見出し画像

新たな満足度の指標、ネットプロモータースコア

NTTコミュニケーションズの展示会を訪れた時に、NPS(Net Promoter Score)という指標について話を伺いました。

この指標はベイン&カンパニーのフレッド・レイヘルドが考案した指標で、具体的には、“友人や同僚にサービス等を勧める可能性”を測るものです。

友人や同僚にサービス等を勧める可能性(推奨度)の高低が、本来の満足度(カスタマー・ロイヤリティ)と相関が高いとされており、この相関の度合の高さを見ると、企業等の成長の鍵を握るのは既存顧客であり、その顧客ロイヤリティ(信頼度、愛着度)を上げることが重要であるとするものです。

従来の満足度(CS)調査では、この顧客満足度(CS)の結果が必ずしもサービスの再購入等の行動に繋がっておらず、なんと、サービスを解約した顧客の内8割が、満足度(CS)調査で“満足”と回答していたと言います。

つまり、満足と回答していても顧客足り得ずということだと思います。

従来の満足度調査と比べて、このNPSの指標である“友人や同僚にサービス等を勧める可能性”は、企業の売上高成長率とも高い相関があるとのことです。

このNPSの指標を用いて、いわゆるカスタマージャーニーにおける“各々のカスタマーとの接点”において、“推奨度”を測っていくことにより、その結果を踏まえて、各々の接点において必要な改善を行おうとするのが、このNPSを用いた改善手法となります。

NPS調査の例として、顧客ロイヤリティを構成する項目を見ると、このようになります。

①ブランドイメージの良さ
②商品やサービスの魅力
③自分に合ったサービスを提供してくれる
④制度や条件を分かりやすく説明してくれる
⑤申込や住所変更手続きの簡単さ
⑥サービスのアフターフォローの手厚さ
⑦問合せ時の対応の良さ
⑧支払い請求手続きと支払いのスムーズさ
⑨コストパフォーマンス

これらについて測った指標の結果により、評価が低い要因を深堀りしていくことになります。

NTTコム・オンライン・マーケティング・ソリューションが行った百貨店業界のNPS調査によると、顧客推奨度が一番高かったのは阪急百貨店で、阪急百貨店が実現しているロイヤリティの要因は、雰囲気の良さ(楽しめる、親しみやすさ)、企業イメージ・ブランドイメージの良さ、お問合せ時の応対の良さであったとのことです。

自治体においては、このような“推奨度”のチェックは、従来から同様の指標が活用されてきたシティプロモーションやシティセールスの指標としてだけでなく、やはり自治体の施策全般の指標として、つまりは総合振興計画等の総合的な指標として活用が可能であると考えます。

また、特に、サービス的視点からの改善ということですと、区役所など、市民と接点がある部署や各サービス提供体制の改善を意図する際には、大変有望な指標となると言ってよいと思います。

このような“推奨度”を指標に据えた、まさに総合的な“行政プロセスのリデザイン”の取組について、今後も興味を持っていろいろと考えていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?