格闘の日々が約束された
#実践記録 2021/04/13(火)
入学式を終え,今日から本格スタート。
授業1日目。
当面はスタートアップカリキュラムに沿いながらになる。
7日間の時間割が組まれている…。
「安心して小学校に通えるように」
同時並行で“子ども理解”と“布石打ち”。
7時ちょい過ぎに出勤。
この時間だと,いくつか仕事ができる。
・避難訓練
・花壇整備
2つの文書を起案。
9割方作ってあるので,ちょちょい。
明日の会議に間に合うかな。
出し忘れていたという凡ミス。
減らすための仕事マトリックス。
どんな雑務も…
自分なりに“工夫”を凝らせばおもしろくなる。
□ アーサー・タイム
7時45分過ぎから子どもたちが入室。
登校班の班長が連れて来てくれる。
6年生のお手伝い部隊もスタンバイ。
来る時間に20分ほどの開きがある。
個別に教えて回る。
まずは全体指導を入れたいところだが…
カオスを受け入れ,指導にあたる。
6年生にもどんどん手伝ってもらう。
昨年度の子たちとは,比較しづらい。
5月の分散登校。
6月スタート。
2カ月後の姿と比べられちゃあ厳しい。
さて,この“厳しさ”は一般的と比べてどうなのか?
漏らす子,泣く子,ふざける子…
ここまでくるからおもしろい。
6年生もいるので,朝の段階で提出物も出させる。
種類ごとに分ける。
8時10分からは創立記念式がある…
放送で15分からになった。
そのおかげで,何とか準備を完了。
□ 朝会
我が校の良いところ。
校長先生がパワポにまとめてくださった。
全部で16問。
いろいろな仕掛けがある。
○×か3択問題。
子どもたちはテレビに惹きつけられていた。
ただ…
子どもの反応はまちまち。
全体的には盛り上げっていると言える。
が,テレビ画面を観ないYさん。
クイズに対して,あまり心を動かさない子たち。
趣味趣向の差や温度差。
それでも,「選択式」の問いは有効活用していきたい。
□ 朝の会
▼ 挨拶
立つまでの構え。
立ってからの椅子のしまい方。
この2点に集中して指導する。
私の指示に対して,どれだけ反応できるか。
発する言葉を聴く前の目が良い子が何人か。
この子たちを相手にしていきたい。
▼ 日付け
▼ 時刻
思考を介さず,復唱。
感覚に入れる。
□Ⅰ 学級活動
▼ ロッカーの使い方
30人いるので,半分に分けて整えさせる。
モデルを示して自分もマネする。
基本的には,この繰り返し。
『何がいい?』
だけ,軽く問うてから。
▼ 朝の支度について
おはようございます
て
ら
せ
も
な
頭文字1字だけ示して,クイズ。
学校に来てから何をするのか?
『まず手洗いをするでしょ。ランドセルをしまうでしょ。そのあとは,背伸びをするんだね』
『いや,咳をするのか』
『いやいや背中をかくのか』
ボケまくる。
もう笑いすぎて死にそうな子もいた。
一方で,まだ「その程度ではオホホホホ」という子もいる。
というよりかは普段からの表情や生活習慣の問題か?
▼ 机の整え方
道具箱を出す。
粘土はあまり使わないので,ロッカーへ。
蓋をあけて,下の受け皿にする。
▼ 持ち物の確認
・筆箱
・下敷き
・連絡帳
・連絡袋
筆箱の中身を確認。
削ってある鉛筆。
…なんてやっていると,手わすらが始まる。
どんどん次へ次へ。
連絡帳を開かせると…
3人の保護者からメッセージ。
提出させ,後ほど返事を書く。
連絡袋の確認も。
案の定,朝のうちに出せなかったプリントが残っている。
全て吐き出させる。
何をするにもいちいち時間がかかる。
途中,トイレに駆け込む子が何人か。
失敗をして着替えになった子も。
廊下に居た特別支援学級の先生にYさんについて声かけ。
早いうちに情報交換。
この子は,他地区からの転入。
引継ぎがなかった。
就学健康診断時にもらった書類の紛失。
3歳の弟が1人で学校に侵入。
入学式への遅刻。
今日を迎えるまでにもいろいろとあったが…
一斉指導をしてみて,さらに直感が働いた。
私の見立てを,ひとまず伝えておいた。
この記録に書く“Y”のイニシャルを受け継ぐにふさわしい。
と,この休み時間にもトイレを失敗した子が…
保健室へ応援を要請。
□Ⅱ 生活科
▼ トイレの使い方①
トイレや水道の写真を撮っておいた。
それらでパワポを作成しておいた。
一般的なトイレのマークから。
その後,バラバラに散らかったスリッパの写真。
『スリッパたちは,どんなことを話しているでしょう?』
スリッパの氣もち問うような働きかけをしたが…
返ってきたのは,対応策について。
現実的だ。
・きれいに並べられたスリッパとの比較
高学年が掃除している写真を見せて,
『学校のトイレを掃除をしているのは,お兄さん・お姉さんたちです。お兄さん・お姉さんが一番嫌がることは何でしょうか?』
掃除をする人の身になって考えさせる。
何人かしか意見が出ない。
私の方で氣もちを代弁した上で,さらっと先へ。
思考させるが,ぱっと次へ。
汚さないためには,どのようにすべきか?
① 一歩前へ
② 奥に座る
また,汚してしまったら自分で拭く。
それでもダメなら先生を呼ぶ。
実際に,先ほども何度も呼び出された。
▼ 水道の使い方
『使い終わった後に,どうしておけばいいですか?』
3択問題。
画面に集中できている子たちは正解。
さらに,水道前の引きの写真。
よく観ると…
ポイントが打たれている。
密にならないように並ぶための目安。
最後は,教室からトイレへ伸びる廊下の写真。
走りたくなるが…
危険が伴う。
「廊下を走らない」
ではなく,具体的にどんな場面だと危ないのか?
今回取り上げたのは,出会い頭である。
扉を抜けてすぐ。
実際に,トイレを水道の前まで行く。
この時に何度もYさんが居なくなる。
そして,とうとう見失った…
職員室へ応援要請。
捜索が始まった。
個別の対応に氣を取られていると,彼が視界から外れる。
…もっと視野を広く持たねばならぬ。
授業1日目にして脱走。
彼の場合は,興味が他方に散っていて,どこかへ消える。
教材室に居たようだった。
しばらくしてから何食わぬ顔で戻ってきた。
▼ 下駄箱の使い方
×と○とを写真で対比。
自分の靴はどうか?
予想を立てさせた上で,観に行く。
ズレていた場合は,その場で直す。
人数が多い上に下駄箱の前が狭すぎる…
昨年度の感覚で集団を動かしてはいかんな。
□ 業間休み
そのまんまの流れで外遊びへ。
赤白帽子は明日持ってくることになっている。
黒紙で校庭を走り回る。
前の学級やら他の学年やら混ざって…
さらにカオス。
子どもの特性なんだろう。
新しい1年2組の子たちにも散々追いかけられた。
1対何十?!
□Ⅲ 学級活動
下校班編成。
栃木県では,下校班での帰宅が主流。
住所を基に班を組んでおいた。
ランドセルだけ背負わせ,オープンスクールにて整列。
ランドセルにシールを貼る。
帰る方面によって色を変えていった。
帰りの準備。
トイレ。
ちょっと早めに昇降口前に整列。
下校班を見守る保護者の方々もお見えになっている。
横断歩道の渡り方。
1班ずつ確認。
さようなら。
教室に戻った後は,事務ワーク。
今日締め切りの書類のみ,名簿に記入。
あと2人…。
惜しかった。
と,これぐらいしかできなかった。
もうヘロヘロ。
脱走Yさんだけでなく,いろいろな子が課題を抱えている。
私史上大変な学級がまた更新された。
職員室でも積極的に情報交換。
“事情”を知っておいてもらった方が,ぱっと対応してもらいやすい。
□ 給食
今日は大盛り止まり。
□ 昼休み
またも子どもたちと戯れる。
特別支援学級の3年生と流れで遊ぶことになった。
ドッチビーで。
前の1年2組の子たちとドッチボール形式でやることになった。
終わった後も彼は満足そうだった。
「明日もやろうね」
特別支援学級の子たちによく好かれる。
自分が小学校時代から,そう。
係に命ぜられた時もある。
才能か,はたまた私も特別支援扱いだからか。
まあ,後者だろうな。
似た者同士,楽しくやっていきたい。
5校時は事務ワーク。
明日の構想を練る。
□Ⅵ 委員会活動「放送委員会」
この時間がオアシスのようだ。
言葉が通じる。
いくらでも場を温め,笑いが起こせる。
今年度は,新たな取り組みを始める。
朝と昼の放送を通して,学校のみんなを楽しませる。
レジュメも作って,子どもたちにアイデアを求めた。
いろいろと出される。
現実的なことも,非現実的なことも。
これがいい。
のらりくらりやりながら,どうなるか分からない道を彼らと共に楽しんでいきたい。
曜日ごとの分担を決める。
放送機器の使い方の確認。
校長室へ呼び出し。
悪いことをしたわけではない。
「学級通信」の発行について。
いくつか制約が課される。
今の学校において誰一人とやっていない中での発行。
それでも良いものは認めざるを得ない。
校長先生がそもそも自由にやられている。
だが…
あまりに飛び抜けることは許されない。
真実が覆い隠されてしまうことにならないとよいな…
当たり障りのないことを書くくらいならやらなくていい。
いずれにせよ,認めて頂けたことには感謝したい。
もう一つは,校長先生へ私からの提案。
放送委員会について。
□ 放課後
あれこれと事務ワーク。
今年度は,いつもよりも職員室に居る時間が長い。
仕事が捗る捗る。
何歩先まで行ってやろうか,なんて楽しんでいる。
6時退勤。
初日の授業を終え…
増々先の見通しがつかなくなった。
このまま進めばお先真っ暗。
行き当たりばったりでやれることをやっていくしかない。
昨年度もそうだった。
学級を起ち上げてから数カ月は,光が見えなかった。
その後,化け出し,加速成長していくのだが…
ブレイクスルーまでどこまでじらされるか。
毎日格闘の日々は確約された。
こんなことを書くとまた自信過剰と言われしまうだろうが…
この学校でこの学級を持ったのは,私でよかった。
心からそう想う。
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