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PFI事業を適切に推進するための鍵

PFI事業を適切に推進するための鍵となる“手法”とは何かと問われれば、それは“どのようにモニタリング(業績監視)を行うのか”について語ることに尽きると思う。
PFI事業は本来発注者の負担(事業経費のみならず人工を含んで)の軽減がその目指す大きな目的(それこそPFI手法を選定して活用する大きな優位性)なので、発注者の過度な関与を避けつつ、選定事業者がどの程度適切なモニタリングを回しながら、日々の事業を適切に実施していくことができるか否かがPFI事業の成功に直結するのだ。
そして、その発注者の関与の度合いを決定づけるのが発注者と選定事業者の役割分担。
つまり、これがなかなか難しいのだが、ずばり、モニタリング(評価)に係る発注者と選定事業者の役割分担だ。
この役割分担をする際、一番まずいのは、KPI(活動指標)の評価が選定事業者の役割で、KGI(成果指標(長期目標))の評価が発注者の役割!としてしまうことだ。
選定事業者は、とりあえずは目先のKPI(活動指標)を目指して日々の事業を実施していくのだが、その先には、常に高みにKGI(成果指標)を目指す態度を保たなければいけない。
そうしなければ、日々の事業に係る選定事業者のモチベーションも保てないし、日々の事業を少しでも良くしていこう、改善していこうとする積極的な態度も維持することができなくなる。
選定事業者は、KPI(活動指標)を活用しながら、KGI(成果指標)と現状の差を意識して、その差を埋めることこそその役割なのだ。
選定事業者は、そのトップから従業員の全員に至るまで、KGI(成果指標)を見つめつつ、そのモチベーションを維持していかなければいけない。
ただ単にKPI(活動指標)を目指す日々の仕事を淡々と行うだけではいけない。
そのため、発注者と選定事業者がまず整えるべきは、KPI(活動指標)とKGI(成果指標)を通じた、事業の評価を核とした事業推進の流れだ。
その流れをしっかりと作ることこそ、発注者のみならず、選定事業者が日々行う事業に関する不安や心理的な負担を取り除くことになり、さらに選定事業者は事業を推進する主体性を得ることができるようになるだろう。
発注者と選定事業者のしっかりとした共同体制の確保は、この事業推進の枠組みの構築にこそあるのだ。

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