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リモートの時代を迎えて、都市はその人口規模が増大することをもって、それが都市の成長だと喜んでばかりはいられないのではないかと思う。
人口密度は、街の中心部のみならずその郊外においてさえ高すぎるのではないか。
そしてその居住条件は住宅面積の不足や緑地帯の不足を生んでいないか。
さらに、各々の住宅は、川や山等の展望の美しさを確保できているのか。
また、住宅は騒音や塵、有害なガスにさらされていないか。
これらの危惧は、80年前に発表されたいわゆるアテネ憲章の中ですでに記されているものだ。
これから未来に渡って人口が伸びることはしばらくは無いだろう。そして交通や通信網(ICT)の発達により、仕事や学問をすることにおいて、人間が必要以上に集積する必要が無いことも分かってしまった。このような状況の中で、今自治体に望まれることは、人口増を追い求めることではなくて、ほどほどの人口規模の中で、一人一人の市民が、豊かな生活環境において時を重ねることができる状況を実現することではないか。
そしてそれを実現するのに必要な経済規模を、人口が伸びない中でどう確保し、どう財政を回していくのか。
そこが街の今後の健全な成長のキモになるように思う。

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