5位、福岡市
6位、鳥取市
7位、横浜市

京都市は珈琲文化・喫茶文化が盛んなのですね。

歩いてどこへでも行けるので、たくさんのカフェを散策できる街並みが特徴です。

===ポイント===============
日本は世界で4番目にコーヒーを消費しています。日本人の場合、アンチエイジング効果のあるポリフェノールは、主に珈琲からとっているのです。
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ポリフェノールについて詳しく読んでみる>>

日本のコーヒー・まとめ

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日本のコーヒーの歴史や、現代にいたる珈琲文化について色々とみてきました。

日本のコーヒーの特徴は多様性にあります。

日本人のコーヒーのたしなみ方は、世界でも類を見ないほど多種多様です。(以下参照)

・ブラック珈琲(世界では牛乳・砂糖が一般的)
・水出しコーヒー(ストレートで飲む固有文化)
・アイスコーヒー(日本発祥の極深煎り珈琲豆
・缶コーヒー(日本発祥の固有商品)
・高品質(日本には最高品質の豆が輸出される)

===ポイント===============
日本のコーヒーの特徴は鋭敏な味覚と、軟水文化によるところが大きいです。現代では老若男女を問わず個性的な飲み方が推奨されています。
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