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【マスターデュエル 2024】純六花のススメ〜聖天樹(サンアバロン)不採用の理由は?


1.はじめに

こんにちは、なごにゃんです。
今回は、私が愛用している【純六花】の紹介をしたいと思います。

いわゆる【植物GS】の影響でデッキタイプを誤認されがちですが、純構築の【六花】は《聖種の地霊》を採用せず、比較的短い展開を繰り返すミッドレンジデッキです。

デッキとしての特長は、

  • 初動である《六花のひとひら》がリソースを兼ねており、息切れしにくい

  • 2~3妨害の盤面を安定して展開できる

  • 誘発耐性が高い

  • メインギミックだけで後手捲りができる

  • 自由枠が14枚~17枚程度ある

  • イラストが華やかで楽しい ←最重要

といったところで、正直に言えば「見た目に釣られて組んだら思ったより強かった」ので気に入りました。
環境にもよりますが、ダイヤ〜マスター帯をじわじわ登り、月末登頂くらいなら目指せるパワーはあります。

まず、表題にも掲げている「純構築を選んだ理由=サンアバロン不採用の理由」を先にお話し、その後に構築や展開例の話をしたいと思います。

2.サンアバロン不採用の理由

植物族デッキといえば《聖種の地霊》始動のグッドスタッフ、とお考えの方も多いのではないでしょうか。
私もかつてはそう考えており、《聖蔓の播種》実装〜セリオンズ実装辺りまではサンアバロンギミックを使い倒していたので使用感はおおむね理解しています。

化け物

この項では詳しく扱いませんが、《地霊》1枚からの展開が通れば4妨害は堅く、さらに好みで《ナチュル・ローズウィップ》《サボウ・クローザー》といった制圧系のモンスターを添えることも可能な非常にパワフルなギミックです。
展開も盤面も極めて自由度が高く、本体のアクセスも《予想GUY》《苦渋の決断》《ワン・フォー・ワン》《ローンファイア・ブロッサム》など豊富で再現性も十分、植物族テーマを組むのなら頼らない理由がないように思えます。

しかし、冷静に観察すると、簡単には克服できない構造的弱点がふたつ見えてきます。

2-1.誘発受けの悪さ

《増殖するG》受けが悪いのは見た目通りとして、実はその他の誘発も初動に打たれるとまず貫通できません。《聖天樹の幼精》への無効系誘発、《聖蔓の播種》への《灰流うらら》あたりは致命的に刺さります。

どんな展開ルートに派生するにせよ、根っこは「《播種》を通すと植物族モンスターが3体増えること」を前提にしており、ここを挫くとまともに動き出すことができないのです。

マストカウンター

もちろん、そのために勇者ギミックを頼ったり、六花やセリオンズを厚めに採用して0妨害にならないように工夫したりするわけですが、根本的に初動が脆すぎることからは目を背けられません。

2-2.不純物(引きたくないカード)の多さ

《播種》を通した後のサンアバロン展開は無数に分岐しますが、その展開の質は「不純物をどれだけ採用したか」に比例します。具体的には《アロマージ-ローリエ》《アロマセラフィ-アンゼリカ》《ネコーン》《ナチュル・ローズウィップ》《サボウ・クローザー》《光の王 マルデル》《円盤闘技場セリオンズ・リング》……など挙げればキリがなく、採用するほど展開の質は向上する一方で自由枠は逼迫していきます。

一見引いても問題ないが、
素引きのこれを《ボレア》サーチに回すと《レギュラス》に届かなくなってしまう

ここまでに挙げたカードはまだ素引きしても問題ない方ですが、《播種》前に素引きすると致命的な《聖種の天双芽》の存在もあります。

植物使いあるある:こいつの顔が嫌いになる

中にはこれの素引きが嫌すぎて2枚に増やしたり、あるいは展開の質が下がるのを覚悟で《聖種の影芽》に入れ替える方も見られます。いずれにせよ、徹頭徹尾不純物の存在に振り回されるギミックであることは間違いないでしょう。

まとめると、「誘発受けが悪く」「不純物が多い」ことがサンアバロンの大きな弱点です。もちろん、その代償に見合うだけの強力な展開ルートを備えてはいるのですが、手放しに「植物族テーマの基盤はコレだ!」とまで言い切れないのが伝わるかと思います。

2-3.サンアバロンとの対比で見る【純六花】の利点

翻って、サンアバロンギミックをカットした【純六花】はどうでしょうか?
もちろん、最終盤面は大きく劣るものの、サンアバロンが抱えていた弱点のすべてを払拭していることがわかります。

  • 誘発受けについて

まず、《増殖するG》受けについては優等生です。《六花のひとひら》→《六花精ボタン》に打たれた場合、《六花来々》によるセットを《六花の薄氷》に切り替えて止まれば、質の高い1除去+墓地《ひとひら》を達成しつつ1ドローで止まれます。

また、無効系誘発への耐性も高いです。このデッキは《ひとひら》→《ボタン》→《来々》→《絢爛》のようなサーチのリレーを基盤としており、更にその順序を入れ替えても成立するようになっています。したがって、サーチ効果に無効系誘発をもらっても、複数あるサーチ先のいずれかを素引きしており貫通ということがよく起こり得ます。

具体的には、《ひとひら》に無効系誘発をもらっても、《絢爛》《来々》《ボタン》のいずれかを持っていれば貫通という要求値の低さです。
もちろん、突き詰めれば「コスト使用時の《絢爛》に《灰流うらら》」という弱点はあるのですが、これもテーマカードである《しらひめ》でケアできる可能性があり、「テーマ単位で誘発耐性は高い」と言い切ってしまっていいでしょう。

ほんとに?

(……その性質上、《ドロール&ロックバード》だけは例外的に貫通しようがない天敵です。ドロバの採用率が過半数を超えた【超重武者】環境での登頂を諦めたことだけは正直に書き添えておきます。)

  • 不純物の少なさについて

テーマ内に「引きたくないカード」はほとんど存在せず、自由枠として誘発や捲り札も多く採れます。引くと実質ハンデス状態になるようなカードがないためドローカード1枚1枚の質が高く、余裕をもって戦うことが可能です。

来ちゃった……♡

(……一応、《六花精プリム》のみ引きたくない寄りですが、これは構築次第でケア可能です。少なくとも《聖種の双天芽》ほど重くはありません。詳しくは後述します)

  • 【純六花】は【植物GS】とは全く異なるデッキである

まとめると、【純六花】は「誘発耐性が高く」「不純物が少ない」ミッドレンジデッキで、ゴリゴリの展開系であるサンアバロン軸【植物GS】とは方向性がまるで違います。どちらが強いか比べるのはナンセンスで、そもそもデッキタイプからして違うので比較の必要性すらない、というのが結論になります。

世の中には「サンアバロンギミックを少数だけ採用した【六花】」のリストも出回っており、これが事態をややこしくしている気がしてなりませんが、その混ぜ方はあまりオススメしません。お互いの良さを殺し合ってしまいます。
(サンアバロンを軸に、貫通札兼着地点として六花を少数採用するのは理に適っていると思いますが、ここでは割愛します。)

【六花】をフルに活かすのなら、その誘発耐性と自由枠を最大限活用できるような構築にすべきで、自然と純構築に近い形に収束していくことでしょう。

3.構築について

さて、前置きが長くなりましたが、構築をご覧ください。

2024.05.20時点の構築

自由枠(誘発枠+指名者枠+捲り札枠)は17枠あり、今回はその枠を以下のように振り分けています。(先述の通り、誘発受けが比較的よいデッキなので、指名者も自由枠に含めています)

  • 《エフェクト・ヴェーラー》3枚

  • 《増殖するG》3枚

  • 《灰流うらら》3枚

  • 《墓穴の指名者》2枚

  • 《無限泡影》3枚

  • 《拮抗勝負》3枚

この枠は環境やビルダーの嗜好にもよるところなので、今回は解説を割愛します。この枠を多少削って《六花深々》を採用したり、《スモール・ワールド》を初動換算できるような構成にしたりするのもありでしょう。

3-1.初動《六花のひとひら》について

このデッキの1枚初動は、《六花のひとひら》とそのサーチカードです。

  • 《六花のひとひら》3枚

  • 《ピリ・レイスの地図》3枚

  • 《六花絢爛》3枚

厳密には《六花絢爛》スタートだと展開がやや弱まるのですが、いったん割愛します。
また、6除外できる《金満で謙虚な壺》も初動のようなもので、それも含めて引き込める確率は先手約77%・後手約84%といったところです。

指名料4000円

……《ピリ・レイス》まで動員していることからもわかるように、【純六花】の初動はやや細めです。
《ローンファイア・ブロッサム》《ワン・フォー・ワン》などでかさ増しできる余地はあるのですが、デッキ採択の都合上、誘発受けに難のある初動に頼るとコンセプトが崩壊してしまいます。ここはある程度割り切りが必要なポイントです。
(《スモール・ワールド》はアリですが、やや構築をゆがめる必要があるのがネックです。)

とはいえ、テーマカード同士のくっつきがよく、具体的には「《六花来々》+下級モンスター」「《六花精ボタン》+下級モンスター」による2枚初動も動けなくはない(展開方法は割愛)ので、実際の初動率はもう少し高く見積もれます。
計算してみたところ、これらも含めた初動率は先手87%・後手92%といったところで、まずまず及第点と言えるでしょう。

かわいい

当の《ひとひら》ですが、《ピリ・レイス》を使っても惜しくない、このデッキの主役と言えるパワーカードです。
クセのない初動として機能するのはもちろん、毎ターン自己再生する効果を備えており、1度動きを通せば無限リソースとして機能するのが驚異的です。
初動の枚数に不安がある六花ですが、前向きに言い換えれば、「初手で《ひとひら》に1枚アクセスできればよく、2枚目以降を引き込む必要がないから、ダブつかないように枚数を絞っている」と言えなくもないです。言えないかな……。

3-2.その他の六花カードについて

《ひとひら》以外の、メインデッキに入る六花カードを解説していきます。

ちなみに、六花モンスターにはレベル4・6・8にそれぞれ「プリム&シクラン」「ボタン&エリカ」「スノードロップ&ヘレボラス」というカップルペアが存在しますが、どのレベル帯も片方しか採用されず見事に引き裂かれています。
シクランに関しては相方を《しらひめ》に奪われている有様で心中穏やかでないと思いますが……余談はこのあたりにしておきましょう。

  • 《六花精ボタン》3枚

逆帝ステータス(1000/2400)

《ひとひら》の主要なサーチ先です。
サーチリレーの中継点として優秀なカードで、基本は《来々》をサーチして後述の展開に繋げます。
一見《増殖するG》受けが悪そうなテキストですが、先述の通りGを見てからサーチ先を切り替えて1ドローで止まれるのも優秀です。
他のモンスターとレベルが合わないこと、かさばった時に出番がないことから枚数を減らしている構築も見られますが、この構築では準初動兼貫通札として機能することから強気に3積みしています。

  • 《六花来々》3枚

奥の子が《エリカ》

主に《ボタン》のサーチ先で、これも①の効果によりサーチリレーの中継点となります。
基本は《絢爛》に繋いで後述の展開を行うことになります。
このカードを飛ばして直接《ボタン》→《絢爛》と繋いでも同じ展開はできますが、このカードの真価は②の存在です。
六花カードにかかるコストを全て相手に押しつけられるようになるため、

  • 《ボタン》《スノードロップ》→相手をリリースして特殊召喚する

  • 《絢爛》→相手をリリースして2枚サーチする

  • 《しらひめ》→相手をリリースして相手の効果を無効化する

  • 《薄氷》→相手をリリースして相手をコントロール奪取する

と、軒並みタガが外れたパワーカードに変貌します。
これにより、《しらひめ》《薄氷》が強力な妨害にカウントできるだけでなく、《ボタン》《スノードロップ》《絢爛》がそのまま後手の捲り札を兼ねるようになり、構築の強度が大幅に上がります。

《闇黒世界-シャドウ・ディストピア-》に例えられることが多いですが、感覚的には《オルフェゴール・バベル》の方が近く、あるなしでテーマカードの強さが2段階は違ってくるので、常に張った状態でデュエルを進めるのが望ましいです。

これも枚数を絞った構築が見られますが、貫通札兼準初動であること、また後手は素引きが望ましいことから3枚採用としています。②の効果には名称ターン1制限がないので被りも怖くなく、2枚使えれば2回をリリース押しつけて捲りきれる可能性もあります。

  • 《六花絢爛》3枚

手前の子が《ヘレボラス》

テーマ名称のサーチカードです。
当然3枚積みですが、このテーマでは単なる《増援》だけではなく、「モンスターをリリースして発動するとペアをサーチできる」モードによる展開札としての役割を担います。
これにより《しらひめ》《プリム》をサーチ&特殊召喚して《ストレナエ》に向かうのがこのデッキの基本展開となります。
(《絢爛》を《ひとひら》のサーチに回してしまうと展開が弱まる、というのはこのためです。)

  • 《六花のしらひめ》3枚

何食わぬ顔してプリムを寝取った女

パッと見で強さがわかりにくいですが、複数の役割を併せ持つパワーカードです。
基本展開の時点で、

  • 《プリム》と合わせて《ストレナエ》を成立させる展開札

  • 墓地に控えて1妨害(+α)となる妨害札

という2つの役割を兼任しており、さらに素引きしていた場合は(要求値は高いものの)《指名者》のような貫通札として機能する可能性もあります。
また《来々》下での変貌が著しく、「相手モンスターをリリースして相手の効果を無効化する」という凄まじいカウンターを墓地から撃てるカードになります。
これも文句なしの3枚採用です。

  • 《六花精プリム》2枚

来ちゃった……♡(2回目)

粒ぞろいの六花カードの中で、唯一「不純物」寄りなカードです。
《しらひめ》とペアになっており、リリースモードの《絢爛》でサーチするとそのまま特殊召喚できることが特徴で、基本展開で《ストレナエ》を成立させるのに1枚必要です。
実際のところ、素引きしても簡単に吐き出せるのでそこまで邪魔ではないのですが、1枚採用で素引きしてしまうと「《絢爛》をリリースモードで撃てなくなる」ことがやや問題で、涙を呑んで2枚採用しています。

ところでこの枠は、《プリム》1枚・《サボウ・クローザー》1枚に散らすことも多いかと思います。《プリム》は1度使えればよく、適当なレベル4植物モンスターがデッキに眠っていれば《絢爛》の運用に支障は出ないので、2ターン目以降の蓋として使える《クローザー》を採用するという寸法です。 

そうしてもいいのですが、初動に不安のあるこのデッキでは、《来々》との組み合わせで準初動になり得ることから《プリム》を優先して採用しています。
《サボウ・クローザー》が有効に働くシチュエーションは元々かなり有利なことが多く、総合的にありがたみが薄いと感じたのも理由のひとつです。

  • 《六花精スノードロップ》1枚

きれいなおねえさん

基本展開には関係ありませんが、テーマカードの重ね引きにより展開が上振れた場合、及び後手捲りの際に活躍します。
華奢な見た目とは裏腹にパワフルなお姉さんで、《来々》下では相手モンスターをリリースして自分は横展開するゴリラと化します。
デュエル中1回使えれば十分なことが多く、必要なら《ストレナエ》で回収できることも加味して1枚採用としています。

  • 《六花の薄氷》1枚

左の子が《シクラン》(相方寝取られた子です)

《来々》前提のテーマ罠です。
単体では弱いですが、《来々》下では「相手モンスターを1体リリースし、相手モンスター1体のコントロールを得る」というバグカードになります。
先述したG受け展開にも使いますし、テーマカードを重ね引きしてサーチ先が余った時にも活躍します。増量も検討できるレベルです。

3-3.エクストラデッキについて

空いてます

先に申し上げますと、【純六花】のエクストラデッキはスカスカです。
本当に必要なのは《ストレナエ》《ティアドロップ》《アルセイ》《ハイペリュトン》くらいで、あとはほとんど使うことがありません。
(必須カードみたいな面で居座っている《ジャスミン》に関しては出した記憶すらありません。

そのため、今回は不採用ですが、《超融合》《強欲で金満な壺》といったエクストラ枠を要求するギミックを受け入れる余地もありますし、お好きなように改造していただいて大丈夫です。

  • 《六花聖ストレナエ》2枚

ナエちゃん

このデッキのメインエンジンです。
テーマカードを回収するランク4という点ですでに及第点の性能ですが、リリースされると任意の植物族エクシーズモンスターに化ける驚きの効果を持っています。
テーマエースである《ティアドロップ》はもちろん、《クイーン・オブ・ナイツ》《ハイペリュトン》《カンザシ》《オレイア》といった素出しが厳しいカードまで踏み倒しの選択肢に入っており、非常に扱いやすいです。
本来は純損失でしかない「モンスターのリリース」がそのまま強力なモンスターの着地に繋がり、盤面形成の要として非常に頼れる性能です。
できれば毎ターンアクセスしたいカードなので、採用枚数は最低2枚、3枚目も視野に入るといったところです。

  • 《六花聖ティアドロップ》2枚

召喚演出が美しい

このデッキのエースです。
癖のないフリーチェーン除去に加え、モンスターのリリースに反応して育つ強制効果を持っており、この地味なパンプアップのおかけで8000を削り切れることもあります。
《ストレナエ》から踏み倒すのはもちろん、《スノードロップ》のおかげで素出しも狙えます。

採用枚数は1枚でもいいのですが、「先行で1枚、返しのターンで1枚」使うこともあり、エクストラデッキにだいぶ余裕があるので2枚採用としています。

  • 《神樹獣ハイペリュトン》2枚

「しんじゅじゅう」ではないです

このデッキの貴重な無効系妨害枠で、《六花聖ストレナエ》でアクセスする有力候補です。できれば魔法カードを使用して下敷きに入れ、相手ターン中にモンスターにも魔法にもカウンターできるようにしておくとベターです。
1枚採用でいいのですが、枠に余裕があるので2枚採用しています。2枚使ったことは今のところありません。

注意点として、このカードの無効効果は相手ターンでしか使用できません。
展開中の誘発のケアとしては運用できず、もっぱら制圧モンスターとして活用することになります。

  • 《六花聖カンザシ》1枚

美人さん

《ストレナエ》の選択肢のひとつです。
ほぼ使いませんが、他の六花カードとの組み合わせで打点を伸ばすことができ、ワンショットに貢献することが稀にあるカードです。
先述の通り、エクストラにはだいぶ余裕があるので、このくらいの使用頻度のカードでも採用しておく余地があります。

余談ですが、「この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され、植物族になる。」というテキストが怖いです。💀

  • 《No.87 雪月花美神クイーン・オブ・ナイツ》1枚

名前負け

とても強そうな名前・イラスト・ステータスを持ち、「3つの効果から1つを選んでフリーチェーンで発動できる!」と強キャラ感溢れるテキストが目を引きます。
が、その中身は「伏せカード1枚の封印」「植物族限定の月の書」「攻撃力300アップ」……一番役立つのが「攻撃力300アップ」で、もはや最初から3500バニラだと思って使ったほうがいいでしょう。

《六花聖ストレナエ》から出せる最大打点であることが重要で、これのおかげでキルラインに届く可能性がわずかにあることを考えて1枚採用しています。《カンザシ》と似た立ち位置にあります。

  • 《森羅の守神 アルセイ》1枚

迷ったら「モリンフェン」(芸がない)

乱暴にまとめると、「フリーチェーンではない代わりに、除去がデッキバウンスになっていて、魔法罠も触れるティアドロップ」です。妨害として換算できない代わりに、おおむね除去の質はこちらの方が高いと言えます。

採用が分かれるカードだと思いますが、このカード以外にバック除去できるカードがろくになく、採用していないと詰むシチュエーションがあります。
単純に《ティアドロップ》と両方並べて2除去しつつライフカットする場面もあり、出番はそれなりに多いです。
どうせ他に入れるものもないので、UR消費は痛いですが涙を呑んで生成しましょう。

余談ですが、どんなカード名を宣言するかは遊び心が試されます。高らかに、その時頭に浮かんだカード名をタイピングしましょう。

ちなみに、1回だけミラーでアルセイに遭遇したことがあり、その時は《Evil★Twin イージーゲーム》を宣言されました。そんな煽り方あるんだ……。

GG EZ(1敗)
  • 《森羅の鎮神 オレイア》1枚

くさ・ひこうタイプ

《ストレナエ》の選択肢で唯一多面除去が狙えるカードです。
運任せで後半効果をぶっ放しても成功する可能性はあり、その場合は《アルセイ》以上の役割を果たしていることになりますが、さすがに基本は前半効果とセットで使うことになります。余った《スノードロップ》をコストにデッキトップ8枚を操作することが多いでしょう。

ただし、この構築では植物族モンスター自体の数を大きく絞っているので、デッキトップ操作込みでも失敗する可能性がそれなりにあり、除去としてはほとんど信用できないのが実情です。
「《アルセイ》《ティアドロップ》では間に合わないが、《オレイア》が成功すれば捲れる」ようなギリギリの場面でだけ頼る可能性があり、念のため1枚採用しています。

  • 《聖天樹の幼精》1枚

  • 《聖蔓の剣士》1枚

ただの樹
まず出ない

このデッキではサンアバロンギミックを採用していないため、《聖天樹の幼精》を単に植物族リンク1として起用しています。とはいえ出番はほとんどなく、《ひとひら》が妨害を受けてしまって貫通手段がない場合にのみ、棒立ちでターンを返すよりはマシという消極的な理由でリンク召喚します。

自傷ギミックがないので《聖天樹の幼精》の効果は活かせませんが、効果をよく読まない相手が殴ってきた場合のために、一応《聖蔓の剣士》もセット採用しています。出したことはありませんし、《聖蔓の癒し手》の方がいくらか有益かもしれません。

  • 《アロマセラフィージャスミン》1枚

  • 《森羅の舞踏娘 ピオネ》1枚

いらない
鬼舞辻無惨

どちらも使わないので、ひとまとめに紹介してしまいます。
特に《ジャスミン》はまず使いません。ライフ回復ギミックがないのでサーチ効果は死んでおり、リクルート効果を活かすには3体分の展開が必要ですが、それだけ頭数が並んでいる状態=既に展開が完了している状況で、《ジャスミン》に頼る必要がありません。
「抜けばいい」というご指摘はその通りだと思っており、そろそろこの枠を3枚目の《ストレナエ》にしようかと思っております。

《ピオネ》は《ジャスミン》に比べたらまだ使うシチュエーションがあり、「レベルの合わない植物2体しか残らなかったが、ピオネを出して2体捲ったら展開できる!」というシチュエーションでのみお祈りリンク召喚します。が、記憶にある限り祈りが通じたことはありません。
(オレイアの項にもある通り、このデッキはそもそも植物族モンスターの数を絞っているのだから当たり前です)
枠が余っているので継続採用していますが、他に入れたいカードがあれば抜いても構わない枠だと思います。

  • 《S:P リトルナイト》1枚

かわいい

「必須カードです!」という面構えをしているので採用していますが、常に植物族縛り下で戦うこのデッキでは出番が限られるのでなくてもいいかとは思います。
2ターン目以降の選択肢として、特にこのデッキに不足しているバック除去目当てでの利用はアリだと思いますが、直接攻撃できないデメリットが地味に響くので気をつけましょう。

4.展開の紹介

今さらですが、このデッキの展開例を簡単に紹介します。
後手や2ターン目以降は対面次第で最善手が分岐するので、ここでは共通して先行1ターン目に目指すべき展開を紹介します。

4.1-基本展開

初動:《六花のひとひら》(《ピリ・レイスの地図》)
盤面:《六花聖ストレナエ》《六花来々》
墓地:《六花のしらひめ》《六花のひとひら》

ひとひらnsefボタンサーチ
ひとひらリリースボタンssef来々サーチ
来々発動絢爛サーチ
絢爛ボタンリリースして発動 プリム+しらひめサーチ
プリムss しらひめss プリム+しらひめ→ストレナエxyz
ストレナエefボタン回収
(※必ずしらひめを外す)

見た目はシュールだが……?

これがもっとも基本的な展開となります。
一見して「女の子が横になっているだけの0妨害盤面」にも見えますが、その実、2妨害+返しのリソースを内包するなかなか秀逸な展開です。

  • 相手のモンスター効果の発動に対して、墓地の《しらひめ》が《ストレナエ》をコストに無効(1妨害)

  • 《ストレナエ》の効果で《ハイペリュトン》か《ティアドロップ》を特殊召喚(2妨害)

  • 墓地の《ひとひら》は相手ターン終了時に自己再生(リソース)

見落としやすい領域から連鎖的に強力な妨害が飛んでくる、【六花】の初見殺し性能の高さを物語る展開です。
さらに、《ストレナエ》の特殊召喚が5回目で、リリース耐性を持っているので実質《原子生命態ニビル》も食らいません。

一方で、「モンスター効果を使わずに《ストレナエ》を殴り倒す」という明確な解決策があり、わかっている相手はこれをホルスや《クシャトリラ・ユニコーン》《黒魔女ディアベルスター》(効果破棄)あたりで狙ってきます。必ずしもこの盤面を信用せず、引き込んだ手札誘発も含めて迎え撃つつもりで構えましょう。

また先述の通り、この展開はサーチのリレーで構成されており、サーチ先を素引きしていた場合は無効妨害を撃たれても貫通です。妨害を撃たれなかった場合は《六花の薄氷》にも手を伸ばす余裕があり、その場合は展開が上ブレます。

4.2-基本展開+《六花の薄氷》


罠が1枚増えただけだが……?

基本展開で既に持っているサーチ先があった場合、それを《六花の薄氷》に変えるとこうなります。先ほどと大して変わっていないように見えて、妨害の質はさらに磨かれています。

  • 相手のモンスター効果の発動に対して、墓地の《しらひめ》が《ストレナエ》をコストに無効(1妨害)

  • 《ストレナエ》の効果で《ハイペリュトン》か《ティアドロップ》を特殊召喚(2妨害)

  • 《薄氷》(《来々》)の効果で相手モンスターをリリースして相手モンスターをコントロール奪取(3妨害+α)

  • 墓地の《ひとひら》は相手ターン終了時に自己再生(リソース)

《薄氷》は1度プレイすれば2枚目以降の《ストレナエ》で使いまわすことが可能です。余裕があればこの展開を目指すように意識しましょう。

なお、同じ要領で、「サーチが余ったので《六花精スノードロップ》をサーチ、ストレナエをリリースして先行展開!」ということも可能です。
こちらは最終盤面が《ティアドロップ》+《ハイペリュトン》となり、相手によっては《ストレナエ》で止めるより強固となります。
が、正直なところこれは後手向きの選択肢で、先行ではあまりおすすめしません。総合的な妨害数が《ストレナエ》止めと大して変わらず、《ニビル》を食らう分わずかに誘発受けが悪くなるのが理由です。

4.3-絢爛初動展開(G受け展開)

初動:《六花のひとひら》(《ピリ・レイスの地図》《六花絢爛》)
盤面:《六花精ボタン》《六花来々》《六花の薄氷》
墓地:《六花のひとひら》

ひとひらnsefボタンサーチ
ひとひらリリースボタンss(ここにGを撃たれる)ef来々サーチ
来々発動薄氷セット

結局、女の子が横になっている

何回か登場したG受け展開を具体化したものです。
この展開はG受けはもちろん、《絢爛》を使わないのが利点で、《ひとひら》サーチに《絢爛》を使ってしまった場合の着地点としても使います。
一見もろそうですが、質の高い1妨害である《薄氷》と引き込んだ手札誘発があれば耐えられる見込みはあり、返しは勝手に《ひとひら》が自己再生して潤沢な状態でスタートできるので悪くはありません。
この展開を最低保証として押さえておけばひとまずは間違いないでしょう。

5.おわりに

いかがでしたでしょうか?
特に冒頭で話した「サンアバロン不採用の理由」については、具体的に言語化されている文献が少なく、私自身、最初は「ほんとにサンアバロンなしでデッキになるのか……?」と半信半疑でした。
今では自信をもって「【六花】にサンアバロンはいらない」と言い切れますが、似た悩みを抱えている方の参考になればと思い筆を執った次第です。

なおこのデッキ、《ジャスミン》《灰樹精》のような専用URを複数枚要求する【植物GS】の影響で高級デッキと誤解されがちですが、【六花】で必須と言える専用URは「《ストレナエ》2枚・《ティアドロップ》1枚~2枚・《アルセイ》1枚」程度で、なんとメインデッキの専用URは0枚と極めてお手軽なデッキです。

この記事が、「なんとなく興味はあったんだけど、高そうだし何するか知らないし敬遠してたんだよな……」という方にこのデッキを組んでもらうきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません🌸

ご高覧ありがとうございました<(_ _)>

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