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【マスターデュエル 2024.5】誘発型アーマード十二獣のススメ〜誘発19枚採用!


1.はじめに

はじめまして、なごにゃんと申します。
紙の遊戯王は物心ついたころから、マスターデュエルはサービス開始日からどっぷりプレイしているアラサーおじさんです。

noteを書くのは初めてですが、前期(Season24)~今期(Season25)にかけて練った【誘発型アーマード十二獣】の使用感がとてもよかったので、その魅力をお伝えしたいと思います。

このデッキは、先行の盤面こそ1~2妨害に留まるものの、

  • 手札誘発枠が非常に多い(20枚近くある) ←最重要

  • 初動が潤沢である

  • かぶった初動がダブつかず、貫通札に回せたり有効牌に変換できたりする

  • 誘発受けがそこそこよい

  • 後手1キルできる程度の火力もある

と、ミッドレンジに求められる要件を高水準で満たしています。
操作時間が短く「カロリーが低い」タイプのデッキですが、考えるとなかなか奥が深いので飽きにくく、ランクマッチを長時間走るのにも向いているデッキタイプと言えます。

さらに、OCGではリミットレギュレーションが大きく異なるため再現不能で、
マスターデュエルならではの構築である点も魅力のひとつと言えるでしょう。
紙の歴史をなぞるのに疲れたら、こんな異説に手を出してみるのも一興ではないでしょうか。

2.盤面の紹介

構築を見ていただく前に、このデッキで目指す盤面を紹介します。
「ダークナイトランサー+ドランシアを目指し、無理なら片方を諦める」とだけ覚えればOKです。

ダークナイトランサー+ドランシア(基本展開)

墓地にはフルアーマードエクシーズがあります
  • ドランシアによるフリーチェーン除去

  • ダークナイトランサー(フルアーマードエクシーズ)による準フリーチェーンモンスター吸収

の2妨害です。
淡白ですが、このデッキの最大展開となります。

いわゆる「着地狩り」×2に留まるマイルド妨害なので不安にも思えますが、実際には大量の手札誘発も妨害に換算できるので、あっさり突破されることは少ないです。

先行ではできるだけこの展開を目指し、相手の展開をいなし、2ターン目にライフカットを狙うのが基本戦術となります。

この展開を目指せる1枚初動は、今回の構築の場合

  • 《SRベイゴマックス》3枚

  • 《十二獣モルモラット》1枚(+《炎舞-「天キ」》3枚)

の計7枚、これらを除いた組み合わせ初動を考慮すると

  • 十二獣モンスター6枚×《十二獣の会局》3枚

  • 《十二獣サラブレード》3枚×《十二獣ラム》3枚

  • 《朔夜しぐれ》2枚×《SRタケトンボーグ》1枚 ※ネタではなく、まれに使います

もカウントできます。
先手では約77%、後手では約85%でいずれかの初動が揃うため、再現性にはそれなりに期待できます。
この初動がない場合でも、十二獣カードが1枚あればダークナイトランサー単騎orドランシア単騎まではたどり着くことができ、それも含めた初動率は先手約93%、後手約97%といったところです。
本当に何もできない初手になることはそうそうなく、割り切ってよいでしょう。

展開方法は以下となります。
なお、最終的にフルアーマードエクシーズを発動して墓地に置く必要があるため、ランサーかドランシア、どちらか片方は育てきらず直前の形態で止めましょう。(n敗)

【インヴォーカー初動】
ベイゴマssタケトンサーチss
ベイゴマ+タケトン→インヴォーカーxyz
インヴォーカーef十二獣(ラム推奨)ss
インヴォーカー→フォートレスxyz
フォートレスefアーマードエクシーズ2種サーチ
(フォートレス→ゼロランサーxyz ※任意)
十二獣→ハマーコングxyz→ドランシアxyz
フルアーマードエクシーズセット
相手ターン開始時にフルアーマードエクシーズ発動 フォートレス(ゼロランサー)→ランサーxyz

【モルモラット(サラブレード+ラム)ルート】
モルモラットnsefラム墓地送り
(サラブレードefラム捨てでも同じ)
モルモラット(サラブレード)→ライカxyz
ライカefラム蘇生
ライカ→ハマーコング→ドランシアxyz
ドランシアefラム破壊
ラムefライカss
ライカ→タイグリスxyz
タイグリスefドランシアにラム追加
タイグリス→フォートレスxyz
フォートレスefフルアーマードエクシーズサーチ
フルアーマードエクシーズセット
相手ターン開始時にフルアーマードエクシーズ発動 フォートレス→ランサーxyz

【十二獣+会局ルート】
十二獣ns→ハマーコング→フォートレスxyz
フォートレスefアーマードエクシーズ2種サーチ
フォートレス(→ゼロランサー)→ランサーxyz
アーマードエクシーズefランサーにハマーコング装備
会局efハマーコング破壊十二獣(ラム推奨)ss
十二獣(ラム)→タイグリスxyz
フルアーマードエクシーズセット
相手ターン開始時にフルアーマードエクシーズ発動 タイグリス→ドランシアxyz

ダークナイトランサー単騎(妥協展開1)

  • ダークナイトランサー(フルアーマードエクシーズ)による準フリーチェーンモンスター吸収

の1妨害です。
十二獣1枚初動のほか、インヴォーカーに妨害をもらった際にもここにたどり着くことになります。

展開方法は、十二獣の上に順に重ねるだけなので割愛します。
なお、必ずフォートレスで2枚サーチする必要があるため、アーマードエクシーズカードを片方でも素引きしていると使えないことには注意です。

ドランシア単騎(妥協展開2)

  • ドランシアによるフリーチェーン除去

の1妨害です。
フリチェ除去は決して侮れず、誘発の枚数次第ではドランシアが生きたままターンが返ってくることもそれなりに期待できます。
Gの止まりどころとしても頻出です。 

展開方法は、十二獣の上に重ねるだけなので割愛します。
特にラム入りの場合は、Gをもらっていなければ2素材にすることを心がけましょう。

ランサーとドランシア、どちらを優先する?

初動が十二獣1枚の場合、ランサーとドランシアのどちらを目指すか悩みます。
(もちろん、Gをもらった場合はドランシア一択となります。)

質から言えば、できればランサーを優先したいです。
このデッキは「アーマードエクシーズの素引き」という時限爆弾を抱えており、早めにデッキから引っこ抜いてしまいたいことが最大の理由になります。
また、ランサーが生き残ってターンが帰ってきた場合のバリューも非常に高いです。

もっとも、毎回そう上手くは行きません。
ランサー単騎を目指すルートはフォートレスが急所で、ここに誘発をもらうと0妨害になります。

マストカウンター

フォートレスには全ての誘発が刺さります。効果無効系はいずれもクリティカルで、幽鬼うさぎもかなり重くもらいます。本来の【十二獣】は誘発耐性が高く、異物であるこのギミック以外には誘発の打ちどころがほぼないことも災いし、腐った誘発の的にされやすいです。(モルモラット・サラブレード・会局が無効系誘発を受けてくれることもありますが、ほとんど悪手なので考慮しないものとします。)

そのため、

  • 《墓穴の指名者》を引けており、誘発を弾いて展開できそうである

  • 十分な量の手札誘発を引けており、盤面が0妨害になっても耐えられる見込みがある

といった時は勇気を持ってランサーを目指し、そうでない時はドランシアに落ち着けることも視野に入れましょう。
さすがにドランシア単騎が強いとは言いませんが、手持ちの誘発と合わせて1ターンを凌げる可能性は十分にあり、下振れを拾うのには及第点と言えるでしょう。

この「ランサードランシア問題」(※勝手に呼んでいるだけです)は奥が深く、どちらを目指すべきか断言はできません。
皆さまのご意見をうかがえると幸いです。

なお共通して言えることですが、フォートレスに妨害をもらってフルアーマードエクシーズをサーチできなかった場合、手なりでランサーを重ねるのはやめましょう。(耐性による生き残り目当てでゼロランサーを重ねるのはアリです)
このデッキはフォートレス2枚採用なので、ランサーは温存して返しの攻め手に使うのが無難です。

3.構築 

今期(Season25/2024.05)のリスト

一般的な【十二獣】のリストと比較して、

  • 《十二獣ヴァイパー》が不採用であり、《十二獣サラブレード》《十二獣ラム》《炎舞-「天キ」》がすべて3積みである

  • 自由枠をほぼ全て手札誘発に割いている

といった点が特徴的です。
これらの点を中心に、各カードの役割と採用理由について解説します。

十二獣カードについて

このデッキでは、実質十二獣モンスターとしてカウントできる《炎舞-「天キ」》を含めて、

  • 《十二獣モルモラット》1枚

  • 《十二獣サラブレード》3枚

  • 《十二獣ラム》3枚

  • 《十二獣の会局》3枚

  • 《炎舞-「天キ」》3枚

の13枚体制となっています。
最低1枚(できれば次のターンまでにもう1枚枚)初手に舞い込んでほしく、先の確率計算から言っても総数の下限はこのくらいかと思います。ベイゴマックスも実質十二獣カードなので、少なすぎるということはないでしょう。

ラム・サラブレード・天キを最大投入している理由は、基本展開の再現性を最大まで高めるためです。

基本展開(最大展開)

先ほど紹介した通り、天キはモルモラットをサーチすることで1枚初動となり、サラブレード+ラムは組み合わせで2枚初動となります。
安定性重視の構築であるため、ここを最大数採用してできるだけ同じ動きができるようにします。

3枚来なければいい

「天キ3枚は被りがきついのでは?」「ラム3枚はダブつくのでは?」という意見もあるかと思いますが、被ってもまったく問題ありません。むしろ、リソースが循環しないこのデッキでは次の攻め手を常に抱えておきたい(詳細は後述)ので、歓迎とすら言えます。

さすがに「ラムラム天キ天キ誘発」のように3枚以上の被りは死に札になりがちですが、そこで偉いのがサラブレードの存在です。

1600打点も強い

過剰に被ってしまった十二獣を有効牌に変換できる可能性があり、捨てたのがラムならそのまま基本展開に移行できます。
大量の手札誘発を擁するこのデッキではドローの質にも期待でき、サラブレードを介したかどうかで最終的な妨害数が変化する可能性もあります。

まとめると、「十二獣の被りは2枚までなら歓迎」で、「3枚目以降はサラブレードで変換できる」ので、そもそも被りを恐れる必要がありません。
それよりも再現性を優先して、パーツは強気に最大枚数積んでいます。

抜くのは勇気が必要だった

ヴァイパー(および他の十二獣モンスター)も採用圏内ではあります。
最低限ランサー単騎orドランシア単騎にはなり、ランサー+ドランシアを目指す2枚初動としても、会局orサラブレードとの組み合わせで問題なく運用できます。
要はラム相当の役割をこなせるため、使うのならラムの枚数を調整して採用することになるでしょう。
(サラブレード×ヴァイパーを初動にする場合、ライカで釣り上げたヴァイパーを相手ターン開始時にフルアーマードエクシーズでドランシアにすることでランサー+ドランシアを達成できます。)

とはいえ、サラブレード×ヴァイパーの初動の質は明確にサラブレード×ラムに劣ります。

  • ラムであれば、フォートレスに無効妨害をもらってもドランシアを残せるが、ヴァイパーの場合は0妨害になる。(ドランシアを作るのに、フォートレスでサーチするフルアーマードエクシーズが必要なため)

  • ラムであれば、ドランシアが2素材+泡影耐性つきになるが、ヴァイパーだと1素材+耐性なしとなる。

よって、初動の質を優先するのであればラムを押しのけることはなく、採用の可否は固有効果にどれだけ価値を見出せるかによります。

意識外から1200パンプアップできるのは魅力的ではあるのですが、このデッキはアーマードエクシーズ要素によりライフカット性能が担保されているため、【純十二獣】に比べてありがたみが薄いです。コンバットトリックとして運用できる可能性もありますが、2024年に《BF-月影のカルート》が活躍することはそうそうありません。

識者の意見には「十二獣ネームが被った場合にも有効牌として扱えるから強い」というものも見られましたが、先述した通り「被りは歓迎」というスタンスなのでこれも必要性を感じませんでした。

調整していくうちに「ラム1ヴァイパー2」「ラム3ヴァイパー1」のように変遷し、思い切って全抜きしても特に困らなかったのでそのまま不採用になったという経緯があります。

さすがに全抜きすると耐性持ちの処理に困るのでは……? と今でも思っていますが、そのようなシチュエーションになったことがないので真偽のほどは不明です。
全抜きしているリストを他で見たことがないので、私が見落としている強みが他にあるのかもしれません。ご存知の方がいらっしゃれば教えていただけると幸いです。

自由枠(≒手札誘発枠)について

十二獣は豊富な自由枠が強みですが、このリストではそのほとんどを手札誘発に振っています。昨今では誘発12〜13枚程度のデッキも珍しくないですが、さすがに19枚となると【誘発型】を名乗れるだけの特徴になるでしょう。
同名被りを考慮しない計算ですが、初手に誘発を2枚以上引ける確率は約88%で、重ね打ちを現実的な妨害プランとして考慮することが可能です。

おなじみ

「十二獣の自由枠といえば罠じゃないの?」とお思いの方も少なくないと思います。
確かに省スロットな十二獣と《神の宣告》《神の通告》のような罠カードは相性がよく、控えめな盤面を補ってくれることもあって有力な選択肢のひとつと言えます。

しかし、

  • 後手で役に立たないこと(後手で開いても強いような罠は、アーマードエクシーズと噛み合わせが悪いか規制されている)

  • 素引き前提で、同じ役割のカードをまとまった枚数採用できないため、罠を引く前提の構築ができないこと

を嫌って、このリストでは不採用としています。
もっとわかりやすく言えば、

「先行で引けたら嬉しいカードを少数散らすより、先後どちらでも強いカードをたくさん積んで、引きムラやコイントスによる勝率のブレを平準化したい」

といったところで、私の嗜好によるところが大きいかもしれません。
また今期は無効系誘発が非常に強く、罠相当の効き目があり得たことも影響しています。

入らない

「先手後手どちらでも強い」という視点は重要で、逆に極端に後手に寄ったカードも積んでいません。《原始生命態ニビル》が不採用になっている理由のひとつです。(そもそもリソースが限られる十二獣に《拮抗勝負》《禁じられた一滴》のようなカードが馴染まないのもあります。《サンダー・ボルト》《冥王結界波》辺りはアリですが、環境的にあまり強くありません。)

誘発19枚の内訳について

環境最大母数の【スネークアイ】系統を意識して、その他のデッキもある程度拾えるように種類を散らしています。尖った誘発よりも、どのデッキにも丸く打てるカードを多く採用することを重視しています。

  • 《増殖するG》3枚

  • 《灰流うらら》3枚

採用理由は説明不要でしょう。
対スネークアイのうららは強いですが、《原罪宝》か下級の共通効果(頭数が減るタイミング)にのみ撃つようにしましょう。下手にリンク値が残る状況で撃つと相手のヒータ成立≒咎姫の状況になってしまい、そのままリソース勝負に持ち込まれてジリ貧で負けます。

  • 《エフェクト・ヴェーラー》3枚

  • 《無限泡影》3枚

  • 《朔夜しぐれ》2枚

ヴェーラーと泡影は名称ターン1がないのが非常に偉く、誘発の被りを是とするこのデッキでの使い勝手は最高です。環境での通りもよく、《黒魔女ディアベルスター》《スネークアイ・エクセル》《ピュアリィ・リリィ》などに一貫してクリティカルヒットします。さすがに1枚だと貫通されることも多いですが、他の誘発と重ね持ちしている場合、当てどころを間違えなければかなり弱い盤面にまで持ち込めるでしょう。

かわいい

しぐれは、これらの7枚目・8枚目としての役割を持ちますが、通常召喚された《エクセル》《リリィ》に撃てない、同名被りがきついなど劣化点が目立ちます。あくまで水増しと割り切るべきでしょう。
ただ、こちらのターンに特殊召喚された《白銀の城のラビュリンス》に撃てるなど、思わぬところで意識外の刺さり方をするのが面白いです。

2500打点もある

しぐれの仮想敵として遭遇頻度が高いのは《黒魔女ディアベルスター》《クシャトリラ・ユニコーン》あたりです。泡ヴェーラーと変わらない使用感で撃てる上に、すぐに場から離れようとするので2500バーンがしっかり入ります。
アーマードエクシーズ要素込みでもライフカットがギリギリなこのデッキについてはありがたいと言えます。

  • 《屋敷わらし》3枚

環境的に強い誘発ですが、被りがきついので正直2枚でいいです。この枚数は《ビッグウェルカム・ラビュリンス》へのカウンターを増やして苦手なラビュリンスをどうにかしようと思った結果で、調整の際には《ハーピィの羽根帚》も入ったり抜けたりしていました。
現在(2024.05.20)はラビュリンスも減少傾向なので、調整するとしたらこの枠かなと感じています。

  • 《幽鬼うさぎ》2枚

強いです。《王の棺》スタートのホルス系統には大打撃を与えられますし、展開を弱めたスネークアイの《I:P マスカレーナ》にもよく効きます。その他、いわゆるTier3以下に打ちどころがあるデッキが多く、雑多なデッキとマッチングするランクマッチで完全に腐ることは少ないです。性質上、刺さるデッキには致命打を与えやすく、斬機の《トランスコード・トーカー》などに当ててイージーウィンをもぎとれることもあります。

指名者について

後手でも強い

誘発受けのよい【純十二獣】は指名者全抜きがメジャーですが、このデッキは普通に誘発を食らいますし、Gに強いわけでもないです。
(さすがに「ドランシアがいるからG受けがいい!」と喧伝できるものではありません。)

先行向きのカードではありますが、後手でもスネークアイを捲るのに役立つことを考えて《墓穴》のみを採用し、先行に振り切っている《抹殺》を不採用としています。

ちなみに《三戦の才》は十分採用圏内で、先後どちらでも強いカードを積みたいこのデッキの思想ともマッチしています。採用するなら誘発の枠を少し削るのがオススメです。

ベイゴマックス出張について

3枚使える

最強の初動です。
《SRタケトンボーグ》を抱えることにはなりますが、それを補って採用価値がかなり高いパワーカードです。
マストカウンターと誤認されやすい《インヴォーカー》を経由することが最大のメリットで、ここに無効系誘発を誘って本命のフォートレスを通す、ということがよくあります。
召喚権を使わないため、十二獣カードを合わせて引いていればそのまま貫通して最大展開までいけます。

タケトンボーグの素引きは痛いですが、ベイゴマ本体やしぐれと重ね引きしていれば一応吐き出せること、それらが来なくても「実質1ハンデス状態」以上のペナルティにはらないことから、言うほどゴミでもないです。もっと引きたくないカードを抱えているため感覚が麻痺しているかもしれませんが……。

アーマードエクシーズについて

「もっと」
「引きたくないカード」

……名誉のために弁解すると、先手では妨害の追加、後手ではライフカットを務めてくれる非常に強力な出張ギミックです。
たった2枠を割くだけで飛躍的に動きが伸び、「妨害数に不安がある」「ライフカット性能が不足している」という十二獣の弱点をきれいに補ってくれることから採用価値は高いです。

が、その代償として素引きが弱く、メインのルートに支障をきたすことがあります。

具体的な例をあげます。

初手:《SRベイゴマックス》《墓穴の指名者》《アーマード・エクシーズ》+誘発2枚

最強の初動である《ベイゴマックス》と《墓穴》を重ね引きできており、先行の初手としては理想的に見えます。しかし、《アーマード・エクシーズ》を引いてしまっているばかりに最大展開まで行けません。 

なぜなら、インヴォーカーにフォートレスを乗せると2素材になってしまい、デッキに残っているアーマードエクシーズカードの総数を上回ってしまうからです。
フォートレスの素材を外しきれないので、ランサーを乗せることができず1妨害減ります。

えらい

この場合は、作るランク3をトルピードにして、素材を2つ外すことでケアできますが、インヴォーカーのように横に十二獣を出力できないため、十二獣カードを素引きしていない場合はランサー単騎の盤面で終わってしまいます。

また、先行で十二獣1枚からランサー単騎を目指せなくなることにも注意です。先行=十二獣の素材を外せない状況下ではフォートレスの素材数を調整できないため、ドランシアで止めざるを得ません。

「アーマードエクシーズカードの内、どちらか片方を素引きしてしまう確率」は先行で約23%、後攻で約28%と無視できる数字ではありません。
このデッキを握ることは、すなわち「アーマードエクシーズの素引きとどう向き合うか」を考えることに他なりませんので、悲観せず前向きに考えましょう。

片方を素引きしてしまった場合の影響を具体的に言語化すると、

  • 《ベイゴマ》初動の出力が少し落ちる

  • 十二獣1枚初動の着地点としてランサーを選べなくなる

といったところで、妨害数が減ったり質が下がったりはするものの、0妨害にまで追い込まれることはなく、致命的とまでは言い切れません。(さすがに両方引いた場合は別です。割り切りましょう……)

また、《モルモラット》《天キ》始動の場合は元からアーマードエクシーズカードを片方しかサーチしないので影響がなく、むしろ「フルアーマードエクシーズを素引きしていたが、フォートレスにうららを撃たれて実質貫通」ということがあり得ます。
こうなると、もはや災い転じて福となす、素引きしていたよかった! と言えるかもしれません。

「片方素引きはよくあること、せいぜいベイゴマが使いにくくなるだけ!」と自分に言い聞かせましょう。両方素引きが続いたら神社にいきましょう。

エクストラデッキについて

驚異的な黒さ

さすがに《S:Pリトルナイト》くらいは入れるべきかと思いましたが、マスカレーナが不採用なので妨害としては運用しにくく、捲り札としては直接攻撃できないデメリットが重めに響きます。(リソース勝負に弱く、ちんたらターンを返していると負けるのが十二獣です……)
リトルナイトがないから〇〇が除去できず負けた! というシチュエーションが来るまではこのままでいいかと思っています。 

《未来龍皇》セットについても、あれば上ブレ時の盤面が盤石なものになるので魅力的なのですが、いかんせん枠が厳しいです。
強い初動を重ね引きし、かつ全て通った場合にしか出番がないことにも鑑み、今回は割り切って不採用としています。

  • 《十二獣ドランシア》2枚

  • 《十二獣ライカ》2枚

  • 《十二獣タイグリス》2枚

  • 《十二獣ワイルドボウ》1枚

  • 《十二獣ハマーコング》1枚

十二獣エクシーズは、2巡しても窮屈にならない程度の枚数が【十二獣】を名乗れる下限だと思っています。
よって、まず全種2枚ずつ採用し、素材のかさ増しに1度使えれば十分な《ハマーコング》、同じくかさ増し用途が主で後手のアーゼウスプランを兼用する《ワイルドボウ》を1枚ずつ減らして運用しています。
これ以上減らすのは厳しく、抜くとしたら《十二獣ライカ》か《十二獣タイグリス》の2枚目ですが、先行展開/後手のライフカットのどちらでも出番があるので安易に削るのは悩ましいところです。

  • 《M.X-セイバー インヴォーカー》1枚

ベイゴマックスと十二獣を結びつけるカードです。必須です。
ベイゴマックスの項でも話しましたが、非常に妨害をもらいやすいのも利点です。このデッキのインヴォーカーは別にマストカウンターではなく、妨害をもらってもそのままランサーを目指せますし、ベイゴマ初動なら召喚権も余っているので十二獣カードを引いていれば余裕で貫通できます。

  • 《エクシーズ・アーマー・トルピード》1枚

  • 《エクシーズ・アーマー・フォートレス》2枚

  • 《FAーダーク・ナイト・ランサー》1枚

アーマードエクシーズ要素はこの枚数で固定です。《トルピード》は、「アーマードエクシーズを片方素引きしている時のベイゴマックス初動」でしか出番がありませんが、起こり得るシチュエーションなので拾うために必須です。
《フォートレス》は、1枚にしたり《ヴェスペネイト》と散らしたりする選択肢もありますが、このデッキに関しては2枚採用を強く推奨します。
理由はシンプルで、1枚だと無効をもらった時点でアーマードエクシーズへのアクセスが断たれるからです。
このデッキは、サブプランとしてアーマードエクシーズを取り入れている【御巫】のようなデッキとは異なり、アーマードエクシーズがないとまともにライフカットできません。
また、2枚採用にすることで「1ターン目で《フル》を、2ターン目で素の方を」と分けてサーチすることができるのも優秀で、実際にモルモラットプランではそれを採用しています。

  • 《FAークリスタル・ゼロ・ランサー》1枚

昔は高かった

目立たない方のランサーです。
後手で素材を外してフォートレスを墓地に置けることが重要です。
これがないと装備用のエクシーズモンスターが墓地に落ちず、アーマードエクシーズが呪いの装備になる(十二獣エクシーズを装備すると攻撃力が0になる💀)ので必須です。
効果も影が薄いとはいえ馬鹿にできず、《珠の御巫フゥリ》の耐性を剥がしたりできる可能性があるので一応覚えておきましょう。

  • 《天霆號アーゼウス》1枚

十二獣といえばコレ、のスーパーカードです。
後手でライフカットが厳しそうな場合は、他で妨害を吐かせつつアーゼウスの成立を目指します。
特に語ることはありませんが、他のミッドレンジ系を差し置いて十二獣を使う大きな理由になるカードで、当然必須と言えます。

4.プレイング・小ネタ

この項には、ちょっとした気づきやプレイングのコツなど、小ネタを雑多に書き殴っています。

攻め手を絶やさない

この人がいれば話は別だが…

これまでの文章中にも何回か登場した概念ですが、具体的に言語化します。
このデッキには、展開の中で後続の十二獣カードをサーチorサルベージできるような機構がありません。
「1ターン目に展開し、2ターン目に再展開してライフカットし切る」という理想ムーブのためには、十二獣カードを2枚抱えておく必要があります。
構築段階で注意すべき事項(十二獣カードを減らしすぎないようにする)でもありますが、実践におけるプレイングについても、《十二獣サラブレード》の効果を無闇に狙わないことが大事になってきます。

具体的な例を挙げます。

初手:《十二獣サラブレード》《炎舞-「天キ」》+手札誘発3枚

このような初手の場合、《炎舞-「天キ」》でラムをサーチ、サラブレードnsでラムを捨てられると、基本展開に移行しつつ1枚デッキを掘れるのでお得な気がします。
しかし、この場合は悪手であり、《炎舞-「天キ」》のサーチ先をモルモラットにして、サラブレードはキープしておくのが無難と言えます。
理由はシンプルで、予測不能の1ドローより次のターンの攻め手を確保しておくことが優先だからです。

もちろん、例外はあります。

初手:《十二獣サラブレード》《十二獣ラム》+手札誘発3枚

このような手札の場合、せっかく基本展開の2枚初動となるサラブレード×ラムが揃っているのに、片方を温存して妥協展開に進む必要はありません。あくまで展開の質>後続の確保の優先順位となります。

また、

初手:《十二獣サラブレード》《炎舞-「天キ」》《炎舞-「天キ」》+手札誘発2枚

このように、(実質)十二獣ネームが3枚以上被っている時は過剰なので、積極的にサラブレードを利用して大丈夫です。《炎舞-「天キ」》でラムをサーチ、サラブレードnsでラムを捨てる……と動くのが最善でしょう。

端的にまとめると、「できるだけ手札の十二獣を使い切らない」意識が重要になります。

《十二獣の会局》を過大評価しない

元禁止カード

よく勘違いされますが、《十二獣の会局》は1枚初動ではありません。モルモラットはssでは効果が発動しないので、これ単体では大した動きに繋がりません。
最低保証となるドランシア単騎を目指すにしても、Gで余分に1枚引かれてしまう受けの悪さが目立ちます。

このカードが元禁止のパワーカードであるという先入観を捨て、

  • あくまで組み合わせ初動の片割れで、メインの役割は貫通札である

  • 使わずに済む場合は手札に残し、割らずに済む場合は場に残してリソースとして扱う

ことを意識して運用すると、途端に使いやすくなります。

「使わずに済む場合は手札に残す」例を挙げます。

初手:《十二獣モルモラット》《SRベイゴマックス》《十二獣の会局》+手札誘発2枚

このような初手の場合、まず《会局》を使うような事態にはなりません。なんなら《ベイゴマ》展開が通れば《モルモラット》すら召喚する必要がなく、《モルモラット》と《会局》はもっぱら貫通札兼次のターンの攻め手として手札に控える格好になります。

このデッキの最大展開はランサー+ドランシアで、初動を重ねて持っていても展開は伸びません。せっかく使える会局を温存するのは感覚的に勿体ない気もしますが、ここはグッとこらえて攻め手を抱えておきましょう。

「割らずに済む場合は場に残す」については、早い話が「天キを割るとお得」なのですが、他にもこんなシチュエーションが想定できます。

初手:《十二獣サラブレード》《十二獣の会局》+誘発3枚

このような初手の場合、まずサラブレードでランサーを目指し、サーチした《アーマード・エクシーズ》をそのまま発動してランサーに十二獣エクシーズを装備、それを会局で割って展開しましょう。ランサーの効果でアーマードエクシーズは回収できるので、無償で会局を残せます。
仮にフォートレスが妨害を受けた場合は、そのフォートレスを割りましょう。棒立ち2500バニラより会局を残す方がバリューが高いです。

ベイゴマックス(インヴォーカー)はデッキバレする前に使う

紙でも3枚使いたい

正体不明の対面から《SRベイゴマックス》が特殊召喚された場合、ここに《無限泡影》や《エフェクト・ヴェーラー》を当てたくなりますでしょうか? 殆どの方は、よほど誘発を重ね引きしてない限りは温存するでしょう。

その理由は、

  • ベイゴマックスが入るデッキは他にも取り回しのよいレベル3モンスターが入っていることが多く、それらを召喚するだけでほぼ無償で貫通されるから。

  • その後の《インヴォーカー》や《ミラージュスタリオ》に当てるほうが効き目がよいから。

といったところでしょうか。 
この定石を利用してベイゴマを通し、インヴォーカーに誘発をもらっても低い要求値で貫通できるのはこのデッキの強みと言えます。

ところが、【十二獣】であることがバレていると話が180度変わります。

  • 他に入っているレベル3モンスターが誘発くらいなので、ベイゴマへの誘発が普通に痛い。(誘発nsでケアできなくはないが、かなり苦しい)

  • 《インヴォーカー》は十二獣を呼ぶだけであまり展開が伸びないので無視してもよく、むしろそれに重ねて出てくる《フォートレス》がマストカウンターである。

相手がどの程度このデッキを理解しているかにもよりますが、できればデッキバレする前にベイゴマ(インヴォーカー)を切りたいところです。
具体的には以下のような初手で気をつけるべきです。

初手:《SRベイゴマックス》《炎舞-「天キ」》《炎舞-「天キ」》+誘発2枚

パッと見、《インヴォーカー》の効果を使う前に《炎舞-「天キ」》でラムをサーチし、インヴォーカーで呼ぶのをサラブレードにしてデッキを掘りたいところです。
ところが、先述の理由によりこれは悪手と言えます。天キでデッキタイプを公開する前にインヴォーカーを使い、いかにもここがマストカウンターであるかのように振る舞うべきでしょう。

5.おわりに

さすがに最新のテーマに比べて出力は劣りますが、2016年出身のテーマが、核(モルモラット・ブルホーン)を潰された状態でこれだけ戦えるのは驚異的です。もちろんテーマの地力もありますが、アーマードエクシーズによるブラッシュアップが大きいと思います。

私はどうにも「罠とドランシアで戦う」感じの【純十二獣】が肌に合わず、これならモンスター枠がパキケとかでも変わらない(なんならそっちの方が強い)と感じていたのですが、【アーマード十二獣】に出会って考えが変わりました。ドランシアに甘んじず、能動的に動ける十二獣は強いです。

なおこのデッキ、一見要求URは多いですが、そのほとんどが汎用的な手札誘発で、専用URもつぶしが効くドランシア・会局・ランサーくらいとお手軽なデッキです。
興味を持たれた方はぜひ触ってみていただけると幸いです🙆‍♂

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